移動アプリのビッグデータで観光が変わる、ナビタイムの移動データを活用した誘客から未来の旅行まで担当者に聞いてきた(PR)

インバウンドの急拡大で観光熱が上昇し、日本の各地域が観光振興にさらに力を入れるなか、需要が高まっているのがビックデータを活用した観光戦略だ。移動のストレスをなくし、ナビゲーションで世の中を良くすることを使命に掲げるナビタイムジャパンは、ナビゲーションで培ってきたデータ、技術、ユーザー基盤を活かし、観光分析や移動需要予測などに取り組んでいる。

一方で、交通機関の混雑、道路渋滞といった観光客の移動で起きる社会問題も顕在化している。「自治体や企業にデータを活用した観光戦略を提案して連携することで、より広範囲で有益な行動変容につなげていきたい」との思いを語る同社交通コンサルティング事業部統括マネージャーの永森枝里子氏に、移動データを活用したプロモーションから未来の観光作りまで、具体的な事例や観光戦略のヒントを聞いてきた。

“年間18億件”のデータが未来の観光をつくる

ナビタイムジャパンというと、乗換案内や地図検索といった移動に関わるサービスを提供する企業のイメージが強いが、その一方でアルゴリズムを用いたさまざまなコンサルティングを行なっている。その役割を担っているのが、2012年に設置した交通コンサルティング事業部、すなわちデータ分析の専門チームである。

総合ナビゲーションサービス「NAVITIME」をはじめ、「カーナビタイム」、「乗換NAVITIME」、「自転車NAVITIME」などの一般ユーザーのうち、同意を得た利用者の移動に関するビッグデータを、統計処理により個人を特定できないように変換した上で活用し、観光時の移動や混雑状況を分析。交通の最適化、地域の活性化によって、移動全体をよりスムーズにしていくことが交通コンサルティング事業部のミッションだ。

分析結果は、官公庁・自治体や観光・商業施設、交通機関、民間企業、学術機関などが、交通分析、観光分析、マーケティングなどで利用している。経済産業省と内閣官房まち・ひと・しごと創生本部が2015年に供用を開始し、自治体の観光目的地分析に活用されている地域経済分析システム「RESAS」でも、ナビタイムジャパンのビッグデータは採用されている。

では、ナビタイムジャパンではどのぐらいのデータを扱っているのだろうか。同社によると、2017年度は公共交通全体で18億件、自動車だけで1億8000件の移動需要データを取得。億単位と聞くと膨大すぎてイメージがつきにくいが、永森氏は「月間約5100万のユニークユーザーがこれだけナビタイムジャパンのサービスを使って検索してくださっているということ」と胸を張る。

また、データ分析では使用するデータの選別が肝心だが、ナビタイムジャパンの場合は、データの取得から加工、分析まで自社内で完結していることもポイント。「弊社の場合、自社サービスで取得するデータだからこそ、分析するデータの抽出を確信をもって行なうことができます」と、精度の高さにも自信を示す。

交通コンサルティング事業部統括マネージャーの永森枝里子氏

旅行者の行動を可視化し、次のプロモーションへ

このビッグデータを使ったナビタイムジャパンの取り組みの1つが、国内観光の分析。たとえば、今年から開始したサイクリストの回遊行動分析では、日本屈指のサイクリングスポットとして知られるしまなみ海道で、経路検索データから同一ユーザーが一緒に検索している施設の組み合わせや、GPSで取得した移動経路のデータを可視化。すると、最短経路ばかりではなく、少し足をのばして口コミでの評価が高い飲食店や、観光地にも立ち寄っている傾向が見えた。

「サイクリストは自転車に乗るのが目的で、あまり消費に積極的ではないという通説もあるので、どのように消費を促すかというのは関心の高い話。現状を知るだけでなく、その先のプロモーション、戦略立案にも役立てることができます」(永森氏)という。自転車に特化したナビゲーションアプリを展開する同社ならではの分析だ。

また、交通コンサルティング事業部では、データ分析をどのように交通の最適化や地域活性化に活用できるのかを伝える目的で、自主調査や論文発表も定期的に行なっている。

たとえば、2018年5月の観光情報学会第17回研究発表会では、旅行プランが作成可能な旅行サービス「NAVITIME Travel」を利用したユーザーのログデータを用いた観光客の動態分析手法について、基礎的な研究を実施した。

そこから見えてきたのは、曜日別のプランニング状況や、都道府県別の交通手段の傾向、目的地とされる観光地の相関性など。「旅行プランニングでの訪問先をカテゴリ別でみると、約1割の人はその土地の寺院を、次いで神社(6.2%)を訪れる傾向が判明しました。訪問先をカテゴリ別の組み合わせで把握することは、各地での周遊ルートの作成に活用できます」と永森氏。

九州を対象にした分析では、移動手段と移動範囲に大きな特徴があることも判明した。例えば、自動車での旅行では、博多を基点とする北部と、鹿児島を基点とする南部で分断。南北の縦移動は、新幹線利用が多くなる。長崎は県内での移動完結が多いのも特徴だ。

レンタカー利用の旅の多い九州。移動の多いルートが一目瞭然

「地域別に利用される交通手段の傾向が異なることを把握し、一緒に訪問される地域を抽出・可視化できました。逆に、回遊されていない場合は理由を深堀する必要もみえてくる。いずれも商品づくりに活かすことができます」(永森氏)。

今後は日本人の海外旅行にも対象を広げる方針で、第一弾として今年10月27日には台湾旅行プランニングのログデータを用いた研究発表を行なった。

訪日外国人の行動データが示す注目ポイント

国内観光に比べ、さらに詳細なデータ分析をしているのが、経路検索データとGPSデータも取得しているインバウンド観光だ。インバウンドは利用者同意のもと、日本国内で2分間隔にGPS情報を取得している。

例えば、外国人がよく使う発着駅、乗換駅を分析することで、交通結節点が明らかになる。交通結節点は移動の動きのなかで、繋ぐ空間とたまる空間としての役割を有する重要な要素。「例えば、よく乗換に利用される駅は、電車を待つ時間があるので、広告出稿先として有効であると考えられます。また、乗換が多いということは外国人向けの案内を充実させる必要があるという見方もできるため、どの駅にどの言語を優先して整備するかの判断につながります」(永森氏)。

京都で外国人観光客に高い人気を誇る伏見稲荷大社で、彼らのミクロ行動を分析すると、アジア系旅行者が駅から朱色の鳥居が続く本殿まで回遊しているのに対し、欧米系は稲荷山まで登り切るという回遊が増えている。アジア系はインスタ映え、欧米系はコト消費に代表される体験を大切にしていることは、このデータからも読み取ることができるわけだ。

訪日外国人の行動を、ボリューム感を持って視認が可能。国籍別の行動特性が手に取るようにわかる

また、分析データから、外国人観光客に人気の意外なホットスポットが見つかることもある。例えば、嵐山の先、奥嵯峨エリアにある「愛宕念仏寺」は、バスが1日数本、最寄り駅から徒歩1時間の不便な場所にあるが、多くの外国人が訪れていることが判明。1200体の羅漢像が並ぶ景観がインスタ等で拡散し、脚光を浴びた。こうした動きは、テレビの情報番組で発信されるなど、日本人にも注目されるきっかけとなっている。

よりよい観光の未来を作るために

2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックに向けて、混雑予測のニーズも高まっている。ナビタイムジャパンの乗換経路検索サービスでは電車混雑予測情報を経路探索に反映し、「混雑を避けたルート」を提案しているが、こうした機能も交通コンサルティング事業部と各部署が連携して積み重ねてきた研究の成果。

最近では、花火大会で駅・時間帯別の混雑情報の提供や、マラソン大会時に発生する交通規制の迂回ルートへの対応も実施。神奈川県伊勢原市とは紅葉時期に大山周辺の渋滞情報とともに観光情報を提供し、渋滞回避を促しながら観光を楽しむための提案も行なっている。

花火大会の混雑予報を提供。混雑状況の提供は、訪問客のその土地に対する好感度と観光の満足度向上に繋がる

ナビタイムジャパンによると、同社の乗換経路検索サービスではすでに一定のユーザーが、検索結果から混雑回避ルートを選択しているとのこと。「弊社の各サービスを活用することで、人の流れをより良い方向へ促せる可能性があります」と永森氏。観光においても渋滞の原因を分析することで、時差を持たせた周遊や逆ルートでの周遊など、渋滞回避と同時に新たな観光の仕方を提案できる可能性もある。観光混雑による市民生活への負荷の緩和も期待でき、地域と観光地の健全な発展に活用できそうだ。

ツーリズムを取り巻く環境が激変するなかで、喫緊の対応が必至なデジタルの活用。常にデータと向き合っている永森氏が今後の課題と感じているのが、リアルタイムでの情報提供と、交通手段、観光、インバウンド、需要と予測といった複数の情報を組み合わせながら、広く分析・評価して世の中に発信していくことだ。自治体、企業からの依頼だけでなく、自主調査を続けているのもそのためである。

「自社でエンジンを持ち、さまざまな移動手段を通じたトータルな分析を行ない、サービスにも反映できるのが私たちの強み。より快適に観光してもらえるよう、ポストオリンピックも見据えながら研究を続けていきます」(永森氏)。その分析から生まれる旅行の新しい未来図が楽しみである。

広告:ナビタイムジャパン


対応サービス:論文「トラベルプランニングログデータからみる旅程の実態」交通コンサルティング事業「論文講演・業務実績」電車混雑予測インバウンドプロファイラー道路プロファイラー
問い合わせ先: ナビタイムジャパン 交通コンサルティング事業部 consulting-group@navitime.co.jp

記事:トラベルボイス企画部

みんなのVOICEこの記事を読んで思った意見や感想を書いてください。