2024年の旅行予測、訪日インバウンドは史上最多の3310万人、国内はリベンジ消費に一服感、海外旅行は回復緩やか、JTBが推計

JTBは、2024年の旅行動向見通しをまとめた。この調査は、1泊以上の日本人の旅行(ビジネス・帰省を含む)と訪日外国人旅行について、各種経済指標や消費者行動調査、運輸・観光関連データ、JTBグループが実施したアンケート調査などから推計したもの。

それによると、2024年の日本人の総旅行人数(延べ人数)は、前年比99%の2億8750万人(2019年比92.2%)、旅行総消費額は同110.1%の16兆7500億円(同105.4%)、平均旅行回数は2.35回と推計した。

このうち、国内旅行は、高止まりする旅行費用や旅行意欲の落ち着き(リベンジ消費の一巡)などが影響し、旅行者数は伸び悩むと見込み、旅行者数は同97.2%の2億7300万人(同93.6%)と前年を下回ると予想した。消費額は同97.1%の11兆7900億円(同106.0%)、平均消費額は前年とほぼ同じ4万3200円(同113.4%)と推計している。

海外旅行は、経済的要因に加えて不安定な国際情勢などから2024年の海外旅行者数の回復は緩やかと想定。コロナ前の人数にまで戻るのは2025年以降と予想している。そのうえで、旅行者数は同152.6%の1450万人(同72.2%)と推計。消費額は同161.0%の4兆9600億円(同104.0%)、平均消費額は同105.5%の34万2100円(同144.2%)と前年を上回り、2000年以降で最高額と見込んだ。

訪日外国人客数は、2023年の急回復から2024年も一層の増加が見込まれるとしたほか、回復が大幅に遅れている中国については、2024 年は個人旅行を中心に回復が進むと想定、そのうえで、旅行者数は同131.3%の3310万人(同103.8%)で過去最高になると見込んだ。

2024年は3連休以上が11回、北陸新幹線延伸にも注目

2024年の旅行市場の環境については、3連休以上が2023年の7回を上回る11回になる。注目イベントとしては、7月26日に開幕するパリ五輪、8月28日に開幕するパリ・パラリンピック、3月16日の北陸新幹線金沢/敦賀間の開業、6月30日に一般開放される黒部ダムと黒部峡谷鉄道欅平駅を結ぶ黒部宇奈月キャニオンルートを挙げた。

また、来年はユニバーサル・スタジオ・ジャパンの「ドンキーコング・カントリー」、東京ディズニーシーの8番目となる新テーマポート「ファンタジースプリングス」の開業や、「グラングリーン大阪」での公園、ホテル、商業施設などの一部先行開業も続く。このほか、「グランドメルキュール」と「メルキュール」23軒、「バンヤンツリー・東山京都」、「大阪ステーションホテル」など宿泊施設も続々新規開業する。

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