DMOが旅館の雇用促進プロジェクト、「日本一働きたくなる温泉観光都市」へ加賀温泉郷DMOらが始動

石川県加賀市と加賀温泉郷DMO(加賀市観光交流機構)、人材採用支援のアドヴァンテージ社はこのほど、「加賀温泉郷DMOによる温泉旅館雇用促進プロジェクト(KAGA ルート)」を始動した。「日本一働きたくなる温泉観光都市」を目指して、加賀温泉郷の宿泊業界における雇用創出や就労環境改善を進めるもの。

「KAGAルート」では、求職者と加賀市・加賀温泉郷が直接つながる「ルート(route)」と、宿泊事業者の雇用促進や働き方改革、経営合理化の根底となる「基礎(root)」を築くという2つの意味で"ルート"という言葉を採用。加賀温泉郷経営塾を発足し、人材確保事業を多角的に展開していく考えだ。

具体的にはまず、10月にオープン予定の新サイト「KAGAルート」では、求人媒体に頼らず温泉宿泊施設が直接求職者とつながる仕組みを提供する。また、採用強化に向けた各種勉強会や研修会を年度内に数回にわたって実施。経営合理化や「これからの加賀温泉郷」をテーマとする検討会なども進め、地域特有のオリジナルシステムの導入などにも取り組んでいく。

加賀市長の宮元陸氏は今回の取り組み開始にあたり、同市は人口減少が著しく、観光産業を中心とするサービス業は市内全体の求人全体の約2割を占める一方で、求人倍率が約10倍にも至る状況となっている課題に言及。「2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催や2023年に控える北陸新幹線の敦賀延伸も見据えるなか、宿泊業界全体の従業員確保が喫緊の課題」と説明している。

今回の事業では、加賀市観光戦略部が事務局を務めるほか、観光宿泊事業者と行政の連携窓口として、市役所関係部署との調整を実施。加賀温泉郷DMOは、地域商社的な組織として宿泊事業者と連携して事業を推進。アドヴァンテージ社は、ウェブサイトやSNSなどを通じた人材採用支援事業を中心に、効果的なマーケティングや戦略策定、プロモーションなどをサポートする。

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