東急、サブスク宿泊サービスを本格始動、30連泊29万円も、チャットGPT活用で旅先相談の機能拡充

東急は、定額制回遊型宿泊サービス「TsugiTsugi(ツギツギ)」の事業化を決め、恒常的なサービスとして個人利用者への販売を開始した。各企業のニーズに合わせたプランを個別にフルカスタマイズする法人向けプランの販売も始めた。 

ツギツギは、全国100以上の宿泊施設から、好きな場所を選び、定額で宿泊できるサービス。同社は、2021年4月から計4回の実証実験を実施。また、2023年1月~3月にかけて、LCCピーチ(Peach Aviation)および日本経済新聞と共同で「旅するような働き方」として法人利用の実証実験も進めてきた。

その結果、コロナ禍を経てハイブリッドワークが普及し、旅先テレワークなど新しい旅のスタイルへのニーズが顕在化していることを確認。また、利用者の8割が働きながら旅するスタイルで平日の利用が多く、7日前以降の直前予約が4割を超えていた。この結果を受けて、宿泊施設の稼働が低い平日などに送客することで低価格でのサービス構築を実現し、宿泊施設の稼働率向上や稼働の平準化にも寄与できると判断した。

現時点では、利用できる宿泊施設の多くが東急グループの施設だが、今後はグループの枠を超えて利用可能な施設を拡大していく方針だ。

チャットGPTコンシェルジュやプラン・特典を拡充

個人向けプランでは、5泊/30日間の「えらべる5」(5万5800円)、14泊/30日間の「えらべる14」(15万7800円)、30連泊の「まいにち30」(29万9800円)に加えて、2泊/30日間「えらべる2」(2万3980円) を追加。より気軽に利用できる「えらべる2」プランの新設で、現在2万人のユーザーをさらに拡大させたい考え。無料会員への特典も拡充し、「えらべる2」では初月無料のキャンペーンも実施する。

新たに発表された法人プランでは、法人が泊数を一括購入し、購入した泊数を従業員で共有することが可能。管理アカウントからサブアカウントを作成でき、アカウントごとの泊数管理など、従業員ごとの利用ニーズに合わせ、柔軟に活用することができるようにした。また、全国650カ所以上のシェアオフィスが利用可能な日経のシェアオフィスサービス「OFFICE PASS(オフィスパス)」と組み合わせることもできる。

報道資料よりこのほか、ChatGPTの技術を活用したAIコンシェルジュ機能「旅先こんしぇるじゅ」を導入する。キービジュアルはストリートカルチャーと浮世絵を融合したもの。それぞれ詳しい分野や性格が異なる4種類のAIキャセクターを用意し、質問に対する回答にも個性が表れるように工夫した。

同社では、AIとの会話を活用して顧客のニーズを把握・分析することで、今後のサービス改善にもつなげる。中長期的には、相談から予約までをAIとの対話で完結する仕組みを構築したい考えだ。

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