民泊「Airbnb」、日本で苦情の窓口設置や税徴収の代行も - 新たな施策案を発表

内閣府規制改革会議は、「民泊サービスにおける規制改革」について公開ディスカッションを行った。そのなかで、関係事業者として参加したAirbnb Japan代表の田邉泰之氏は、今後の取り組みについて発言。「グルーバルなプラットフォームが基本だが、日本のニーズに合わせた独自の取り組みを進めていく」として、新たな施策を発表した。

まず、国際的なイベントでの民泊を念頭に、警察との連携を深め、日本語対応できる窓口を設ける。また、災害や感染症など緊急時の対応として、その情報を的確にシェアできる仕組みを構築していく。

さらに、田邉氏は、Airbnbが昨年10月にパリで観光税を徴収する代行サービスを開始したことについても触れ、今年1月までの3ヶ月で約1.5億円の回収が実現した事を紹介。「日本でも宿泊税や消費税の徴収を効率的に徴収できる体制を整えていく」と発言した。

このほか、「シェアリングエコノミーが拡大していくためには、地域社会との共存は欠かせない」として、新たにAirbnbホストの近隣住民から苦情や意見を受け付ける窓口を設置する計画も明らかにした。この取り組みはグローバルに展開する計画で、詳細は今後発表される予定。Airbnbとしては、ホームシェアリングでは個人と個人だけではなく、近隣住民を含めたエコシステムを構築していく必要があるとの認識から、より透明性を持ったサービスの提供を検討していく方針だ。

田邉氏は、ホームシェアリングを旅館業法として扱うことの矛盾についても言及。Airbnbでは双方向レビューによってホストがゲストを拒むことも可能となっているが、これが現行の旅館業法の引受義務違反に当たる可能性でてくるとの懸念を表明。また、用途地域制限については、自宅が住居専用地域内にある場合には貸すことができなくなるため、「これはホームシェアリングとの思想とは違ってくる」との意見を述べた。

会議の意見交換では、双方向レビューによる安心の担保について、「悪い同士がマッチングする可能性も排除できない」として、その効果を疑問視する意見も出たほか、C to CビジネスモデルのCが業法に当たるのかについての議論のなかで、「ホストに業としての規制を課すとシェアリングエコノミーは広がらない」との意見も出た。さらに、プラットフォームへの規制について、届出、許可、登録のいずれの制度が適当かを議論していく必要性も提言された。

トラベルジャーナリスト 山田友樹

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