公開直前、ヤフートラベルの新たなホテル予約ビジネス、その打ち手を責任者に聞いてきた

ヤフーが運営する「Yahoo!トラベル」の新たな直販ビジネスが、間もなく始まろうとしている。インターネット宿泊予約事業で宿泊施設と直接契約して客室を提供、あわせて掲載する宿泊施設のシステム利用料を無料とするものだ。同時にユーザー側の動線も改善し、サイトリニューアルとして2014年8月20日に公開する。新ビジネスの開始を目前に控え、ビジネスの状況とサイトの改善点を同社ショッピングカンパニー予約事業本部本部長の齋藤克也氏(写真右)とトラベルサービスマネージャーの西田裕志氏(写真左)に聞いた。

ヤフーが今回の新たな展開を発表してから約半年。その間、ビジネスの方針に変化があったかを問うと、両氏は「特にない」と即答した。宿泊予約で「予約革命を目指す」展開に変化はないようだ。宿泊施設のコスト負担を軽減し、ユーザーの選択肢を増やしていくことで「これまでのルールを変えて活性化してきたい。」と斉藤氏は意欲的に語る。


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ヤフーでは、「eコマース革命」として、昨年10月にはYahoo!ショッピング、ヤフオク!のストア出店料を無料化。また、売り手とユーザー双方の利便性を向上させる「予約革命」として「Yahoo!予約」でサービス利用料を無料にした飲食店の予約サービスも開始、その波をトラベルの領域にも起こす。7月1日には、国内の日帰りバスツアーのコース掲載料を無料化し、掲載数は国内最大級となった。



トラベルサービスマネージャーの西田裕志氏

新たな展開で宿泊施設に掲載を促す活動のなかで、新しいビジネスも生まれつつあるという。それは、トラベルだけでなくヤフー・ジャパン全体が持つ”コンテンツ”を活用したもの。地元の名産品などの物産や飲食店、そして宿泊施設など「地域活性化のセット」でヤフーがサポートするものだ。西田氏は「観光協会や自治体から引き合いがでている」として、行政のホームページの裏側でYahoo!トラベルが掲載コンテンツをサポートする動きが進んでいることを明らかにした。「(新たな展開によって)宿泊施設だけに関わらず、地方観光の課題にも取り組める道筋ができた」と評価する。

一方、システム利用料が無料とはいえ新たな宿泊施設の獲得には苦労もあったようだ。リニューアルのタイミングが夏休みのど真ん中、施設の繁忙期であり稼働の高い時期であることが大きく要因となったという。また、掲載のために新たな宿泊プランを作成することも施設にとって一手間で、参画については「様子見」をする動きもみられたという。こうしたタイミングにもかかわらず、積極的に参画をしたのは、すでに他OTAで客室を販売してきた宿泊施設だった。OTAの集客力を体感している施設はシステム利用料無料という条件下で「やらない理由はない(齋藤氏)」と積極的な姿勢をみせたようだ。

リニューアルまで残り数日。Yahoo!トラベルは、宿泊施設の参画を加速させるためのキャンペーンを用意。ヤフー側がポイントの原資を負担して、ユーザ付与のポイントアップキャンペーンを実施することで追い込みをかける。



▼リニューアルは

ユーザー側の利便性向上も

施設側の管理画面ではシンプルな操作手順に

ショッピングカンパニー予約事業本部本部長の齋藤克也氏

8月20日のリリース時には、ユーザーサイドの利便性も高める。現在の検索には、人数入力に「子ども」の選択肢がなく、2泊以上の連泊で価格が抑えられるプランを1泊の条件入力でもヒットさせてしまう状況を、このタイミングで改善する。

また、ユーザーの検索結果に「おすすめの施設」を掲載。ユーザーが予約する施設を選択した後、予約成立に至るページ遷移を現在の5Pから3Pにしてクリック数を減らす。ユーザーの施設選択をサポートし、スムーズな画面遷移をすることでコンバージョンレート(成約率)をあげていきたい考えだ。

一方、参画する施設の作業負担の軽減にも配慮した。管理画面は、パソコンとタブレット端末で利用可能とし、画像アップロードもドラッグで行うことができるシンプルな操作を実現。要望が高かったサイトコントローラーも「TLリンカーン」「手間いらず」の2社と連携を済ませ、リリースまでには「ねっぱん!」「らく通」と連携が予定されてる。大きなシェアをもつサイトコントローラー4社との連携は、特に優先順位をあげて実践されたという。

こうした体制を整え、ユーザーへの告知は、最大のアドバンテージといえるYahoo!JAPANサイトを通じて行われる。圧倒的な集客力をもつ巨大ポータルサイトの閲覧数は月間558億ページビュー(2014年6月媒体資料より)。巨大サイトの新たな展開にユーザーがどう動くのかーー?

既存プランと新たな直接契約施設のプランを併載し、選択肢が豊富になることでユーザー増加に期待するヤフートラベル。今後の動きに注視したい。

(トラベルボイス編集部:山岡薫)

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