大阪・関西万博、車いすの押し手サポートなど、利用者の9割が「万博は楽しかった」と回答、来場のきっかけにも

関西イノベーションセンター(MUIC Kansai)は、このほど大阪・関西万博の会場内サポートに関するアンケート調査を実施した。MUIC Kansaiが運営するユニバーサルツーリズムプロジェクト「LET’S EXPO」は、身体的不自由を抱える人を対象とした移動支援サービスを提供しており、利用者の満足度や改善点を明らかにする目的。

調査は2025年4月17日~5月31日の期間中、利用した来場者145名と支援担当のボランティアスタッフ398名を対象におこなった。会場内サポートは、LET‘S EXPOのスタッフが車いすユーザーの押し手サポートなどをおこない、身体に不自由を抱える人でも万博会場内をスムーズにめぐることができるよう支援する取り組み。

これによると、利用者の92.3%が万博について「楽しかった」、ボランティアスタッフの97.5%が「利用者が楽しんでいたと思う」と回答。MUIC Kansaiは「支援する側とされる側の関係を超えて、ともに楽しむという双方向のつながりが生まれていた」と分析した。会場サポートの行き先で最も多かったのは「大屋根リング」。「フランス館」「アメリカ館」が続いた。

「会場内サポート」が万博に来場するきっかけになったと回答した利用者は81.6%。理由は、「LET’S EXPOの取り組みに興味をもった」が62.1%で最も多く、「体力・体調に不安がある」が29%、「介助してもらえる人がいない」が26.9%だった。

また、98.5%のボランティアスタッフが、「会場内サポートは万博にあって良かったサービス」と回答。さらに利用者の69%が万博以外の別の機会でも「お金を払ってでも使いたい」と答えていることから、「全国各地の観光地や大規模イベントにも展開していけるよう、大阪・関西万博の閉幕まで引き続きサービスの提供と改善、情報の収集を進めていく」(MUIC Kansai) とした。

万博が身体的不自由を抱える人にも優しいつくりになっているかどうかについては、ボランティアスタッフの21.1%が「とてもそう思った」、54.8%が「そう思った」と回答したことから、身体的不自由を抱える方にも優しいつくりになっていることがうかがえる。ただその一方で、万博会場内で足りていないポイントとして、「混雑時の移動の安全性」(55.8%)、「会場内の案内サインのわかりやすさ」(38.9%)、「会場内の休憩スペース(ベンチ等含む)」(18.6%)といった課題も指摘された。

発表資料より

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