天気図で例えてみる観光の景況感、沖縄は23か月連続プラスで「晴れ」 -全国地方銀行協会(2014年10月)

全国地方銀行協会は「地方経済天気図」(2014年10月)で、「個人消費や生産に力強さが見られず、足踏み感」との景況判断を発表した。天気図は沖縄が「晴れ」になったものの、その他の地方は「曇り」。現在の景況感のDI値は7月の51.6から9月に47.7%に低下し、10月には52.3に上向いたものの、景況見通しでは7月の60.3から9月が57.9、10月は56.3と低下しており、「回復テンポは緩慢」としている(観光を含む各分野の天気図は下段で紹介)。

観光に関しても、天候不順の影響で西日本を中心に入込客が減少。DI値は7月の57.1から9月は42.9に落ち込み、10月は持ち直したものの50.0に留まった。「晴れ」の沖縄、「晴れ一部曇り」の北海道など、夏休みの遠距離方面は比較的好調だったが、甲信越、北陸では「曇り一部雨」となった。各地の観光の状況は以下の通り。

【北海道】

  • 曇り一部雨:回復
  • アジアを中心に外国人客が牽引して回復。8月は集中豪雨や台風の影響で全体的には前年より減少したものの、外国人客は高水準を維持し、19か月連続で増加。

【東北】

  • 曇り:やや上向き
  • 8月の主要観光地の入れ込み数は、岩手は雨の影響により減少したが、青森は増加。9月に秋田の主要観光地や観光施設の客足が戻った。

【関東】

  • 曇り:上向き
  • 栃木で7月のゴルフ利用人員が減少、神奈川では主力の横浜・箱根で8月のホテル稼働率低下などがあったが、千葉の8月のベイエリアのホテルの客室稼働率は高水準で推移、群馬では富岡製糸場の世界遺産効果で大幅に増加。

【甲信越】

  • 曇り一部雨:上向き
  • 長野では7月~8月、天候不順の影響で入れ込み客数が減少。山梨ではインターハイ関連や外国人客の増加で、8月の観光客が増加。

【北陸】

  • 曇り:盛り上がりを欠く
  • 8月の石川の主要温泉地、7月の富山の宇奈月温泉など、主要温泉地の宿泊客数が減少。石川の外国人客は増加。

【東海】

  • 曇り:足踏み
  • 8月の中部国際空港の旅客数は減少。その他7月の三重、8月の静岡、岐阜の主要観光地や宿泊客数が減少。特に静岡は富士山や周辺観光地、海水浴客が台風の影響で大幅減。

【近畿】

  • 曇り:持ち直し
  • 7月の兵庫、8月の京都、奈良で、主要ホテルの客室稼働率が上昇。滋賀では8月の観光地の入込客数が、NHK大河ドラマの影響で堅調に推移。

【中国】

  • 曇り:盛り上がりを欠く
  • 7月の山口、8月の岡山は主要観光地の入込客数が減少。鳥取は主要温泉地で減少。島根は出雲大社遷宮特需の反動が出始め、主要観光施設、主要温泉宿泊客が連続減。

【四国】

  • 曇り:上向き
  • 8月に一部、台風の影響で減少もあったが、四国各県の主要観光施設や宿泊客数は概ね増加。徳島市では特に、インターネット予約のビジネス客が堅調。

【九州】

  • 曇り:盛り上がりを欠く
  • 8月は天候不順や台風の影響で佐賀や鹿児島、長崎で、主要観光地や宿泊施設の客数が減少。大分の別府地域は宿泊者数、観光施設の入場者数ともに増加。

【沖縄】

  • 晴れ:好調
  • 8月の夏の旅行シーズンは外国人客のみならず、国内客も増加。全体では23か月連続のプラス推移となった。ホテル稼働率はマイナスだったが、売上高は9か月連続増。
全国地方銀行協会資料より

(トラベルボイス編集部)

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