国際民間航空機関、感染防止対策ガイドラインを改訂し、各国に導入を呼びかけ、検査体制などリスク管理のマニュアルを更新

国際民間航空機関(ICAO)は2020年11月10日、国際航空輸送の復活に向けた「アビエーション・リカバリー・タスクフォース(CART)」のガイドラインを改訂した。今後、各国政府に対して、それぞれの国の感染状況や感染予防対策に応じて、このガイドラインの導入を働きかけていく。

ICAOは、今年6月に感染予防のガイドラインを発表。公衆衛生におけるリスク低減対策と、空港、航空機、乗務員、航空貨物の4分野それぞれに関する指針を示していた。

新しいガイドラインでは、航空旅行の信頼回復のためには政府と業界とが協力して複合的な対策を取ることが重要としたうえで、このガイドラインが、航空業界が経済的、財政的危機を乗り切るための唯一の解決策であると指摘している。

CARTでは、空港検査について、ICAOがマニュアルで定めた「検査・国境リスク管理対策」に則った方法を推奨。この対策は、現在、世界保健機関(WHO)によって最終評価が行われており、11月16日には公表される見込み。また、各国に対して、旅行者の経済的負担を最小限に抑えるため、検査費用の抑制も求めている。

ICAOのマニュアルには、各国が意思決定プロセスの中で、検査体制や関連する対応を実施・評価できるツールも用意されている。

マスク着用については、幼児のほか、身体的障害、呼吸器障害、その他の病状を持つ旅行者に対しては、免除するとの方針も示した。また、空港や機内での衛生管理についても情報を更新した。

さらに、国境を超えたリスク管理に関して、各国は共通の公衆衛生対策としてPHC(公衆衛生回廊)の実施で協力していくことを求めている。PHCは、2つ以上の国が、1つ以上の国家間のルートで実施する公衆衛生緩和策をお互いに承認した場合に形成されるとしている。

このほか、機内や空港での安全対策について、長期間稼働していない機材、現場から離れている空港および航空会社職員、航空管制官は、必要に応じて感染防止の再訓練を行うべきだと指摘している。

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