ツーリズムEXPO開幕、アワード大賞に「瀬戸内国際芸術祭」、UNWTO部門賞はJTBに決定

第1回目となる「ジャパン・ツーリズム・アワード」の大賞とUNWTO賞が決定した。ジャパン・ツーリズム・アワードは、国内・海外の優れた観光への取組みを表彰するもので、観光業界の発展・拡大に寄与することを目的に創設された懸賞事業。ツーリズムEXPO開幕日となる2015年9月24日に大賞、UNWTO賞などが発表され、各部門の優秀賞の表彰とともにイベントの幕開けを強く印象付けた。

大賞となったのは、瀬戸内国際芸術祭実行委員会による「瀬戸内国際芸術祭開催による地域再生の取組」。瀬戸内の島々の魅力をアートという切り口で発信し、瀬戸内国際芸術祭というブランド化に成功した取り組みだ。持続性・発展性への期待、地域への経済効果、香川県だけでなく瀬戸内海エリア全体への広域観光連携への期待などが評価された。

大賞を受賞した瀬戸内国際芸術祭実行委員会会長である香川県の浜田恵造知事は、今後はアートに加えて食など他のテーマでも地域をアピールする予定があることを明かし、地域再生と観光振興に取り組んでいく意気込みを語った。

中央:瀬戸内国際芸術祭実行委員会会長である香川県の浜田恵造知事、右:ツーリズムEXPO組織委員会委員長の山口範雄氏、左:旅行業協会会長・田川博己氏

世界観光機構UNWTO部門賞は、JTBが受賞。この賞は、観光業の責任ある持続可能な発展のための重要な規範「世界観光倫理憲章」の趣旨に沿った活動を表彰するもの。JTB代表取締役社長の髙橋広行氏は、「(今後も同社の規範に沿って)ツーリズムの健全な発展につながる責任ある事業の発展に努めていきたい」と指針を示した。

中央:JTB代表取締役社長の髙橋広行氏、右:世界観光倫理委員会パスカル・ラミー議長、左:国連世界観光機関(UNWTO)理事・アジア太平洋地域部長 スー・ジン氏

審査員をつとめた世界観光倫理委員会委員の本保芳明氏は、JTBの受賞について倫理憲章6項目に合致した事業であり、そのレベルが高く、継続性があったこととともに、「世界有数の総合旅行会社としての行動理念に合った一貫性のある活動であることが評価された」と評価のポイントを説明している。

ツーリズムEXPOジャパン組織委員会委員長の山口範雄氏は、初回となった今回のアワードについて「一定の成功だった」と評価。懸賞事業は、来年以降も応募ができることを説明し、「持続性が重要」として取り組みに磨きをかけていくことを呼び掛けた。

なお、授賞式が開催されたツーリズムEXPO初日の9月24日には商談会がスタート。アウトバウンド(海外旅行)では、セラーが290社430名、バイヤーが160社200名。国内旅行ではセラーが110社160名、バイヤーが55社85名と昨年実績を上回る参加者が2日間にわたって活発な商談を行う(人数は9月14日段階の集計)。25日には開会式を皮切りにBtoB展示会やセミナー、26日から27日までは一般消費者向けのイベントが開催される。その模様の取材記事は、追って掲載する。

トラベルボイス編集部:山岡薫


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