【年頭所感】日本観光振興協会理事長 久保田穣氏 ―困難を克服し乗り越える年、日本の観光再生に取り組む

日本観光振興協会(日観振)理事長の久保田穣氏が、2022年を迎えるにあたって年頭所感を発表した。

久保田氏は日観振が観光産業全体を再起動すべく、人流の正常化や旅行需要喚起策の実施、国際交流の円滑化などの政策提言活動に取り組んできたことを紹介。さらに、商工会議所などとの災害に強い観光地創出のモデル事業や、経済団体と地域と連動したワーケーションによる需要の分散化と需要の創出など、観光産業を強靭化するために異業種連携にも積極的に取り組んできた。コロナ禍は依然として予断を許さない状況であるものの、困難を乗り越えるための1年と位置づけ、引き続き、日本の観光再生に取り組む意志を示している。

発表された内容は以下のとおり。原文のまま掲載する。


新年のご挨拶

謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

当協会は、多くの企業・団体の皆様にその運営を支えていただいており、ここに改めて御礼を申し上げます。さて、観光産業界においては新型コロナウイルスの影響から地域内の流動をつくることで何とか現状をしのいでいるものの、全国的に大都市圏からの人流が大幅に減少し、地域産業全体に与える影響が非常に大きいという声をいただいております。

こうしたことから、当協会ではコロナ禍から観光産業全体を再起動すべく、政府機関等への政策提言活動に取り組んでまいりました。具体的には、3月の「日本の観光再生宣言」、6月の「ワクチン接種に関する観光産業からの緊急アピール」など、メディアを招いた記者会見により観光産業の声を広く発信しました。また、10月からは「ワクチン接種の進展に伴う観光再起動に向けた緊急要望」をまとめ、岸田内閣総理大臣や斉藤国土交通大臣などに提出し、(1)「ワクチン・検査パッケージ」の活用による人流の正常化、(2)経済回復に向けた旅行需要喚起策の実施、(3)国際交流の円滑化などについて、強く要望を行ったところです。岸田総理、斉藤大臣からも「業界の皆様からのお話を重く受け止めさせていただく。観光産業はコロナ禍からの日本経済再生の柱となる分野である。政府としても観光産業界と連携し、しっかり支援していきたい。」という趣旨のご回答をいただいているところです。

また、コロナ禍を経て、日本の観光産業を強靭化するために、異業種との連携にも積極的に取り組んでまいります。医療関係者の知見を集めた安全・安心な観光の実現に向けた会議、地域の商工会議所などと連携した災害に強い観光地創出のための危機管理に関するモデル事業、経済団体や地域と連動したワーケーションによる需要の分散化や新たな需要の創出、文化財や産業施設の活用などによるテーマ別観光の推進などがあげられます。海外におけるDMOでの取り組みなどを日本の地域に導入するためのモデル事業にも継続して取り組みます。

新たな変異株の発生などいまだに予断を許さない状況が続きますが、協会として本年は困難を克服し乗り越えるための一年として位置づけ、引き続き日本の観光の再生に取り組んでまいります。今年一年の皆様のご多幸とご健勝をお祈り申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。

日本観光振興協会 

理事長 久保田穣

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