グーグル、欧州でフライト検索ページ表示での自社優位の解消に向け変更へ、EU「デジタル市場法」に対応【外電】

グーグル(Google)は、欧州委員会からの通達に基づいて、EU加盟国でフライト検索結果の表示方法を変更する計画だ。欧州域内の新しいデジタル市場法(DMA:Digital Markets Act)への準拠を目指すもの。DMAは、公平な競争が保たれるように、いわゆる“デジタル・ゲートキーパー”の圧倒的優位性を是正するために2022年に始動した。

スペインのOTA「eDreams Odigeo」は、「グーグルは長年にわたって、消費者がグーグルのエコシステム内にとどまるようにしむけ、自社に有利な習慣を継続させることで、旅行業界内で大きな競争上の懸念を引き起こし続けてきた」と批判する。

例えば、ユーザーがグーグルでニューヨーク発パリ行きのフライトを検索すると、多くの場合は、検索結果で「Googleフライト」のユニットが目立つように表示される。また、日付グリッドの下にある航空会社のいずれかを選択すると、グーグル独自に取り扱う航空会社に直接移動することになる。

eDreams Odigeoをはじめ、カヤック(KAYAK)、スカイスキャナー(Skyscanner)、トリップアドバイザー(tripadvisor)などのライバル企業は「この仕組みがグーグルに不当な優位性を与えている」と主張してきた。

グーグルはDMAを遵守する期限を3月7日と設定。検索結果から「Googleフライトユニット」を削除するとともに、競合他社からのリンクを含む新しい専用ユニットを追加する計画であることを明らかにした。ただ、Googleフライトへのブルーリンクは自社ページに引き続き表示される見込みだ。

この変更の恩恵を受けるのはEU諸国の消費者のみだが、eDreams Odigeoのダナ・ダンCEOは声明の中で「DMAの施行は、欧州のデジタル環境に長年存在してきた根強い不均衡に対処する機会になる。より公平でより公平なデジタルエコシステムを創出するチャンス」と強調している。

グーグルの航空券検索結果表示の変更が、最終的に競合他社にどのような影響を与えるかはまだ不明だ。カヤックのスティーブ・ハフナーCEOは「過去の経験から、グーグルは規制の中でも自分たちの利益になるように、UXを変更し管理することに非常に長けている」と懐疑的だ。

グーグルは、欧州でホテルの検索結果表示も変更することを明らかにしている。比較サイト向けの専用スペースのテストを開始。サプライヤーに、画像や格付けなどより詳細な個別の結果を提供するという。

※編集部注:この記事は、米・観光専門ニュースメディア「スキフト(Skift)」から届いた英文記事を、同社との提携に基づいてトラベルボイス編集部が日本語翻訳・編集したものです。

オリジナル記事: Google’s Flight Search Changes in Europe Get Thumbs Down from eDreams Odigeo

著者:Dennis Schaal氏

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