コニカミノルタが観光産業に参入した背景とは? 宿泊施設の「言語の壁」を突破する技術開発への軌跡を聞いた(PR)

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訪日インバウンドが活況を迎えるなか、観光・宿泊の現場では深刻な人手不足に直面しているのが実情だ。この課題に正面から向きあうのが、コニカミノルタの多言語通訳サービス「KOTOBAL(コトバル)」だ。単に言語的なサポートをするだけではなく、スタッフが安心して接客し、現場のホスピタリティを最大限に引き出す設計がなされている。

カメラやフィルムの開発・製造で培った技術を基盤に大企業に成長した同社が、なぜ今、観光産業の課題解決に深く対峙しているのか? その真意と、現場主義から生まれた独自のテクノロジー、そして未来にかける想いを担当者に聞いた。

KOTOBALは、タブレットや透明ディスプレイを使い、会話をリアルタイムで通訳・文字化して「見える化」することで、互いの表情を見ながらスムーズな意思疎通を可能にするサービス。固定電話の通話内容を即時翻訳する機能も提供しており、言葉の壁をなくし接客の効率化やインバウンド対応を支えている。

地方への危機感と、観光・宿泊現場の「二重の課題」

コニカミノルタの経営理念は「新しい価値の創造」。KOTOBAL(コトバル)の事業責任者である小笠原堂裕氏は、「この理念を根底に据え、長年培ってきた技術やノウハウを活かして、お客様とともに社会課題を解決することを目指している。単なる課題解決にとどまらず、そこからいかに新たな価値を生み出すかを常に意識している」と語る。

現在、同社はAIを活用して社会課題を解決する「AI SaaS事業」を強化しており、その具体的なサービスのひとつが、多言語コミュニケーションを支援するKOTOBALだ。なぜ、同社はこのKOTOBALで、未知の領域ともいえる「観光・宿泊分野」への参入を決めたのだろうか。

小笠原氏は、参入の背景にある自身の強い想いを次のように説明する。

「帰省するたびに、地方の衰退や労働力不足という現実を突きつけられ、危機感を抱いていた。こうした目の前にある社会課題をAIで解決し、地域を元気にしたい。その想いから、地域に人を呼び込む要である『宿泊施設』に着目した」。

さらに、業界を取り巻く環境の激変も大きな後押しとなった。「コロナ禍において、ホテル・旅館業界からは多くの人材が離職した。その後、急激なインバウンド(訪日外国人客)の波が押し寄せ、現場はそのギャップに大いに苦慮していた」と小笠原氏は振り返る。

同社は長年、主力事業である複合機をはじめとしたオフィスソリューションを提供する中で、様々な「職場」に向きあい「業務改善」に取り組んできた実績がある。

「言語の壁」と「深刻な人手不足」が同時に重なった観光・宿泊分野こそ、まさに同社が「社会課題から新たな価値を生み出せる最前線」であると判断したのだ。

KOTOBAL 事業責任者 小笠原堂裕氏(ICW事業統括部コミュニケーションDX事業開発部部長)

見えてきた「現場と経営の認識ギャップ」、おもてなしを引き出すKOTOBALで解決

KOTOBAL開発の出発点は、2016年に同社が開始した医療機関向け多言語通訳サービス「MELON(メロン)※現在のKOTOBAL for Medical」だ。専門用語が多く、命に関わる現場で精度の高い通訳の品質を磨き上げ、2019年にはそのノウハウを活かし、行政用語にも対応する自治体窓口向けハイブリッド通訳サービスとして「KOTOBAL」が開発された。2023年には、宿泊施設で本格展開が始まった。

KOTOBALは、フロントをはじめとした対面接客での「リアルタイムAI通訳」と「遠隔通訳」を柱に、最大33言語に対応。「リアルタイムAI通訳」は会話の内容を透明ディスプレイやタブレット画面にテキストで表示する。また、2026年2月には新たに、AI電話通訳サービスを提供開始。「最大の特徴は『おもてなし』の観点。観光サービスの本質はゲストに『感動』を届けることであり、KOTOBALもその精神を大事にしながら開発をしている」と、小笠原氏は説明する。

KOTOBALはいつもの接客と同じ感覚で通訳サービスを提供できるしかし、ホテル業界への提案開始とともに、厚い壁にぶつかった。

「多くの経営者から『英語ができるスタッフがいるから大丈夫だ』といわれた。しかし、その瞬間は回っているように見えても、現場でヒアリングをすると、経営層からは見えにくい認識のギャップがあることに気づいた」(小笠原氏)。

同社が注目したのは、特定の人材への過度な依存という実態だ。外国語の得意なスタッフに外国人ゲストへの対応業務が集中する一方、語学が苦手な大半のスタッフは不安やプレッシャーと同時に引け目も感じている。

「宿泊業界を志す人は『目の前のお客様に良いサービスを提供したい』という高いホスピタリティマインドを持っている。それなのに、言葉が通じないという理由でおもてなしができないのは、ものすごいダメージになる」と、小笠原氏は現場の葛藤を代弁する。

自信がなく、申し訳ない気持ちを抱えたままの対応は、ストレスにつながる。コミュニケーションがうまくできないことで、クレームに発展することもある。そうしたなかで、スタッフの心には自分の力が発揮できない苦しさが募っていく。

「年々ゲストの数は増え、ニーズも多様化している。放置すると、最終的にはスタッフの離職という経営リスクになりかねない。人手不足の今、人が辞めてしまうことはホテルにとって最大の痛手であり、サービス品質を低下させる悪循環に陥る」(小笠原氏)。

こうした現場の構造に着目した同社は、KOTOBALを「言葉の壁を解消し、誰もが安心して力を発揮できる現場コミュニケーションのインフラ」と再定義。単なる外国語対応のサポートではなく「働きがいを向上して離職を防ぎ、サービス品質を安定させる。経営リスクを低減する“現場を支えるインフラ”としてのサービス」と考えている。実際に、採用活動で「KOTOBALがあるので、語学が苦手な方でも安心して働けます」とPRすることで、従業員に対するサポート体制が伝わり、採用にも好影響があった宿泊施設もあるという。

同サービスのマーケティングマネージャーを務める西原大揮氏は、こうした「安心感」がもたらす効果について、次のように話す。

「ある導入ホテルでは、周辺の自然やホテルの成り立ちを伝え、地域の魅力を含めて滞在を楽しんでもらうことを価値としている。以前は、外国人ゲストにはうまく伝わらないことを心配して話ができなかったスタッフも、KOTOBALによって、積極的に語りかけられるようになった。ツールがある安心感が最低限の案内だけで終わらせず、宿泊施設の本来の魅力や温かい接客を引き出す存在になっている」。

KOTOBALグループ マーケティングマネージャー 西原大揮氏(ICW事業統括部コミュニケーションDX事業開発部)

現場フローを変えない、現場主義の開発・運用

KOTOBALの評価は、サービスの設計や機能性にとどまらない。最大の強みは、現場の業務フローに寄り添った開発とサポート体制にある。同社のスタッフは現場の実態を把握するため、導入後、宿泊施設の現場で観察を重ねる。様々な業務改善ソリューションを提供してきた同社らしいアプローチだ。

例えばAI電話通訳サービスは、当初、通訳内容をスマホの翻訳アプリに転送して表示するシステムだったが、現場ではほとんど使われなかった。ホテルの電話対応は固定電話が標準であり、入電時にスマホアプリを立ち上げる手間は、現場のフローにあわないからだ。

観察から導き出した答えが、固定電話に直接接続する専用アダプタの開発だった。音声を直接認識して、AIによるリアルタイム通訳をPC画面に表示する仕組みだ。「これならスタッフは、電話の受け方を変えずに対応が可能だ。アダプタをつけるだけなので、数分程度ですぐに設置し、利用できる」(小笠原氏)。

声だけではなく、テキストを見ながら会話をする。それが心の余裕を生み、最適な電話応対につながる顧客との会話をテキストで表示する透明ディスプレイも、見た目だけを重視したわけではない。当初は、話者が変わるたびに開始ボタンを押す必要があったが、それでは自然な会話とはならず、おもてなしの空気が壊れてしまう。そこで、自動で双方向の言語を認識して通訳文を表示できるように改善した。

「お互いの表情を見ながら普段通りに話せば、視線の先に字幕が浮かび上がり、ジェスチャーを交えた接客ができる。少し不機嫌そうにフロントに来た外国人のゲストが、ディスプレイ越しの対応に『It's cool!』と笑顔になった瞬間を見たときは、私も嬉しくなった」(小笠原氏)。

これらを現場に定着させるため、同社は2024年に「カスタマーサクセス」チームを結成した。導入時に、ホテルと数カ月後に目指すべき姿(成功の定義)を設定。担当者が現場へ赴き、そのホテルの業務実態にあわせた運用の仕方を設計・提供していくオンボーディングを標準化した。「忙しい現場だからこそ、成功までコミットする体制が重要」と小笠原氏は強調する。

コニカミノルタは導入施設の現場で定着し、成果を出せる運用に導く

人を活かし、ホテルの価値を高めるAIサービスへ

現在、KOTOBALは200を超える宿泊施設に導入されている。導入半年後のある施設に実施したアンケートでは、「海外のゲストに自信をもって対応できる」と答えたスタッフが、導入前の3倍(30%から90%)に増加したという。

一方で、同社は次の進化も見据えている。KOTOBALで交わされた会話の記録は対応の振り返りや接客のブラッシュアップに活用されているが、今後、さらにデータとして活用する考えだ。外国人ゲストのニーズや現場の課題を件数や傾向、具体的な会話内容などから可視化し、経営層がサービス改善や戦略立案に活かしやすい仕組みづくりに力を入れていく。

「私たちが目指しているのは、デジタル活用による省力化だけではなく、テクノロジーによって現場の人を活かし、新たな価値を生み出すこと。本来スタッフが持っているホスピタリティを最大限発揮できる環境をつくりたい」(小笠原氏)。

西原氏も未来に向け、共創への熱意を話す。「KOTOBALは現場の声に寄り添って進化させてきた。だからこそ、単なる通訳アプリではなく、観光産業のコミュニケーション課題をともに解決するパートナーとして捉えてほしい。AI SaaSやコア技術など、当社が持つ知見をフル活用し、課題を新たな価値へと変えるサービスを、一緒に作り上げたいと思っている」。

広告:コニカミノルタジャパン

対応サービス:

問い合わせ:コニカミノルタジャパン株式会社 KOTOBAL事務局

記事:トラベルボイス企画部

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