東京オリパラ取材した海外メディアが見た「東京」、大会運営の円滑さで「テクノロジー進んだ日本」、「多言語化」は進みすぎ

東京観光財団(TCVB)は、カスタムメディア社とともに、昨夏に行われた東京オリパラについて、大会を取材した在京ジャーナリストと意見をまとめた共同報告書「海外メディアジャーナリスの視点から振り返る東京2020大会」を発表した。この報告書は、大会期間中の報道内容や東京の評価、観光面に活かせるレガシーなどを議論した座談会をまとめたもの。

海外ジャーナリストのコメントから、大会のレガシーとして挙げられたのは「テクノロジー」「もてなしの心」「多言語化」に分けられ、それぞれ以下のようにまとめられた。

テクノロジーでは、無観客ながらも、海外においては、大会を円滑に運営するために導入された様々な技術や最新設備、優れたインフラなどが予想以上に報道された。大会は「技術の進んだ日本」のイメージをさらに強固したことから、「最先端の技術が生活に溶け込む東京で、快適な滞在を楽しむ」という訴求は、大会を経て世界で形成された東京のイメージに合致する。

もてなしの心では、大会を支える様々なボランティアのエピソードが世界的に多く報道された。相手の立場に立ったもてなしの心や日本文化は良い印象を醸成したことから、このイメージは東京のイメージと合致する。

一方で、多言語化については、街中のサイネージ、観光案内システム等での多言語表記はかなり進んでいるものの、整い過ぎていることが、逆に日本人とのコミュニケーション不足になっている面があったようだ。滞在中に関わる街中の人々との英語などを通じた多言語のコミュニケーション力を高めることが、ビジターのさらなる満足に繋がるとしている。

このほか、ダイバーシティへの取り組みは、一定のポジティブなイメージが生まれたが、実社会を見ると、まだ成熟しているとは言い切れず、多様な旅行者に開かれた都市、というイメージを打ち出すにはやや時期尚早感がある可能性がある。

海外メディアジャーナリスの視点から振り返る東京2020大会 (PDF)

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