町や村をひとつの宿に見立てる「アルベルゴ・ディフーゾ」、国際的な推進組織が日本の4地域を認証、地域コミュニティとの調和で観光活性化へ

町や村を一つのホテルとして整備する「アルベルゴ・ディフーゾ」は、新たに日本の2市2町の事業者および自治体にスタートアップ認証を授与した。アルベルゴ・ディフーゾは、「地域まるごとホテル」とも呼ばれるイタリア発祥の取り組み。2022年7月には「アルベルゴ・ディフーゾインターナショナル極東支部」が立ち上げられ、日本での普及に乗り出している。先行して岡山県矢掛町「矢掛屋INN&SUITES」が2018年に認証されており、今回はそれに続くもの。

アルベルゴ・ディフーゾの提唱者で同協会会長のジャン・カルロ・ダッラーラ氏は認証式で「世界でこの取り組みを広げているところ。日本でもその価値に値する地域を見つけた。今後も大きく展開していきたい」と挨拶した。

アルベルゴ・ディフーゾとは?

アルベルゴ・ディフーゾの目的は、既存の施設を活用することで、地域の歴史的な中心地を壊すことなく、地域の観光を発展させるところにある。ダッラーラ氏がこの発想に着眼したのは、1976年に北イタリアのフリウリ地方で発生した大地震によって廃村の危機に直面した集落の復興を探る中でのことだ。

アルベルゴ・ディフーゾの要件には、ひとつの事業者が一括して経営・管理することが定められているほか、地域の環境、文化、コミュニティとの調和なども含まれている。そのうえで、基本的なコンセプトである「分散型ホテル」のアルベルゴ・ディフーゾ(AD)に加えて、より広範な地域が一体となる取り組みとして「オスピタリタ・ディフーザ(OD)」、ADやODを推進する自治体を認証する「アルベルゴ・ディフーゾ・タウン(ADT)」を設定している。

認証式で挨拶するダッラーラ会長

アルベルゴ・ディフーゾで地域課題の解決を

今回、山梨県身延町の「鶴林精舎」はADとして認証された。日蓮宗総本山の久遠寺(身延山)がある身延町は、宗教的な来客が減少しており、新たに切り口での集客を模索している中で、ADの取り組みに着手する。

また、同じくADの認証を受けた宮城県蔵王町の「蔵王農泊振興協議会」は、農村を守りながら、障害者も含めて誰でも安心できる街づくりを進めている中で、空き家を活用した宿泊施設の整備で関係人口や雇用創出に取り組んでいるという。

岩手県八幡平市の「八幡平DMO」はODで認証を受けた。八幡平はスキーリゾートとして発展してきたが、スキー人口が減少。同時に高齢化も進む中で、次の50年に向けた観光政策を進めているという。ODの取り組みの一環として、まもなく第一号の貸別荘が完成する予定。

長崎県平戸市はADTの認証。平戸城の天守閣改修や電柱地中化など景観整備を行ってきたが、人口減少に伴う新しい街づくりのスタートとしてADTに着手する。新しい非日常を旅行者に提供することで観光による地域活性化を進めていく考えだ。

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