日本人のクルーズ人口、2013年は過去最高の23.8万人、外航クルーズは2ケタ増に

国土交通省が発表した「2013年の我が国のクルーズ等の動向について」によると、2013年の日本人のクルーズ旅行利用者数(日本のクルーズ人口)は前年比9.9%増の23万8000人となった。外航クルーズ乗客数は14.8%増の13万8000人と大幅に増加し、いずれも調査開始時から過去最高を記録。国内クルーズも外航クルーズ船の利用者が4.5%増(4300人増)の9万7900人に増加し、内航フェリーの利用を含む国内クルーズ全体でも3.8%増(3700人増)の10万100人になった。

▼外航クルーズはより身近な旅行へ

日本発着クルーズの増加でアジアのシェアが4割に

外航クルーズの利用者のうち、日本船社は2013年6月に日本チャータークルーズのふじ丸が運航を停止したため、20.7%減の1万5000人に減少。しかし、外国船社は日本発着クルーズの本格化で21.5%増の12万2800人と2割増となり、クルーズ人口全体の利用者数を過去最高値に押し上げた。

ただし、人泊数ベースでは102万人泊で前年よりも9万7000人泊減少。平均泊数も前年より1.9泊少ない7.4泊と短期化した。5~7泊が4.3%増の5万3200人と最多の傾向は変わらないものの、シェアは3.8ポイント減の38.6%と縮小。外国船社のショートクルーズ利用者の増加で3~4泊が82.8%増の2万7800人と大きく増加し、3泊~7泊で22.2%増の8万1000人、シェア58.7%と拡大した。

目的別ではレジャー目的が17.5%増の13万6500人と増加し、シェアは98.9%とこれまでの最大に拡大。残りはセミナーが59.3%減の1100人(シェア0.8%)、交流が60.0%減の400人(同0.3%)、団体旅行は0人で、企業・団体・官公庁系のグループ利用は減少となった。個人の観光目的の利用が増えており、旅行市場に気軽にクルーズ旅行を楽しむ風潮が浸透しつつあるといえる。

航海エリアは欧州地域全体で17.9%増の5万5900人(シェア40.6%)と最多だが、アジアが外国船の日本発着クルーズ増加により、26.3%増の5万5700人(同40.4%)と欧州に迫るまでに増加。欧州地域では、北欧・バルト海が10.7%増の3万人(同21.8%)、地中海(エーゲ海・黒海)が41.1%増の2万4000人(同17.4%)と続く。ちなみに、世界の3大クルーズエリアである地中海、アラスカ(3000人)、カリブ海(8700人)の合計は3万5700人で、外国クルーズ利用客の25%を占めている。

なお、日本発着クルーズの外国人利用者数は6000人(今回から調査開始)。また、日本発着の外航旅客定期航路の日本人利用者数は、45%減の18万5000人に大きく減少した。


【外国クルーズの乗客数の推移】

国土交通省「2013 年の我が国のクルーズ等の動向について」より

▼国内クルーズはレジャー目的のワンナイトクルーズが倍増

国内クルーズは、人泊ベースでは0.7%減の28万300人、平均泊数は2.9泊と前年並み。人泊ベースは2004年以来の最高となった。2泊のクルーズが4.5ポイント増の27.6%(2万7000人)と増加したものの、5~10泊のクルーズが0.8ポイント増の19.6%の1万9200人と微増し、前年並みを維持した。1泊~4泊のクルーズが80.1%を占めているが、2011年の88.1%、2012年の80.4%から縮小傾向にある。

目的別ではレジャーが6.9%増の9万6600人で過去最高を記録。シェアも3.3ポイント増の96.5%に拡大した。そのうち、ワンナイトクルーズは95.5%増の3万500人と倍増している。このほかは、インセンティブが59%減の500人(シェア0.5%)、団体旅行が69%減の1000人(同1.0%)、交流が81.8%増の2000人(同2.0%)、セミナーは0.0%だった。


【国内クルーズ人泊数の推移(外航クルーズ船のみ)】

国土交通省「2013 年の我が国のクルーズ等の動向について」より

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