日本政府観光局、訪日客の本格回復へ取組みを加速、国際線の復便・誘致、消費額重視で「北欧」を新たな重点市場に

日本政府観光局(JNTO)は、2023年度の主な取組みを策定した。2023年3月末に閣議決定した観光立国推進基本計画を踏まえ、インバウンドの本格的な回復に向けた取り組みを加速させる。

基本計画では消費額向上や高付加価値化に重点が置かれており、1人あたりGDPが高く航空アクセスでの優位性が高い北欧地域(スウェーデン、デンマーク、ノルウェー、フィンランド)を新たに重点市場化。ローカルサイトの開設や現地旅行会社との連携などの取り組みを拡充する。

また、日本への航空路線の認知度や予約率向上に向けて、航空会社や旅行会社との共同広告を展開するほか、航空路線の誘致のための商談会への出展することで、国際線の復便や訪日客数の早期回復を目指す。

JNTOの取りまとめによると、国際線の定期直行便数は主要空港、地方空港ともに回復傾向にあるものの訪日客数の伸び・回復状況に追いついていない。国際線の復便が遅れている一因としては、日本発の海外への旅行者の戻りが鈍いことがあげられる。JNTOの海外航空会社へのヒヤリングでは、訪日需要が高い状況であっても、日本発の需要が高まるまで復便を待つ航空会社が多いという。観光庁では、日本人の海外旅行促進に向けた政策パッケージを推進しており、その動向も今後の国際線復便へのカギを握りそうだ。

訪日プロモーションは地域の持続可能性の向上につなぐ

訪日プロモーションでは、観光庁の地域支援の取り組みと連動し、地域の持続可能性の向上に繋がるプロモーションを展開する。文化・自然・食などの特別な体験を、SNSやウェブサイト、広告・広報などで積極的に発信。商談会出展などを通じて高付加価値旅行先としての日本の魅力を訴求していく。また、9月に開催される「アドベンチャートラベル・ワールド サミット北海道・日本(ATWS2023)」で日本全国のアドベンチャートラベルの魅力を発信し、大阪・関西万博の認知度向上に向けた情報発信も推進する。

このほか、旅行商品造成に向けた 広域連携DMOとの共同事業やインバウンド関係者向けのセミナーやコンサルティング、会議運営会社の国際団体と連携した国際MICE誘致、大阪・関西万博を契機としたインセンティブ旅行の誘致に取り組む。

MICEへの対応では、コロナ禍を経てハイブリッド化への対応が必須となっている。JNTOでは、ハイブリッド会議の開催マニュアルを作成するなど支援を強化していく方針だ。また、国際会議の誘致においてサステナビリティに配慮することが有利になる傾向、東京以外の地方にも大規模MICEが行える施設があることを強みとして誘致活動を推進する。

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