
ナビタイムジャパンは、ジャパンラグビーリーグワン所属「静岡ブルーレヴズ」と共同で、ヤマハスタジアム周辺道路や駐車場の混雑緩和、CO2排出量削減を目指す実証実験を実施した。これは、静岡県が2024年度から開始した「FIELD - SHIZUOKA SPORTS OPEN-INNOVATION」の第一弾としておこなったもの。同県は、県内スポーツチーム・団体と優れたプロダクト・技術を持つ企業とを結びつけ、オープンイノベーションによって新たなスポーツビジネスの創出と地域活性化を目指している。
静岡ブルーレヴズのホストゲームには、来場者の約45%が自家用車で来場。多い日には約3000台が来場することから、試合会場であるヤマハスタジアム周辺の交通渋滞などによる環境負荷が課題となっている。また、試合終了後には、駐車場を出るまでに最大50分を要するため、観戦者の満足度低下やリピート率低下につながる可能性も指摘されている。
こうした解決に向けて、両者はナビタイムジャパンのエコ活アプリ「moveco by NAVITIME」を活用して、実証実験を実施。来場時の移動手段を自家用車から、徒歩、自転車、公共交通へ変えた来場者により多くのマイルを付与したほか、試合後にはピッチサイドウォークやグッズ抽選会などのイベントもおこなった。
また、試合終了後のスタジアム周辺駐車場の出庫混雑状況をアプリ内でリアルタイム提供。公共交通での移動にシフトしたことによる観戦者の脱炭素量の可視化した。
その結果、2025年3月2日と5月3日に、ヤマハスタジアムから近く最も混雑する「第7駐車場」を対象に、出庫までにかかる平均時間を調査したところ、実証実験前と比較して出庫までの時間が大きく短縮。アンケート調査でも、出庫までの待ち時間が5分未満との回答が約78%、「ほとんど渋滞がなかった」が約85%となった。
報道資料よりCO2排出量削減については、2025年1月18日から5月31日までの期間中に、アプリの「レヴズモード」参加者が、移動手段を車からその他の交通手段にシフトしたことによって削減されたと推定される排出量は172万1014グラムとなり、すべてを車で移動していた場合と比べ、約半分となった。
また、3月2日の試合日には、スタジアムへの移動手段における車の利用率は、実証実験前の2月1日と比べて約17%削減。、試合日のスタジアムへの移動手段の選択に変化があったという回答が68%となり、スタジアム来場者の意識変容が見られたという。