世界の航空需要回復でワクチンパスポート導入は不可欠か? 空港の滞在時間が8時間になる試算、回復予測は1年前倒し

国際航空運送協会(IATA)およびツーリズム・エコノミクスは、世界中でワクチン接種が加速し、旅行需要の回復も早まる見通しであることから、世界の旅客需要は2023年には2019年レベルを超えるとする予測を発表した。IATAが昨年7月に発表した2024年という予測から1年前倒ししたことになる。

IATAは新たに、世界の旅客数は2021年は2019年比で52%、2022年は88%、2023年は105%と予測。長期的には、2030年の旅客数は56億人に増加するものの、コロナ以前の予測よりも7%減になると見込む。

また、それ以降についても、人口構成の変化や限定的な市場自由化によって、2019年から2039の年率成長率は3.2%にとどまり、コロナ前の予測3.8%を下回るとしている。

今後もパンデミックの影響は続くと見られるが、IATAでは短期的には回復の兆し見えてきたとの認識を示している。その根拠として、2021年2月の工業生産レベルが2019年2月比で2%増加しているほか、消費者の貯蓄もGDPの10%を超える水準まで上がっていることを挙げる。また、ワクチン接種についても、日本を除く先進国では今年第3四半期までには人口の50%を超えることも、需要回復を後押しすると見ている。

需要回復に備えて、空港混雑回避のためデジタル証明書の導入を

そのうえで、IATAは今後の需要回復に伴い、ワクチン接種証明や陰性証明の提示によって、空港での混雑が増すと予想されることから、各国政府に対して、入国管理でのデジタル健康証明書の導入を求めている。

IATAによると、乗客の平均空港滞在時間はコロナ前で約1.5時間。これが、証明書の提示などに時間がかかるため、旅客数がコロナ前の30%の場合、ピーク時には3時間に伸びると予測。さらに、デジタル化が進まなければ、旅客数が75%に回復した場合は5.5時間、100%に回復した場合には8時間に伸びると試算した。

報道資料よりこのため、IATAはデジタル証明書を空港の自動化プロセスに組み込むことを要求。また、混雑回避だけでなく、証明書の不正防止、入管当局のデジタルID管理との統合にるセキュリティ強化、非接触などを利点として挙げ、証明書のデジタル化を進めていく必要性を訴えている。

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