ツアーグランプリ2026発表、国土交通大臣賞はクラブツーリズムの流氷ツアー、兼高かおる賞は市川紗椰氏

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日本旅行業協会(JATA)は2026年7月9日、優れた企画旅行や企画提案を表彰する「ツアーグランプリ2026」の受賞作品の発表と表彰式を実施した。大賞である国土交通大臣賞は、訪日旅行部門でエントリーしたクラブツーリズムの札幌発「流氷タッチ・おーろら 5つ星の宿 知床第一ホテルに泊まる ザ・流氷7景2日間」が受賞した。

国土交通大臣賞を受賞した同ツアーは、道外からの国内旅行者や北海道内の在住者はもちろん、訪日旅行者も対象とする札幌発の混乗ツアー。冬の北海道の移動の課題を解決しつつ、多言語対応や地方分散による地域経済への貢献など、「今年度を代表する見事な提案」と評価された。

長年、審査委員長を務める本保芳明氏(アジア太平洋観光交流センター理事長)は、同ツアーについて「本作品の素晴らしいところは、国内ツアーに訪日外国人のお客様を乗せ、1つのツアーに取り込んだ点」と評価。「インバウンドが隆盛となるなか、国内の旅行業者がその需要を取り切れていないという課題に対し、良いモデルを示してくれた」と話した。

受賞者を代表して表彰を受けたクラブツーリズムの寺西さつき氏(マーケティング本部 国内旅行部 北海道エリア開発センター チーフリーダー)は、「このような名誉な賞をいただくことができ、非常にうれしく思っている」と率直に喜びを表した。

寺西氏によると、同社の北海道エリアにおける着地型ツアーではコロナ禍以前から、国内と道内、訪日の需要をターゲットにした、全方位型の混乗ツアーを実施。現在は基本的に、すべてのツアーを混乗可能にしている。それにより設定数を増やすことができ、ツアー催行率も向上。ホテルや観光施設などの受け入れ側も1つのツアーで対応できることから負荷が軽減され、喜ばれているという。

国土交通大臣賞はクラブツーリズムの札幌発1泊2日の流氷ツアーが受賞

ツアーグランプリは、旅行業における企画力とマーケティング力の向上、観光立国の施策に寄与することを目的に、斬新性や事業性、業界貢献度を主なポイントとして選考する。今回は、2025年4月~2026年3月末に催行された国内・海外の企画旅行と、訪日旅行で実施された企画提案が対象。昨年を上回る応募総数184作品(国内旅行96作品、海外旅行67作品、訪日旅行21作品)の中から、全11作品を選出・表彰した。

ツアーグランプリ2026実行委員会委員長の小谷野悦光氏(JATA特別顧問)は今回の応募作品について「特に、地域資源を活用した持続可能な観光、デジタル技術を取り入れた新しい体験、多様性と包摂性など、時代の変化を的確にとらえた提案が数多く見受けられた」と説明。「これらの取り組みは、旅行者にとってワクワク感をもたらすとともに、地域社会や環境への配慮を含んでおり、今後の観光のあり方を示唆するもの。旅行業界の未来を拓く力を持っている」と期待を示した。

例えば、観光庁長官賞(海外旅行部門)を受賞したエイチ・アイ・エス(HIS)の「車いす利用者のためのエジプト受注型企画旅行(+募集型企画旅行“たびのわツアー”)」は、バリアフリー対応が難しいエジプトで、車いすユーザーの諦めかけていた夢をオーダーメイドで実現。海外アクセシブルツーリズムの突破口となる社会的意義の高いモデルとして高く評価された。

観光庁長官賞を受賞したHISのエジプトツアー。社会的意義が高いと評価また、観光庁長官賞(国内旅行部門)を受賞した農協観光の「国消国産応援企画 まるごと但馬 in 城崎温泉」は、地域の「食」と「暮らし」をテーマに、生産者や観光協会と連携した「地域共生型」ツアー。参加者の知的好奇心を刺激する内容とともに、過疎地域への誘客や閑散期の観光分散への貢献など、地方創生の新たな標準を示す作品として評価された。

観光庁長官賞(国内)は農協観光の国消国産応援ツアー。地方創生の新たな標準を示す作品として期待このほか、地域の経営資源を活用しながら、新しい顧客層を関係人口の創出に結びつけるモデルとして評価された、アーストラベル水戸の職場体験プログラム「シゴトリップ」(特許出願中)や、海外現地の文化風土が反映された祭りを歴史や人々との交流を通じて没入感高く仕上げた、阪急交通社「メキシコ 死者の日を巡る3コース」など、多彩な作品が受賞した。

観光庁長官賞(訪日)はJTBグローバルマーケティングトラベルの「Japon Colorido(ハポン コロリード)」。スペイン語圏という世界でも多い話者をもつ市場の需要取り込みを評価

第4回「兼高かおる賞」は、モデルの市川紗椰氏

ツアーグランプリ2026では、第4回「兼高かおる賞」の発表と表彰式も開催した。

同賞は、キャスターや文筆家、ファッションモデルとして活躍する市川紗椰氏が受賞した。海外旅行ブームを牽引したジャーナリストである故・兼高かおるさんの業績を称え、その遺志を受け継ぎ、後世にまで語り継がれることを願って創設された賞である。

市川氏は「(同賞は)兼高かおるさんの思いの継承が目的とうかがい、たいへん光栄に思っている。鉄道好きから、この思いにつながったことも嬉しく感じている。今、SNSで世界中の情報や景色を見ることができるが、実際に行かなければわからない土地のにおいや街の空気、人々との会話、偶然の出会いがある。それらが世界との距離を縮める体験になり、自分自身をより知る機会になる。今後もそうした発信ができるよう、頑張りたい」と話した。

市川氏はメカや鉄道好きでも知られ、鉄道旅も楽しんでいる。その好奇心の源泉について、市川氏は「私にとって鉄道は、身近にある最も大きなメカ。車両にはドアの開閉方式から座席の種類、手すりの形状など、沿線地域の気候や文化、利用層が反映されており、それらを知る楽しさがある。また、乗り換えや接続待ちによる“強制的な寄り道”が想定外の街やグルメ、人などとの思いがけない出会いをもたらしてくれる」と話した。

第4回兼高かおる賞を受賞した市川紗椰さん(中央)

ツアーグランプリ2026受賞者

【国土交通大臣賞】

  • クラブツーリズム:流氷タッチ・おーろら 5つ星の宿 知床第一ホテルに泊まる ザ・流氷7景2日間

【観光庁長官賞】

(国内旅行部門)

  • 農協観光:国消国産応援企画 まるごと但馬 in 城崎温泉

(海外旅行部門)

  • エイチ・アイ・エス:車いす利用者のためのエジプト受注型企画旅行(+募集型企画旅行“たびのわツアー”)

(訪日旅行部門)

  • JTBグローバルマーケティングトラベル:Japon Colorido(ハポン コロリード)

【優秀賞】

(国内旅行部門)

  • アーストラベル水戸:シゴトリップ(特許申請中)

(海外旅行部門)

  • 近畿日本ツーリスト:『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』香港の聖地と舞台をめぐる旅 オフィシャルツアー

(訪日旅行部門)

  • JCプラン:香港中高生訪日吹奏楽演奏交流

【審査員特別賞】

(国内旅行部門)

  • クラブツーリズム:80歳以上の方におすすめ 同世代で行く・やさしい旅 磐越・甲州いいとこどりハイライト4日間
  • 阪急交通社:■日本最南端 与那国島×球美の島 久米島を1度で巡る 沖縄離島めぐり4日間

(海外旅行部門)

  • 阪急交通社:メキシコ 死者の日を巡る3コース
  • クラブツーリズム:マチュピチュ遺跡・イグアスの滝・リオデジャネイロ・ナスカの地上絵 ゆとりとこだわりの南米周遊14日間

(訪日旅行部門)

  • 該当なし
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