フランス観光開発機構(アトゥー・フランス)は、毎年恒例の旅行業界向けワークショップ「SAKIDORI FRANCE」を東京と大阪で開催した。2026年は、フランスから31団体が出展。同機構日本・ASEAN代表のジャン=クリストフ・アラン氏(写真)は、中東情勢などの影響が日本の海外旅行市場に及ぶなか、昨年と同数の団体が参加したことは「日本市場への期待が引き続き大きいことの表れ」との考えを示した。
アラン氏は、2026年上半期の日本市場について「全体的に静かな状況」と評価。訪仏日本人旅行者数は第1四半期は好調だったものの、中東情勢の悪化後の第2四半期、特にゴールデンウィーク以降は予約の伸びが止まったと明かした。その背景として、「中東の航空会社の欠航が大きく、中東経由で訪仏する需要に影響が出た」と説明し、「個人旅行を中心にフランスへの旅行需要自体が落ち込んでいるわけではない」との見方を示した。
そのなかで、アラン氏は、最近の訪仏日本人旅行者の傾向として、二つのセグメントを挙げた。まず、富裕層を中心としたリピーター。「すでにフランスの知識があり、他のテーマを深掘りしたいと考えている人たち」だという。次に、ニッチ層。特定の興味を持って訪仏する人たちも増えていると話す。
その傾向は消費額にも表れており、フランス銀行によると、日本人旅行者の現地での消費額は増加傾向にあるという。アラン氏は「旅行者数が2019年の水準に回復するのはまだ見込めないが、今後も富裕層やリピーターが訪仏してくれることを期待している」と話した。
テーマごとにプロモーションを構築
今後のプロモーションでは、こうした動向に対応していく。アトゥー・フランスは、これまで年次キャンペーンをグローバルで展開してきたが、消費者の興味関心が細分化・多様化していることから、アラン氏は「共通テーマでのキャンペーンは難しくなっている。今後は、消費者の細かい興味を追っていくことを大切にしていく」と明かした。
そのうえで、それぞれ特定テーマを軸にしたプロモーションを展開していく考えだ。テーマの一例としては、Netflixの「オフライン・ラブ」、ドラマ「神の雫」、劇場アニメ「パリに咲くエトワール」などフランスを舞台にした映像作品、フランスサッカーや世界一周ヨットレース「ヴァンデ・グローブ」などのスポーツツーリズム、モネ没後100周年などのアートを挙げた。
アラン氏は、「フランスからというよりも、日本から生まれてくるテーマを捉えて、プロモーションを展開していくことが大切になる。そのテーマをもとに、フランスのパートナーや日本の旅行会社とコミュニケーションをおこない、肉付けしながらキャンペーンに仕立てていく」と説明した。

