ブランドUSA、今秋から日本でも新キャンペーン展開、大型イベントを打ち出して誘客、主要都市以遠への送客も

米国の観光推進組織「ブランドUSA」は、2026年にさまざまな周年イベントや国際的な大型イベントを契機として、日本人旅行者の誘致を強化していく。今秋には、新たなグローバル広告キャンペーン「アメリカ・ザ・ビューティフル」の広告展開を日本でも開始。特に「ビヨンド・ゲートウェィ」として、主要都市を入口として、それ以遠の地域への送客に力を入れていく考えだ。

米国からのセールスミッションを率いて来日したブランドUSAグローバルマーケティング担当バイス・プレジデントのマルコム・スミス氏は、日本市場の現状について説明。2024年の訪米日本人数は前年比21%増、2025年1月~6月も前年同期比4%増となったことに触れ、「米国への旅行需要について、さまざまな報道があるが、日本は力強い回復を見せている」と評価。日本市場はコロナ禍で国際市場で11位まで落ち込んだが、現在は4位にまで上昇しており、「今年も前年比5%増で推移していくのでは」と予測した。

その要因として、スミス氏は、今年3月まで展開された「日米観光交流年」の成果に触れたうえで、主に西海岸の都市を中心としたMLB観戦需要の増加を挙げた。同氏は、日本の旅行会社の話として、MLB商品購入者の約3割が観戦前後に他の都市を訪れていることに触れ、「かなり喜ばしい数字」と評価した。

2026年は、建国250周年「アメリカ250」、全米11都市が開催地となるFIFAワールドカップ、「ルート66」の制定から100周年、その後も2028年のロサンゼルス五輪、2034年のソルトレイク冬季五輪などが開催されることから、大規模イベントをフックとしてプロモーションを進めていく方針だ。

スミス氏は、ジャパンセールスミッションを率いて来日。今年は米国から28団体計35人が参加した。広告キャンペーンで「米国の再発見を」

今年、新たなグローバル広告キャンペーン「アメリカ・ザ・ビューティフル」を立ち上げた。スミス氏は、その目的を「米国の温かさ、ノスタルジックな魅力というものをまとめて発信し、米国を再発見してもらう」と説明した。

今秋には、日本を含めた世界8市場で広告を展開。「一般消費者向けだでなく、旅行会社も巻き込んだ形で展開していく」(スミス氏)。また、広告コンテンツは市場ごとにカスタマイズし、カルチャー、ファミリー、アウトドアなど、それぞれの市場に刺さる内容を第二訴求テーマとして露出を強めていく。

また、スミス氏は、「アメリカ・ザ・ビューティフル」では、新たに開設されたウェブサイトにAIを活用した旅程提案エンジン「MindTrip」を導入にしたことについても触れ、「旅行者それぞれの希望や好みに合わせた旅程作成が可能になる」とアピールした。

さらに、建国250周年に合わせたプロモーションとして、米国旅行で積極的な発信をしている世界の旅行会社から250人をアンバサダーとして選定し、販売促進を強化する計画も明らかにした。

このほか、「ビヨンド・ゲートウェイ」を推進していくうえで、レンタカーによる移動に不安を覚える日本人旅行者も多いことから、鉄道移動の選択肢を提案していくほか、国立公園だけでなく州立公園への訪問も促していく考えだ。

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