サステナブル旅行への意識、日本はまだ世界より低水準、居住地でのインバウンド受け入れ意識にも大きな差

ブッキング・ドットコムは、2025年版「サステナブル&トラベル」に関する調査結果を発表した。今回は、回答者自身の旅行スタイルだけでなく、回答者が居住する地域を訪れるインバウンド観光客についてどう感じるかについても調査が行われた。

サステナブル旅行について、世界の旅行者の84%、日本の旅行者の69%が「重要」と回答。2016年の調査では、「前よりもサステナブルに旅行したと思う」との回答が、世界42%、日本25％だったが、2025年には「旅行に関してよりサステナブルな選択をしたい」との回答は、世界93%、日本85％まで上がった。

ブッキング・ドットコムによると、過去10年間の調査結果を見ると、サステナブルな旅行への関心の高まりに加えて、現地の観光地やコミュニティ、生態系にとってプラスになる旅行への意識の高まりが伺えるという。世界の旅行者の73%、日本の旅行者の63％が、「使ったお金が地域コミュニティに還元されるようにしてほしい」と回答した。

一方、自分の住む地域を訪れるインバウンド観光客の行動に対しての感情では世界と日本で差が見られた。「地元で目にする観光客はたいてい、または常に地元の慣習や伝統を尊重している」との回答は世界が53%に対して、日本は26%。「地元のビジネスの支えになっている」と感じている割合は世界が54%に対して、日本は18%にとどまった。

報道資料よりまた、居住地域の課題についても調査。最も多かったのは交通渋滞で世界、日本とも38%。このほか、ポイ捨て（世界35%、日本37%）、混雑（世界30%、日本36%）、生活費の高騰（世界29%、日本17%）などが挙げられた。

そうした課題に対して、「地元の観光地への観光客の数を制限すれば解決する」と考える旅行者は、世界では16%、日本では15％。一方で、地域コミュニティへの投資を望む声が多く、期待される支援では、交通機関の改善（世界38% 、日本35%）、廃棄物の管理（世界37% 、日本19%）、環境保全（世界32% 、日本21%）などが挙げられた。