航空輸送の安全上トラブルが増加傾向、2016年度は990件、航空事故は3件 -国交省

国土交通省・航空局は2017年6月30日に開催した第21回航空安全情報分析委員会で、2016年の航空輸送の安全にかかわる情報について審議、その結果を公表した。それによると、2016年度の航空事故発生は3件、重大インシデントの発生は5件。また、安全上のトラブルは990件発生。2015年度の985件から5件増加という結果だ。

航空事故は以下のとおり。

  • 2016年8月8日、朝日航洋機(川崎式BK117C-2型)は、神奈川県秦野市内場外離着陸場に着陸した際に強めの接地となり、機体後部のテールブームが折損。
  • 2016年11月10日、日本航空機(ボーイング式767-300型)が、鹿児島空港を離陸し、上昇中に機体が動揺し、客室乗務員1名が負傷(骨盤(仙骨)骨折)。
  • 2017年3月24日、せとうちSEAPLANES機(クエスト式Kodiak100型)が、大分県別府市沖において、離水しようとしたが、波の影響で中止し、桟橋へ引き返した。到着後の機体点検において、フロートと胴体を結合する支柱の折損及び胴体の損傷等を発見。

重大インシデントは以下のとおり。

  • 2016年4月17日、アイベックスエアラインズ機(ボンバルディア式CL-600-2C10型)が、目的地の悪天候のため福岡空港へ引き返し中、抽気系統に不具合が発生し航空機内の気圧が低下。航空交通管制上の優先権を要請し、同空港に着陸。
  • 2016年5月27日、全日本空輸機(ボーイング式737-800型)が、上昇中、航空機内の気圧が低下したため引き返し、東京国際空港に着陸。
  • 2016年7月9日、ジェットスター・ジャパン機(エアバス式A320-232型)が、飛行中、機長席及び副操縦士席の速度計の指示が一時的に不安定になったが、その後回復したため飛行を継続。成田国際空港に着陸した。
  • 2016年12月22日、ピーチ・アビエーション機(エアバス式A320-214型)が東京国際空港に着陸する際、管制官から指示された滑走路(C滑走路)ではなく、閉鎖中の滑走路(D滑走路)に着陸を試みた。その後当該機は、着陸復行し、C滑走路に着陸。
  • 2017年1月19日、ANAウイングス機(ボンバルディア式DHC-8-402型)が、新千歳空港B滑走路へ着陸し、同滑走路を走行した後、滑走路端を超えて、滑走路北側の草地に入って停止。

安全上のトラブルの内訳は、機材不具合が370件、ヒューマンエラーが331件、回避操作が205件など。内容別分類件数は以下のとおり。

国土交通省:報道資料より

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