米エクスペディア、新型コロナ危機対応で32億ドルの資金調達、資金繰り強化、新CEO・CFOを任命

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エクスペディア・グループは2020年4月23日、新たに32億ドル(約3446億円)の資金調達を行うと発表した。内訳は永久優先株12億ドル(約1290億円)の私募と約20億ドル(約2150億円)の新規負債資金調達。これにより、グループの財政的柔軟性を高めるとともに、資金繰りを強化する。

今回の資金調達は、世界大手の投資会社であるアポロ・グローバル・マネージメントとシルバーレイクの関連会社が実施。アポロ未公開株投資会社の共同リードパートナーのデイビッド・サンバー氏とシルバーレイクの共同CEOでマネージングパートナーのグレッグ・モンデール氏が、今年5月5日に予定されている資金調達完了までエクスペディア・グループの取締役会に加わることになる。

アポロ未公開株投資会社のリード・ライマン氏は「今回の新規資金調達によって、エクスペディアは財務状態を強化することで、世界中の旅行者へサービスの提供を継続していくことができる」と発言している。

エクスペディア・グループは今年の初めから、経営陣の変更に伴いリストラを含む組織改編を実施。新型コロナウイルスの感染拡大による影響が出る前に、その取り組みを完了している。しかし、今回のコロナ危機はOTA経営に甚大な危機をもたらしており、財務強化で危機を乗り越える方針だ。

新人事でコロナ危機に対峙、新CEOは副会長兼務でカーン氏 

また、エクスペディア・グループは、昨年末にマーク・オカストロムCEOとアラン・ピカリCFOが辞任したことで空席が続いていた両職の人事も発表した。

まず、取締役会でピーター・カーン氏をグループCEOに任命。2018年に就任した副会長職を兼務する。同氏は現在、同グループの新型コロナウイルス対策を指揮しており、今回の資金調達について、「これにより、現在の困難な状況に立ち向かうことができ、以前よりもさらに力強くなることができる。アポロもシルバーレイクもエクスペディアの長期的な成長を信じてくれている」とコメントしている。

CFO(最高財務責任者)には、エリック・ハート氏が新任された。同氏は、これまで11年にわたって、グループ戦略、事業開発、国際的なM&A、投資、CarRentals.comのビジネスに携わってきた。

このほか、新型コロナウイルス感染拡大がビジネスに大きな影響を与えていることから、会長、CEOをはじめ取締役は今年の残りの期間、現金報酬を辞退する。また、上級幹部は年内の給与を25%カットする。

バリー・ディラー会長は、今回のさまざまな決定について、「我々には、お金を浪費せずに生き残り、将来旅行サービスを提供していくために、より力強い企業体質を構築していく使命がある。世界中で旅行がいつ再開されるか予測することはできない。しかし、我々は信じている。『人生がある限り、旅はある』と」とコメントしている。

*円換算は1ドル107円でトラベルボイス編集部が算出。

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