人材確保が急務の宿泊業界、「副業」や「プチ勤務」など、リクルートが雇用事例を発表

リクルートは、持続可能な観光に向けた宿泊業の雇用事例を発表した。

コロナ禍を経て旅行の個人化が進む中、宿泊業界では人材獲得が急務となっている。一方、地域では観光の高付加価値化の取り組みが始まっており、持続可能な地方創生には、各地域がそれぞれの資源を生かした魅力づくりをしたうえで、その魅力を体現する人材育成と人材確保が必要だ。こうしたこの状況下で、地域の魅力づくりと人材獲得を両立する取り組みが始まっている。

例えば、和歌山県田辺市の「SEN.RETREAT TAKAHARA」では、副業人材を活用。都市部で働く人が地方企業に副業として参画できるリクルートのサービスを利用し、課題であったSNSの運用やイベント企画のクオリティ向上やEC事業などの新規事業の着手について、同分野の経験が豊富な副業者が地域と宿の魅力に沿った企画や運用を実施した。地域や宿の魅力を見出す際、地域出身者には当たり前のポイントが外部人材には地域の魅力と捉えられることも、有効であったという。

また、三重県鳥羽市では、1日4時間ほどの「プチ勤務」を創出し、短時間ジョブ求人の告知を実施した。宿泊業は同市の最大の産業であるが、人材不足のため稼働を制限して運営していた。一方で、地域には働く意欲のあるシニアや女性がいるが、働ける条件にあった仕事を見つけにくく、そもそも知らないという状態もある。そこで、人材不足の要因の1つは、宿泊業における短時間勤務がないことや休日が取れないことと判断。柔軟な働き方の提供を開始した。

具体的には、「朝食の補助」や「昼間のフロア清掃」といった「短期時間ジョブ」を切り出し、「プチ勤務お仕事カタログ」を作成。その結果、市民からはカタログの職場を見たいという職場見学ツアーの申し込みがあったほか、事業者からも求人掲載の依頼があったという。

このほか、DXで働き手の負担を軽減した鳥取県米子市の「皆生松月」「皆生游月」の例も紹介した。

リクルートでは、持続可能な観光のためには旅行者、事業者、地域住民の三方よしが大切と説明。宿泊施設を持続可能な形で運営するためには、現場で働く人のES向上による「ヒトの活性化」と、そのためのモノの省力化「DX」が重要だとしている。

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