日本旅行業協会、オーストラリア送客で「環境配慮型の旅行」推進、個人・団体旅行で、観光局と連携してブランド化

日本旅行業協会(JATA)は、オーストラリア送客拡大の取り組みで環境配慮型の個人・団体旅行を推進する。2025年9月26日、ツーリズムEXPOジャパン2025の会場で記者会見を開催し、アウトバウンド促進協議会(JOTC)オセアニア・大洋州部会の活動として説明した。

具体的には、オーストラリア政府観光局や各州政府観光局と連携し、SDGsを切り口に部会メンバーの旅行会社によるブランド化を図る。今後、同国で開催が予定される2027年のラグビーワールドカップや2032年のオリンピックといったビッグイベントを見据え、送客の新たな形を描く考えだ。

同部会では2024年度に、3月5日(サンゴの日)にあわせたグレートバリアリーフでの保全活動イベントを組み込んだ個人旅行ツアーを企画。145名を送客した。2025年度以降は単発イベントでの送客は終了し、継続的な活動としていく方針だ。同部会長の秋山秀之氏(日本旅行取締役兼常務執行役員)は「継続的に環境問題に取り組むブランドを確立する。個人旅行だけではなく、MICEや教育旅行を含む団体旅行も対象にし、部会の全旅行会社が扱えるように展開する」と説明した。

イベントに限定しないことで、オーストラリア全方面への送客拡大を目指す。特に団体旅行は、オーストラリアは環境配慮が日本より先行していることから「環境に配慮した会議やインセンティブ旅行を決めるファクトになる」(秋山氏)と期待する。

詳細は、2025年10月下旬に発表する予定。カーボンオフセットに加え、環境配慮に取り組む現地事業者の利用や、旅行代金の一部を現地の環境保護関連に取り組む団体などに寄付することも想定している。オーストラリア政府観光局が専用のロゴマークを制作しており、対象の旅行商品にはロゴを付与して展開する予定だ。

JATA海外旅行推進部副部長の大久保英男氏によると、JOTCでは個人旅行と団体旅行の両方のワーキンググループを持つ部会は少ないという。「オーストラリアは個人マーケットが大きいが、学生やMICEを含む団体需要も強い。両面からサステナブルなオーストラリア旅行を、旅行会社を通じて発信していく」と説明した。

左から、JOTCオセアニア・大洋州部会長の秋山秀之氏、オーストラリア政府観光局日本局長のデレック・ベイン氏

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