2018年の観光産業はどこに進む? ー観光に関わる主要企業・組織トップの「年頭所感」を整理してみた

2018年を迎え、旅行や観光関連企業・組織のトップが年頭所感や新年の挨拶として今の方針や決意を表明している。

2018年は、さらなるインバウンド市場拡大が見込まれるほか、海外・国内旅行の伸びにも期待が寄せられる。また、「通訳案内士法及び旅行業法の一部を改正する法律」「住宅宿泊事業法」の施行、2019年には国際観光旅客税の導入も予定されるなど、業界全体への変革が次々ともたらされる一年といえる。

そのようななか、多くの組織・企業は2018年をこれまでにない大きな飛躍に向けた「着実な足場固め」の年になると予測。そのための施策として、最新のデジタル技術も駆使しながらマーケットのニーズに柔軟に対応する一方で、すべての顧客に向けて業界が一丸となって「信頼・安全・安心」の確保を目指す重要性に言及する内容が多くみられた。

以下、1月4日までに公開された各社の2018年方針を整理した(それ以降公開されるものについては、順次、追加する)。

発表された年頭所感や新年挨拶は以下のとおり。

行政・経済・観光機関

田村長官は、これからの展開には広い意味で観光産業のグレードアップが必要になることを示唆。2018年は日本の観光産業の力の見せどころになるとしている。

JNTOは今年、デジタルマーケティングの取り組みをさらに強化。「観光先進国」への飛躍に向けて、全力でまい進していく考えを示している。

今年は「変革の時代の幕開け」であるとして、今後訪れる変化の潮流に備えていきたいとの思いを示している。

新経済連盟は今年、最新の技術環境や政治社会状況を踏まえた基本政策を策定。未来の水先案内人として、官民一体で進めるべき提言をおこなっていく。

旅行会社・OTA・テクノロジー企業など

同社は4月から大規模経営改革に伴う事業ドメインの変更などを予定。交流"創造"事業として新たな顧客価値を創造していきたいとしている。

中森氏は所感のなかで、2018年は「顧客の変化に合わせて適切な差別化を図ること」重視。新たな価値を提供する「未来型創造型企業」を目指していきたいとしている。

2018年は事業構造改革をさらに進め、営業体制の確立や競争力強化を実践。グループ全体の持続的成長につなげる考えを示した。

2018年は引き続き計画に沿った取組みを推進。シニア向け商品やグループ横断的な展開を積極的に実践し、顧客のニーズを確実につかみ「マーケット・イン」をさらに推進する方針としている。

同氏は2018年を「重要な変革の年」と表現。同社ならではの最大資産である多種多様な会員基盤とデータを活用し、顧客との高精度なベストマッチングを実現したいとしている。

同社は基本方針「需要にこたえる」「需要を創る」「地域を共に創る」取り組みを継続。今年はITとビッグデータ活用による新展開も積極化していく。

同社は2018年も「Yahoo!プレミアム」会員向け優遇施策を強化する方針。「一休.com」とのシステム統合もさらに進め、旅行者と施設の双方に最大減のメリットを提供していきたいとしている。

同社は2018年、国内の民泊施設の掲載にも注力。決済の柔軟性対応も視野に、ますます多様化する旅行スタイルに対応していく方針を示している。

石井社長は2018年の動向について、グローバル企業の関心が一層アジアに集まっていくなか、日本はその中心市場になっていくと予測。環境の変化に柔軟な対応をしていきながら、常に日本人旅行者にとって最善のサービス提供をおこないたいと強調している。

ダイクス氏は、今年も世界各地から成功事例を集め、提携宿泊施設とともに日本を世界一の旅行デスティネーションにする取り組みを進めたいと強調。旅行業界におけるテクノロジー・リーダーとしてイノベーションをリードしていく考えを示している。

田邊氏は、住宅宿泊事業法(民泊新法)の施行予定されている2018年を「日本国内におけるAirbnbのビジネスが大きな節目を迎える年」と表現。今後も感動を生む新しい旅行スタイルを創出、周辺サービスにも積極的に注力していく考え。

孫正義代表の新年の挨拶では、グループ主要企業のコラボレーションを通じて、世界中の変革をさらに推進していきたいとしている

航空系・系列旅行会社

同社は2017年に「挑戦、そして成長へ」をテーマとする新・中期経営計画を発表。そこでビジョンの実現を目指し、安全と高品質なサービスの提供に集中。世界のJALを目指して、一歩先行く価値を創造していきたいとしている。

2018年は近く発表予定の新中期経営戦略にもとづき成長投資を実施。「安心と信頼を基礎に」足元固めに取り組むほか、あらゆる場面でAIやICT技術を活用。新たなアプローチを積極展開していく方針を示した。

同社は今年、2022年までの次期中期経営計画を策定する計画。国内外旅行のシステム刷新などを進め、最新テクノロジーと旅の融合を通じた新たな価値創造にも挑戦していきたいとしている。

藤田代表は、「今こそ旅行業界の再整備と健全経営を目指すべき」との考えを表明。併せて、2018年は2020年に向けた「足場固め」をおこなう重要な年になるとしている。

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