大阪・関西万博を誰もが楽しめる体験に、三菱UFJ銀行らが設立した共創ハブ「MUIC」のユニバーサルツーリズム構想「Let’s Expo」とは?(PR)

健康な人も身体の不自由な人も、すべての人が安心して楽しめる旅行を目指す「ユニバーサルツーリズム」。2025年に開催される大阪・関西万博に向けて、観光をテーマに課題解決型の事業を生み出すイノベーション創出拠点MUIC Kansai(MUIC)が、この分野に取り組んでいる。

MUICが構想するユニバーサルツーリズムのプロジェクト「Let’s EXPO(レッツエキスポ)」とは? プロジェクトメンバーとしてMUICとともに事業に取り組む情報通信機器メーカーの住友電気工業(住友電工)、介護・福祉施設向け旅行を扱う東京トラベルパートナーズに、現状と課題、今後の展望まで聞いてきた。

第1号のプログラム「リモート観光」からスケールアップ

MUICは、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)と三菱UFJ銀行が開設した会員制のイノベーション創出拠点。観光をテーマに、スタートアップと大手企業をマッチングして、課題解決に資する事業の創出と社会実装を目指している。2021年2月の開所以降、実証まで進んだプロジェクトの数は65件、事業化に至ったのは15件に及ぶ。その内容は、デジタルを活用した高付加価値コンテンツの開発やホテルから海外の帰着空港まで荷物を届ける手ぶら観光、観光マーケティング支援などと幅広い。展開地域は、関西各地に広がっている。

MUICが事業化した課題解決プログラムの一例。手触り感のある良さと最新のデジタルテクノロジーで革新的なアイディアや価値を創出

今回のユニバーサルツーリズムプロジェクト「Let’ EXPO」は、コロナ禍の真っ只中にMUICの事業化第1号としてスタートした「リモート観光プラットフォーム」が発展したもの。MUICの会員企業である住友電工、介護施設向けの双方向型リモート観光「旅介(たびすけ)ちゃんねる」を提供する東京トラベルパートナーズとタッグを組み、2025年の大阪・関西万博を見据えて展開している。2024年5月には、住友電工のアプリ・システム技術を組み合わせることで、PCやタブレットだけでなく、自宅のAndroid TV(TM)搭載機器(テレビ、セットトップボックス等)でも視聴可能なサービスとなる予定だ。

MUICマネージャーの村上弘祐氏は「当初、コロナ後も続けて利用されることを見据え、長時間の外出が困難になる高齢の方々が楽しめるサービスを目指した」と振り返る。そして、コロナ禍が過去となった今、プログラムの拡張とともに、来たる大阪・関西万博に向けて、ユニバーサルツーリズムプロジェクトとして「Let’s EXPO」を立ち上げた。

MUICマネージャーの村上弘祐氏

ユニバーサルツーリズムの現状と課題とは?

そもそも、「ユニバーサルツーリズム」とは何か?

Tokyo2020で車いす利用客の輸送事業を担った東京トラベルパートナーズ代表取締役の栗原茂行氏は、障がい者や高齢者用の旅行ではなく「ユニバーサル=すべての人に共通するという観点」の旅行版と話す。「バリアフリーツアー」や「アクセシブルツーリズム」も同義だ。対象範囲が広いので、携わる事業者や組織の多くが、それぞれの専門分野でサービスを提供している。

今後、求められる観光のあり方であるのは間違いないが、課題は多い。栗原氏は第一に「提供事業者が極端に少ないこと」をあげ、その理由を「対象が多種多様であり、かつ、高コストで人手や労力も倍必要。商業ベースに乗せるのは難しい」と説明する。

また、情報発信や認知向上も大きな課題。伊勢神宮で玉砂利での通行がしやすい車いすのレンタルや介助の提供がされているように、観光地での介助サポートを有償または無償で提供する組織や事業者はある。「ただ意外なことに、横のつながりは少ない。その情報をつなげるだけでも、観光に行きやすくなる人は多くなるはず」(栗原氏)。

ただし、着実に時代は変化している。Tokyo2020では、車いす利用者など、体の不自由な方向けの座席の数は全体の1%の設定だったが、大阪・関西万博では同数程度以上の設定を検討している様子。村上氏は「日本の高齢化が急速に進む中で、ユニバーサルツーリズムがより注目されていることを実感する」とし、Let’s  EXPOには「現時点で世界一の高齢化率となる日本」のテーマがあることを明かした。

今は若者の勢いのあるアジア諸国も今後は、日本に追いつく勢いで高齢化率が急上昇することが見込まれている。「その未来が予見されるなか、日本の取り組みは先進事例になるとの仮説を立て、取り組んでいる」という。

東京トラベルパートナーズ代表取締役の栗原茂行氏

当事者も介助者も、すべての人が楽しめる万博に

Let’s EXPOで対象となるのは、高齢者や車いす利用者、要介護者はもちろん、移動の困難や身体の不便を感じているような人々。その介助者や行動をともにする家族も含まれる。「ビジネスケアラーという言葉もある通り、介護のために仕事やプライベートの時間を諦める方がいる。経済産業省ではその経済的損失が2030年に9.4兆円になるとの試算を出している」と村上氏は話す。

構想中の取り組みは主に次の4つ。(1)啓蒙につながる事前イベント、(2)情報発信、(3)万博への参加方法、(4)会場でのサポート。特徴的なのは(3)と(4)で、リアルとリモートの両面で、当事者とその家族の双方が万博を楽しめる仕組みを提供する。誰もが万博を楽しむことができることを目指している。

Let’s EXPOで構想している主な活動内容。事前イベントや情報発信に加え、会場でのリアルのサポートリアルタイムのリモート観光で、ユニバーサルツーリズムの一つのカタチを提案

会場内での取り組みでは、車いすでの移動をサポートする体制構築を構想している。2025年日本国際博覧会協会が貸出用の車いすを数百台用意する予定で、Let’s EXPOがボランティアで介助を希望する人の車いすを押すサービスだ。栗原氏は「介護の高齢化もあり、今は家族ではない介助者が車いすを押すケースが増えている。そのため、万博会場で車いすを押すサービスがあれば、出かけられる人が増える」と、その重要性を強調する。

一方、来場することが困難な人には、「旅介ちゃんねる」で磨いたノウハウをリモート観光で展開。会場からの生中継で参加型の動画の配信を目指す。

これに向け、視聴者のリモート観光体験を高めるべく、機能面の向上も図る。住友電工の秘書部企画調査室主幹の宮本浩二郎氏は「参加型であることに価値がある。そこを高められるように支援する」と話す。具体的には、視聴中に参加者が手元のスマートフォンやテレビのリモコン操作で参加型の機能を実現する。高齢者はスマホよりもテレビに慣れていることを考慮した。

住友電工で映像機器(セットトップボックス)のソフトウェア開発に携わる本家裕介氏は「メーカーとして、ハードに付加価値をつけようと新しい取り組みを模索してきた。機能拡張がユーザーの価値向上や社会課題の解決につながるなら、当社としても大きな収穫になる」と、初の観光とのコラボで得た手ごたえを話す。

ユニバーサルツーリズムを当たり前に

多くの人がユニバーサルツーリズムを認識する機会となるLet’s  EXPOの社会的意義は大きい。一方で、持続可能な取り組みとして未来につなぐためには収益化が課題だ。

村上氏は「Let’s EXPO自体での収益化は想定していない」としながらも、今後、横展開をする際にはマネタイズの可能性も感じている。「車いすの介助サービスは有償提供ができるだろう。また、リモート観光は『旅介ちゃんねる』の利用施設数やデジタル障がい者手帳の所有者数などを考慮すると、40~50万人のプラットフォームになりえる。こうした方々にリーチしたい事業者は必ずいる」と展望する。

住友電工の宮本氏は「今回の我々の取り組みがうまく回ることが実証されれば、次の五輪や万博などの大規模イベントやテーマパークなどでも同じように展開でき、自走していけると思う」と展望。「1970年の大阪万博では動く歩道などハードのレガシーが残ったが、2025年の万博ではソフトのレガシーとして日本の相互扶助の精神や福祉力を、世界に発信するという意味でもぜひ成功させたい」と意気込む。

(左から)住友電工の秘書部企画調査室 研究企画業務部企画部 主幹の宮本浩二郎氏、ブロードネットワークス事業部映像機器部 第一ソフトウェア開発G 主席の本家裕介氏

ユニバーサルツーリズムの課題に向き合ってきた栗原氏は、「弊社はリアルの介護旅行を労働集約型でコツコツと続けているが、オンラインのリモート観光が始まり、住友電工さんの技術力が加わって、一気に広がるタイミングに来た。僕らのようなスタートアップと大企業がコラボして、プロジェクトをすること自体が奇跡的なこと。ずっと取り組んできた事業の課題そのものをこのプロジェクトにぶつけている」と、感慨深く話す。

村上氏は「おそらく最初から利益を求めていれば、何もできていなかった。足元の利益を求めず、世の中の課題解決に注力したからこそ、やりたい取り組みができ、マネタイズの可能性につながったのではないか」と考える。

大阪・関西万博の想定来場者数は、国内外あわせて2820万人。その会場で、Let’s EXPOの取り組みがおこなわれる意義は大きい。誰もが万博を楽しむ姿が、万博で見た光景の1つとして印象に残る来場者も多いはずだ。それもレガシーであり、今後、ユニバーサルツーリズムが浸透していく大きな力となるだろう。

広告:MUIC Kansai

対応サービス:ユニバーサルツーリズムプロジェクト「Let’s EXPO」

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記事:トラベルボイス企画部

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