企業の海外安全対策で組織体制強化が進む、IS影響で渡航基準の見直しも -日本在外企業協会

日本在外企業協会が会員企業を対象に実施したアンケート調査で、企業の海外安全対策の組織体制強化が一層進んでいることが判明した。

調査は隔年で実施しているもので、本社に専任組織・専任担当者を配置する企業は85%(常設および緊急時の設置の合計)と、前回2013年調査よりも4%増加。海外拠点では前回調査時の57%から65%に拡大した。海外安全対策のマニュアルについても、本社と海外拠点の両方、またはそれぞれに整備している企業が7割を超えるようになった。

その理由には、「緊急時に迅速、適切に対応するため」、「被害の未然防止(予防対策)のため」に続いて「海外拠点のリスク増大への対応」があげられた。海外安全に関して特に重点を置く項目では、「海外駐在員・出張者管理(安全確認含む)」(63%)、「海外情報の収集と分析」(61%)が前回調査よりもポイントをあげており、テロ事件の頻発や政情の不安定化を受けて、社員の安否確認の充実を重視していることがうかがえる。

また、ISの影響によるテロ事件を受けた対応策に関する自由記述での回答を見ると、「安全対策を徹底する注意喚起を行なう」とともに、「海外拠点との情報共有の強化や安否確認システムの構築」、「派遣者・出張者への安全教育の強化」や「有事対応訓練の実施・検討」などを行なう企業が多かった。「渡航基準の見直し、規制強化」という回答も見られ、「中東、アフリカ諸国への渡航を制限」する企業もあった。

海外安全に関する問題点や悩み・不満等については、「時差のある国で発生した事案への初動対応(24時間対応)が難しい」や「海外安全担当者の経験・知見の不足、および継承に課題」など、具体的な対策に関する課題のほか、「安全対策費用をかける業務対象範囲の判断が難しい」「平常時における海外安全対策の優先度がた業務に比べ低い」など、安全対策の適正な維持・運営に対する悩みも散見された。

同調査は2015年6月9日~29日まで、賛助会員を除く会員企業233社を対象に実施。有効回答数は144社。

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