ジャパン・ツーリズム・アワード2025表彰式、今年の応募は213件、ツーリズムの発展・拡大に貢献した「粒ぞろい」の取り組み

日本観光振興協会、日本旅行業協会(JATA)、日本政府観光局(JNTO)は2025年9月25日、愛知県Aichi Sky Expo(愛知県国際展示場)で開催中の「ツーリズムEXPOジャパン2025」で、第9回「ジャパン・ツーリズム・アワード」の表彰式を開催した。

ジャパン・ツーリズム・アワードは、ツーリズムの発展・拡大に貢献した持続可能な優れた取り組みを表彰するもの。今年は応募された213件の中から、厳正な審査を経て受賞した企業・団体が集い、表彰された。

このうち、国土交通大臣賞は、KURABITO STAYが「酒蔵から始まる、地方創生と日本酒ツーリズムの可能性を創る酒蔵ホテル」、経済産業大臣賞は、ひがし北海道観光DXプラットフォーム「ひがし北海道・交通事業者がつなぐエリアまるごと観光DX」が受賞した。

国土交通大臣賞のKURABITO STAYは、酒蔵を切り口に地域全体で観光資源としての磨き上げを図る持続可能な地方創生モデル。文化継承への貢献も高く評価された。蔵人体験、蔵人宿舎をリノベーションした宿泊施設の提供などを通じて、体験価値の向上を実現している。「学生が選ぶジャパン・ツーリズム・アワード」とのダブル受賞となった。

同社代表取締役の田澤麻里香氏は、ツーリズム・アワードで受賞することを目標に事業を進めてきた15年を振り返り、授賞式の舞台に立つことが「夢だった」と喜びのコメント。そして、今後も事業を磨き上げていく決意を語った。

国土交通大臣賞のKURABITO STAY

経済産業大臣賞のひがし北海道観光DXプラットフォームは、多くの交通事業者と観光事業者が連携し、広域連携によるデジタル基盤を共通化。二次交通の課題を抱える他の地域にとっても再現性のあるモデルとして運営している点が高く評価された。

中心的な役割を果たした阿寒バス常務取締役の西岡一麻氏は、今後もプラットフォームを通じて多くの観光客に良い旅の提案、情報発信をおこないたいと意欲を語った。また、今回の受賞を契機に、さらにエリアを広げていきたいという決意を述べた。

ひがし北海道観光DXプラットフォーム

審査委員長の本保芳明氏(アジア太平洋観光交流センター理事長)は、応募作品全体の質の高さに触れ、「粒ぞろいで選定に苦労したが、審査員冥利に尽きる内容だった」と評価した。

また、観光資源の保護や地域文化の維持・向上、SDGsへの貢献といった観点に加え、地域や業種を問わず地域課題に取り組む姿勢が見られ、心強く感じられたと述べた。さらに「受賞作品から多くの知見と視野を得ることができた。今後のツーリズムの発展に大いに期待している」と呼びかけた。

本保芳明氏(アジア太平洋観光交流センター理事長)

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