世界の出張者は「デジタル環境」を重要視、優先搭乗や空港ラウンジより「生産性に影響」する意識が拡大

米エクスペディア・グループで法人向け・業務渡航を扱うOTA「エジェンシア(Egencia)」は、このほど第4回目となる「エジェンシア・ビジネストラベル&テクノロジー調査(Egencia Business Travel and Technology Survey)」の結果を明らかにした。回答者の半数近くが、業務がスムーズになる出張中の特典サービスに「機内Wi-Fi接続」を希望するなど、電子デバイスへのアクセス環境を重視。また、複数デバイスで同じ内容を共有できるテクノロジー環境への要望が、以前よりさらに強まる傾向がみられた。

同調査によると、飛行機に搭乗する際の優先案内や空港ラウンジ利用などの特典よりも、テクノロジーに関する要望が目立ち、出張中の業務生産性への影響が大きいことがうかがえる。特に重要なのが「アクセシビリティ(Accessibility)」。回答者全体の66%は、スマートフォンだけでなくすべての携帯デバイスで、自分の出張旅程の予約や管理ができれば、生産性がもっと向上すると答えた。米国在住の回答者だけで見ると、同回答の比率はさらに高く、全体の76%を占めた。

また、回答者全体の50%は「何か問題が発生したとき以外は、出張中に人的サービスは不要」との考え。同56%は、モバイル上でもっと色々なビジネストラベル関連ツールへアクセスできればよい、と答えた。

同時に、業務渡航における最新テクノロジーの活用についても前向きな回答が多い。全体の48%が、「旅程のアップデートにSMSを使いたい」と回答(米国在住者のみでは同回答は63%)。さらに全体の43%、米在住者では55%が「AI(人工知能)の進歩で出張がより快適になるだろう」と答えた。

エジェンシアのロブ・グレイバー社長はこれらの結果について、「業務渡航は曲がり角にきている。出張者はあらゆるデバイスで、即、情報にアクセスできる環境を求めている。業務渡航は、出張者本人の満足度と、企業側が求める効率性、生産性が求められるのが難しいところだが、両方の希望に応えられるソリューションを構築していく」とコメント。複数デバイスをまたいで管理できるプロダクト提供に力を入れる方針を示した。

なお、今回の調査では、全般的に出張は肯定的にとらえられており、回答者の70%が「普段の業務より出張は楽しい」と回答。しかし、出張者の満足度向上に必要な改善点については、多くの指摘が挙がった。生産性と満足度向上に必要な特典については、「直行便」と「機内でのWi-Fiアクセス」が最も多かった。続いて「出張中の週末や、個人的な時間のロスを穴埋めする休暇制度」「6時間以上のフライトでの座席クラス・アップグレード」が挙げられた。

今回の調査は、2017年4~5月、オーストラリア、カナダ、フランス、ドイツ、ノルウェイ、シンガポール、スウェーデン、英国、米国の18歳以上の出張者4521人を対象に実施したもの。実際の調査はノーススター社が実施。

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