OYOホテル、リテシュ・アガルワルCEOが語ったコロナ禍の今、ミレニアル世代向けの個性派ホテルブランドが好調

独自のビジネス手法でマーケットを拡大してきた「OYOホテルズ&ホームズ」。しかし、今年に入り、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大による旅行制限で同社も大きな打撃を受けている。オンラインで開催された「フォーカスライト・カンファレンス2020」には、同社創業者兼CEOのリテシュ・アガルワル氏が登場。コロナ禍での事業の状況について説明した。

OYOホテルズ&ホームズは、母国のインド、東南アジア、ヨーロッパ、中国、アメリカを中核マーケットと位置づけ、フランチャイズ方式で宿泊施設を増やしてきた。パートナー契約に関してさまざまな問題が指摘されたなかでも、グローバルにビジネスを拡大。日本では、オヨ・ホテルズ・ジャパンが今年3月、旅行を対象にしたブランド「OYO Ryokan」を立ち上げた。

アガルワル氏は、コロナ禍前の世界に共通した顧客の傾向として「お得感」「普通」「簡単な予約」「多様な選択肢」を挙げるも、売れる価格帯はマーケットによって異なると話す。たとえば、アメリカでは1泊50~75ドル(約5200円~7800円)、中国では1泊80~150人民元(約1200円~2250円)。また、旅行者がホテルに求める体験もマーケットによって違うという。

一方、宿泊施設パートナーについては、OYOに参加するとオンライン予約が飛躍的に上がると説明。その例として、アメリカではフランチャイズ契約後3ヶ月でオンライン予約は前年比で60%も増加したことを明かした。

アガルワル氏(左)とフォーカスライト・アジア太平洋担当調査員のチェタン・カプアー氏

コロナ禍で好調な「OYOタウンハウス」、稼働率50%〜60%に上昇

しかし、パンデミックでビジネス環境は一変。アガルワル氏は、新型コロナウイルスの影響は甚大との認識を示したうえで、「この危機のなかで、透明性と集中を大事にしている」と話す。

具体的には顧客が多いホテルとホームバケーションに資源を集中。特に、ミレニアル世代をターゲットとし、個性的な街中の宿泊施設を集めた「OYO タウンハウス」ブランドを強化し、パンデミックの中でも世界でパートナーを拡大しているという。コロナ以前の稼働率は平均40%ほどだったが、コロナ禍では50~60%に上昇していることから、アガルワル氏は「パンデミックのなか、タウンハウスでの体験が受け入れられている証拠だ」と自信を示した。

また、アガルワル氏はコロナ禍での収益についても言及。4月の売上総利益はコロナ前と比較して約66%減少したものの、8月と9月は今年1月との比較で85%レベルにまで回復してきたことを明かし、「これは、消費者やパートナーの間で、旅行に対する自信が戻ってきている証だろう。消費者とパートナーにフォーカスした我々の取り組みは、投資家の期待に沿うものだ」と強調した。

今後については、小規模宿泊施設パートナーやホームバケーションのオーナー向けに予約システムやレベニューマネージメントシステムなどテクノロジー関連のアップグレードを進めていく考え。アガルワル氏は「現在重要なのは、この危機をどのように乗り切り、将来に備えるかだ。感染防止対策も含めて、利用者、パートナー、ホームバケーションオーナーからの声に耳を傾けていきたい」と付け加えた。

※ドル円換算は1ドル104円でトラベルボイス編集部が算出

※人民元円換算は1人民元15円でトラベルボイス編集部が算出

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