【年頭所感】エクスペディア・ホールディングス代表取締役 マイケル・ダイクス氏 ―過去2年間の投資が大きく動き出す年に

エクスペディア・ホールディングス代表取締役のマイケル・ダイクス氏が、2022年を迎えるにあたって年頭所感を発表した。

ダイクス氏は2022年について、「過去2年間をかけて投資してきたものが大きく動き出す年」と表現。同社が展開中のワクチン接種促進プログラムのほか、サステナブルトラべルへの取り組み、エクスペディア・グループを横断するロイヤルティプログラムの実現などを進め、今後さらに顧客やパートナー施設にとって最適なソリューションの提供を強化したいとの想いを述べている。

発表された内容は以下のとおり。原文のまま掲載する。


2022年を迎えるにあたっての年頭あいさつ

2022年の展望:旅行業のリカバリーのための更なる基盤づくり

2021年は「力を温存させる」一年だったと思います。コロナ禍が長引く中で、需要の急激な変化に一喜一憂せずに、本当の商機がどこにあるかをじっくりと見極めて、商機が見込める分野に惜しまずに投資した年でもありました。

一方で、旅行業が世界的に復活するためには、基礎から見直さなければならないところがあると気づかされた一年でもありました。旅行者が何を旅に求めるかも様変わりし、トレンドを把握するのが困難な今、パートナー施設様が注いできた努力と忍耐力は計り知れないものがあると推察いたします。そうした中、エクスペディア・グループでは、パートナーの皆様のビジネス向上に貢献するような技術の強化に取り組んで参りました。2022年は、2020年から2021年にかけて投資してきたものが大きく動き出すことでしょう。2021年の取り組みを振り返り、私たちが学び、新しい年に何を期待できるのか考えてみたいと思います。

旅行に対する信頼性の回復と変化する旅行者ニーズへの対応

デルタ株やオミクロン株のようなコロナウィルスの変異種が猛威を振るった2021年、エクスペディア・グループでは、旅行者の旅行にまつわる不安要素を、できる限り払拭することを意識して行動して参りました。例えば、入国制限やレジャー旅行規制が国や地域によって異なるだけでなく、日々変化していることを受け、弊社では最新の規制状況の把握を可能にする COVID-19 Travel Advisor というオンラインツールを立ち上げたところ、この一年間で、160万人の旅行者にご愛用いただきました。

また、より身近な例としては、日本人旅行者の4人に一人が自由に返金可能な予約を望んでいることを受け(※注1)、現在、弊社が宿泊施設様から頂戴している料金プランの70%は返金可能な設定にしていただいております。

さらに、エクスペディア・グループでは早期渡航再開のためには世界の国々におけるワクチン接種率の格差を是正することが重要と考え、2021年夏に、「Give the World a Shot(世界に接種を)」(※注2)というプログラムを実施いたしました。旅行業の真のリカバリーを促すという目的でスタートしたこの新たな取り組みは、発展途上国を始めとするワクチン接種率が低い国々に対し、ユニセフを通して支援を行うもので、エクスペディア・グループのブランドである Expedia.co.jp、Hotels.com(ホテルズドットコム)、Vrbo(バーボ)などのモバイルアプリで予約するたびに、料金の一部を寄付金として積み立てる非常に画期的なプログラムです。これらのブランドからは、ユニセフのCOVID-19対応基金に最低1,000万ドルを寄付し、発展途上国に新型コロナワクチンの供給並びに診断と治療を提供することを約束いたしました。世界的なワクチン接種率の向上に伴い、旅行業界の信頼性も迅速に向上するよう期待しております。

旅行におけるサステイナビリティ(持続可能性)もまた消費者にとってますます重要な側面を見せております。弊社が実施したリサーチによりますと、海外の旅行者の60%、日本人旅行者の48%に当たる人々が、環境に配慮した旅行ができるのなら、より高い料金を払ってもいいと考えていることが明らかになりました。(※注1)

エクスペディア・グループでは、この分野の取り組みを2019年にタイでスタートいたしました。具体的には、プラスチック量の削減、エネルギー消費の削減、水の節約といった目標を掲げ、タイ国政府観光庁、ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)、エクスペディア・グループの三者間で「サステイナブルトラベル誓約」に署名いたしました。さらに、この2年間で参画する国や会社は増えており、例えばアコーホテルズやフランス・スペイン・スコットランドの3ヵ国の観光開発機構も加入し、旅行業全体で環境問題に取り組む姿勢をリードしようとしております。2020年以降、ご参加いただいたパートナー施設様は、我々のサイト上で「ユネスコのサステイナブルトラベル誓約」のバッジを付けていただくことで、より高い認知度を得ることが可能です。弊社は、これらの取り組みは将来の基盤をつくるために必要な投資と考えております。

2022年に向けたさらなる技術革新による送客力の強化

エクスペディア・グループ傘下には、エクスペディア、ホテルズドットコム、バーボといった様々な旅行ブランドがございます。そのため、これまではリピーターのお客様に特典を提供する会員向けプログラムもブランドごとに存在していましたが、弊社はまもなくグループ傘下のどのブランドを利用してもひとつのロイヤルティプログラムにポイントが加算されるシステムに移行いたします。これにより、合わせて1億4500万人のロイヤル会員様は、エクスペディア傘下の全ての予約サイトをご利用の際に共通ポイントが溜まり、メンバーの特典も取得することができるようになります。このように弊社はお客様にとっての利便性を追求し、パートナー施設様にとっての付加価値を高めることで、今後も引き続きパートナーの皆様とお客様とのより良好な関係作りに貢献できる取り組みを行ってまいります。

また、海外渡航の規制緩和に伴い、インバウンドにおいてもどこから需要が回復するのか、またどのような料金設定をするかにも迷いが生じるかと存じますが、弊社では、「Market Insights(「マーケット分析」)」および「Rev+ (「収益管理」)」という無料ツールをパートナー施設様向けの管理画面にて提供しております。「マーケット分析」ツールをご利用いただきますと、各都市及び地域への需要や旅行者の行動をいち早く察知でき、また、「Rev+」では、周辺宿泊施設の販売価格や需要予測などに基づいた適正販売価格を導き出すことができるため、パートナー施設様は、回復に向けて進むべき方向を見極め、販売戦略を最適化し、適切なタイミングで国内外からの旅行者の需要を取り込むことが可能となるのです。日本においては、すでに「Rev+」を何千軒もの施設様にご利用頂いており、アジアで断トツトップのシェアを誇っております。

インバウンドの回復と重要性

海外旅行者の送客はやはり海外OTAが最も貢献できる分野のひとつと言えます。2019年のデータでは、国内の観光消費の20%近くを訪日外国人が占めており、観光産業における530万人の雇用に大きく貢献したことが分かっています。また、アジア以外の国からの渡航者数では、米国からの旅行者数が最も多く、パンデミック前の日本への入国者数は220万人に達していました。実際に、エクスペディア・グループは2019年にアメリカ人訪日客の10人に7人を送客したことになります。今後、渡航制限が解除されればインバウンドの需要も回復することは明らかであり、近隣諸国からはもちろんのこと、アメリカを始めグローバルで旅行者が増えることが見込まれます。

ほんの数年前までは宿泊施設を選ぶ際により手頃な料金を優先していた顧客のニーズが、今では返金・変更可能なプランへとシフトしています。エクスペディア・グループでは、こうした予測がつきにくい旅行者のニーズやトレンドをいち早くつかみ、お客様とパートナー施設の皆様にとって常に最適なソリューションをご提供できるよう今後もグローバル規模でサポートして参ります。エクスペディア・グループを代表し、すべてのパートナー施設様、政府機関、業界関係者の皆様に対し、昨年1年間の多大なるご支援とご協力に感謝を申し上げると共に、新しい年のご繁栄および皆様のご多幸をお祈り申し上げます。

※注1:Traveler Value Index, 2021(PDFファイル)

※注2:「Give the World a Shot(世界に接種を)」プログラム関連動画:


エクスペディア・ホールディングス代表取締役

マーケットマネージメント、北東アジア統括

マイケル・ダイクス

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