世界のタビナカ市場で起きている変化とは? 若年層の利用増、間際の予約、そしてAIの影響【外電】

現地ツアーやアクティビティなどのタビナカ市場は、近年、拡大を続けており、2025年もさらに進化した。

2025年夏に開催された「フォーカスライト・ヨーロッパ」では、タビナカ領域で起きている変化について、業界の成長をけん引してきた各社の代表らが、 フォーカスライトのシニア・レポーター、モーガン・ハイネス氏の質問に答える形で、それぞれの見解を示した。

登壇者の話によると、旅行者層および予約行動の変化、さらにテクノロジーの進化が主な要因となり、タビナカ市場が変わりつつある。

若者の増加、競争激化、予約の間際化、AI

都市観光・フードツアーを提供するWalks社およびDevour社のグローバル・マネジングディレクター、ロワジン・オサリバン氏は、体験アクティビティを購買している客層に、変化が見られると指摘する。

「パンデミック前と比べて、より若い旅行者層の利用が確実に増えている。その結果、価格志向がこれまでよりずっと顕著になっている」とオサリバン氏は話す。「つまり、競争がかなり激しくなっている。この領域に参入する事業者が増える一方、利用客も大幅に増えており、ありがたい状況だ」。

一方、タビナカ予約B2Bプラットフォームを提供するHolibob社の共同創業者兼CEO、クレイグ・エバレット氏は、日々、予約を入れるタイミングの「間際化」が進行していると話す。

「当社の場合、予約するタイミングがどんどん遅くなる傾向にある」と同氏。「旅行者とのコミュニケーションに力を入れており、求めているものが見つかるようサポートしている。それが旅行出発の直前、あるいは渡航先に到着した後になることもある。成約率は上がっており、旅行の直前になって1~2つ、あるいは3つ購入する利用者も増えている。なかなか興味深い流れだ」。

新興の旅行テック企業Instahop社のCEO兼最高技術責任者、アリ・バシジ氏は、人工知能(AI)を今年最大のトレンドに挙げた。

「どのプラットフォームでも同じような状況だと思うが、AIで何ができるようになったのか、みんな知りたがっている」と同氏は話す。

Instahop社では、AIエージェントを使っている。顧客にとって便利である反面、AIエージェントが何を根拠におすすめ商品を選んでいるのかといった疑問も浮上している。まだあまり知られていない「隠れた名所」を探している旅行者は少なくないからだ。

この問いへの解は、タビナカ業界全体が目下、追求していることでもある。

「非常に難解なチャレンジになる」とエバレット氏は言う。「AIエージェントやその学習モデルが、なぜ特定の商品をレコメンドしたのか、これを把握するのはとても難しい」。

またフォーカスライト・ヨーロッパでは、エアビーアンドビーやゲットユアガイドなどのタビナカ大手事業者が打ち出しているコンセプト、オリジナルな体験についての考え方や、自律型の体験アクティビティ、予約ファネルなど、様々なトピックスが話題にのぼった。

※この記事は、世界的な旅行調査フォーカスライト社が運営する「フォーカスワイヤ(PhocusWire)」から届いた英文記事を、同社との正式提携に基づいて、トラベルボイス編集部が日本語翻訳・編集したものです。

オリジナル記事:Tours and activities trends in 2025: Younger travelers, later bookings, AI

筆者:Abby Crotty


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