レジャー白書2015発表、日本の余暇市場は微増の73兆円、首位は「国内旅行」で5400万人、「ドライブ」は4位に後退

日本生産性本部余暇創研は、このほど「レジャー白書 2015 ~国内旅行のゆくえと余暇~」をとりまとめ、その概要を発表した。それによると、2014年の日本人の余暇市場は72兆9230億円(前年比0.6%増)、そのうち「観光・行楽」部門の伸びが5.0%増となり、市場全体をけん引する結果となった。実際に参加した余暇活動では、「国内観光旅行(避暑、避寒、温泉など)」が5400万人で4年連続トップとなっている。

この白書は、余暇活動調査などをもとに日本におけるレジャーのあり方を需要・供給両方の観点から時系列的・総合的に取りまとめるもの。今年は「国内旅行」にフォーカスをあてた内容で、白書の発行は2015年8月初旬の予定。1977年以来39回目の発行となる。

市場全体および部門別の推移は以下のとおり。

日本生産性本部:報道資料より

市場全体の傾向 ―遊園地やテーマパーク、空港や鉄道の好業績が国内旅行の伸びに寄与

市場全体の傾向では、前年比5.0%の伸びを示した「観光・行楽」のうち、特に国内旅行が伸長。その要因として、遊園地やテーマパークが過去の最高業績を示したうえ、空港、鉄道、リゾートクラブなども好調で国内旅行の大きな伸びを支えた。また、訪日外国人旅行者の増加によってホテルが2けた成長、旅館は横ばい状態からプラスに転じた。

ほかの部門では、「スポーツ」は前年比0.7%増で3年連続の増加。公営ギャンブルやくじ、ゲームなどを含む「娯楽」部門は0.1%増とほぼ横ばい傾向にあるが、カメラやビデオ、映画や音楽コンサートといった「趣味・創作」部門は1.8%減となった。


余暇活動の参加状況 ―ウィンドウショッピングやウォーキングなど「歩く」レジャーの人気が上昇

実際に参加した余暇活動では、「国内観光旅行」(5400万人)が首位を維持しているものの、2位以下の順位には変動がみられた。

2位「外食(日常的なものは除く)」(5000万人、前年3位)、3位「読書(仕事、勉強などを除く娯楽としての)」(4990万人、前年4位)が昨年よりもランクアップしたほか、「ウィンドウショッピング」「ウォーキング」などが順位を上げてトップ10入り、「SNS、ツイッターなどのデジタルコミュニケーション」は昨年20位から17位に上昇した。

一方、順位を下げたものとしては4位「ドライブ」(4870万人、前年2位)、7位「映画(テレビは除く)」(4050万人、前年5位)があるほか、「帰省旅行」は前年19位から低下し20位圏外となった。

余暇活動の参加状況は以下のとおり。

日本生産性本部:報道資料より

今後希望する旅行先 ―北海道・沖縄・滋賀・京都エリアに集中

「国内観光旅行(避暑、避寒、温泉など)」参加人口の好調を受け、その旅行先の実態をみると、「東京」(26.4%)が最多で、2位が「滋賀・京都」(19.9%)、3位が「長野・山梨」(18.9%)となった。その反面、10%に届かない地域も複数(新潟、埼玉、北陸、岐阜、四国、大分・宮崎・鹿児島、沖縄)あり、地域間で差が開く結果が判明している。

また、「今後の希望とする旅行先」では傾向が異なる。「北海道」(58.5%)が圧倒的な強さを見せ、次いで「沖縄」(48.5%)「滋賀・京都」(40.1%)となっている。旅行参加人数が最も多かった「東京」は25.3%にとどまっている。

日本生産性本部:報道資料より

宿泊を伴うレジャー種目は「スキー」「クルージング」「ゴルフ」が人気

なお、同調査では旅行3種目(国内、海外、帰省旅行)以外の余暇活動参加者に対し、宿泊旅行を伴うそのレジャー活動にどのようなものがあったかを分析した。その結果、宿泊旅行を伴う活動の1位は「スキー」(49.7%)、2位は「クルージング(客船による)」(43.7%)、3位「ゴルフ」(34.3%)となった。

また、男性では「釣り」(25.1%)や「写真の制作」(15.9%)、女性では「催し物、博覧会」(14.6%)がトップテン入りしたことが特徴となっている。

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