国連、観光の回復に向け小規模の観光事業者を支援、5本柱のガイドラインを策定

国連世界観光機関(UNWTO)は、インドネシア・バリ島で開催されているG20サミットで、観光産業の回復力をさらに強化していくために、中小・零細企業(MSME)への支援を本格化していくことを明らかにした。

国際的に地政学的なリスク、エネルギー価格の上昇、気候変動など、観光がさまざまな課題に直面するなか、持続可能な観光を進め、観光産業の変革を進めていくためには、MSME がその担い手になっていく必要があるとの考え。

UNWTOは今年、インドネシア大統領府とサンディアガ・ウノ観光クリエイティブ産業大臣のリーダーシップのもと、G20観光ワーキンググループと協力して、MSME とコミュニティを変革の主体に据えるためのガイドラインを策定した。このガイドラインは、「人材」「イノベーション、デジタル化、クリエイティブエコノミー」 「女性と若者の力の活用」「気候変動対策、生物多様性保全、循環型経済」「政策、ガバナンス、投資」の5つの柱からなる。

UNWTOのズラブ・ポロリカシュヴィリ事務局長は「パンデミック後の世界では、ガバナンスの刷新、多国間主義、国際協力が危機に直面している世界に対処する唯一の道である」と強調。G20諸国は、世界の観光GDPの約76%を占めているため、模範を示していく必要があると付け加えた。

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