世界大手オンライン旅行3社が、旅行市場の復活に向けて行うマーテケィング展開とは?【外電】

世界大手オンライン旅行会社であるエクスペディア・グループ、ブッキング・ホールディングスと、今や世界大手OTAと肩を並べる存在となった民泊エアビーアンドビー(Airbnb)は、旅行需要の回復に備えて、3者3様のマーケティング戦略を展開している。

バケーションレンタル「Vrbo(バーボ)」を展開するエクスペディアは、2021年第1四半期に販売マーケティング費として6億6400万ドル(約723億円)を投入。それでも、コロナ禍で減収しているため前年比で45%少ないが、売上高全体の53%を占める割合になる。

同社は、マーケティングのアプローチ手法を変更。ブランドメッセージを高める取り組みに移行している。バーボは今年4月、「Fast Start」プログラムのひとつとして、エアビーのスーパーホストを獲得するためのキャンペーンを立ち上げた。

一方、ブッキングは、これまで独自のマーケティングアルゴリズムがうまく機能していたため、マーケティング戦略ではあまり思い切ったことは行っていない。同社の2021年第1四半期のマーケティング費は前年の8億5100万ドル(約926億円)から4億6100万ドル(約502億円)に半減した。それでも、米国での旅行需要回復に向けて、ブランディング強化に集中的に投資する考えを示している。

両社の取り組みは、おそらく、ウォール街の反応を見ての動きだろう。

エアビーの2021年第1四半期のマーケティング費は前年比で7%減にしか過ぎない。同社の戦略は、引き続きブランドマーケティングを強化し、直接あるいは無料チャネルを通じてより多くのゲストを獲得するところにある。

同社は今年2月、米国、フランス、イギリス、カナダ、オーストラリアで大規模なマーケティングキャンペーンを立ち上げた。第2四半期にはイタリアとスペインも追加される。

同社のブライアン・チェスキーCEOは、「過去10年にわたって、クチコミに加えて、PRによってブランドを築き上げてきた。Airbnbという言葉は世界中で『名詞』だけでなく、民泊に利用するという意味の『動詞』にもなっている」と話し、同社のマーケティングの役割については、ゲストを「獲得する」というよりも「教育する」ところにあるとしている。

※ドル円換算は1ドル109円でトラベルボイス編集部が算出

※この記事は、世界的な旅行調査フォーカスライト社が運営する「フォーカスライト(Phocuswright)」から届いた英文記事を、同社との提携に基づいて、トラベルボイス編集部が日本語翻訳・編集したものです。

オリジナル記事:Expedia, Booking.com and Airbnb differ on marketing tactics as recovery begins

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