欧州大手ホテルが東京に進出へ意欲、注目のミレニアル世代向けを視野 - メリアホテル

スペイン拠点の欧州ホテル大手メリアホテル・インターナショナルが日本でのホテル開業に意欲を見せている。同社は世界で進めるホテル開発事業で、アジアを重視。日本では東京・京都・大阪・沖縄の都市をターゲットに事業パートナーを選定しているところだという。特に、東京ではミレニアル世代と呼ばれる若年層向けに展開するブランド「Me」を開業したい考え。同社アジア太平洋地区副社長のバーナード・ガボット氏が「2018年頃には日本でプレゼンスを高められるだろう」と意欲と自信を見せた。

ミレニアル世代は、早ければ2017年にはホテル最大の顧客になるとのレポートも発表されており、世界のホテル業界が注目する世代カテゴリだ。ガボット氏は、東京が若い世代の探求心や行動パターンを満足させることをコンセプトにした「Me」にとって「完璧な都市」と話す。同社は、同ブランドホテルをロンドンやドバイ、マドリッド、イビサ島など先進的で象徴的な都市に配置してきており、東京もその位置づけと考えている。

「ME」ブランドを象徴するロンドンのコンセプト動画は以下。ミレニアル世代を対象とした自由な滞在を表現している。

同社は43か国で6ブランド370以上のホテルを展開する大手ホテルチェーン。東京の他、候補に挙がっている沖縄では同社の基幹ブランド「MELIA」を候補になると考えているという。

同社は世界的な拡大を求めて、特にアジア太平洋地区でホテル開発をしているところ。同地区営業本部長のルーベン・カサス氏は、現在の11軒から、2016年末までにさらに4軒を追加、3年後までには合計33ホテルと3倍に拡大する計画であることを明した。訪日需要が高く、成熟した日本人旅行者に認知度を高めるためにも日本で開業することは重要との考えのようだ。

高級リゾートブランド「パラディサスリゾーツ」で日本人旅行者を狙う

今回の発表は、同社の最高級ブランドとなる「パラディサスリゾーツ」をアピールするメディア発表で経営幹部たちが言及したもの。同ブランドはオールインクルーシブ(滞在中の飲食などが宿泊料金に含まれる)でメキシコ・カンクンやキューバ、ドミニカ共和国など展開するリゾートブランド。東南アジアなどのリゾート地域に進出していく方針だ。

同ブランドが特に力を入れているのは「食」。スペインの7つ星シェフであるマルティン・ベラサテキ氏監修のレストランなどミシュランの星付きレストランをホテル内に持ち、各種カテゴリのレストランをホテル内で展開している。

現在、同ブランドはメキシコに3軒。その他、ドミニカ共和国、キューバなどカリブエリアで運営。従来、日本人にはハネムーナーに人気を集めてきたが、今後はファミリー層にもアプローチしていきたい考えだ。体験を重視する同リゾートでは、キッズ向けの体験プログラムも充実しており、料理教室、タンゴ教室など様々なプログラムを用意。また、日本人スタッフも拡充して、日本人旅行者の増加を目指している。

メキシコ・カンクンの「Paradisus Cancun Resort」ドミニカ共和国の「Paradisus Palma」

メリアホテルは、今年に入り、日本での営業を本格化。日本に営業拠点を構え、オンライン旅行会社や既存旅行会社などとパートナーシップを構築している。

トラベルボイス編集部 山岡薫

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