2024年に注目の世界の旅行系スタートアップ25選、「ウェルネス特化の予約サイト」から「デジタル・チップ」まで、今年は日本からも【外電】

2023年11月に米国で開催されたフォーカスライト・カンファレンスでは、「2024年の注目スタートアップ25」を発表した。

コロナ禍により、旅行産業と世界各地が壊滅的な状況を経験してから4年弱が経過した今、厳しい日々の中で芽吹いたイノベーションが実を結んでいる。危機の時代こそ、リスクを取ってチャンスをつかみ、問題解決に向けて、新しいやり方を試すべきだ。こんな言葉をそのまま体現するようなスタートアップ各社が揃った。

今回はアリアンツ・パートナーズUSの協賛を得て、2024年に注目すべき旅行系スタートアップ25社を選定。その顔ぶれは、ダイナミックな時代を映す。

注目スタートアップの選定は、今回が6回目。計25社のうち8社は、2020年に創業した組織だ。続く2021年の創業が5社、翌2022年が4社。

これまでに選ばれたスタートアップの顔ぶれ

これまで6回にわたる「注目のスタートアップ」に選ばれた計125社(2024年分は除く)が獲得した資金は、計22億ドル(約3200億円)にのぼる。

業務領域では、全体の74%をB2Bが占めており、獲得資金ベースでは56%となった。そのほかでは航空関連が20%、ホテルなど宿泊関連が18%、短期宿泊レンタル(STR)が11%、法人旅行が10%、これ以外の専門領域が6%、ツアー&アクティビティが6%。

事業拠点別では、北米が全体の53%、欧州が33%、アジア太平洋が8%、それ以外は中近東、南米、アフリカ。

このうち12社は買収され、3社は廃業、1社は合併(2020年に選ばれたSetoo社がPattern Insuranceと合併)している。

2024年に要注目のスタートアップ各社 ※アルファベット順

今年のリストに選ばれたスタートアップ各社を以下に紹介する。それぞれの創業者に「事業概要」「2024年の戦略目標」「創業から今までの学び」について聞いた。なお、スタートアップ選定およびデータ分析作業では、フォーカスライトのリサーチ&イノベーション担当マネジャー、マイク・コレッタ氏からの多くの支援を受けた。

Acai Travel

  • 本社:米国ニューヨーク、CEO:Riccardo Vittoria氏、2023年創業、出資額:50万ドル(約7250万円)
  • https://www.acaitravel.com/
  • 事業概要:法人旅行、OTA、航空会社、ホテル、銀行などのコールセンター支援。大規模言語モデル(LLM)を活用し、旅行オペレーションを最適化。顧客対応の所要時間を最大60%まで短縮することで、コストも半減する。
  • 2024年の目標:当社プロダクトの導入実績を20社以上にする。2024年初めにリリース予定の3つの新商品は、専門知識を要する旅行業務向けの管理システム、チャットとメール対応の自動化ソフト、GDSを自然言語で操作できるオーバーレイ。
  • 創業から今までの学び:旅行テックの経験は長いが、今も、クライアントのフィードバックなどから新しいことを学ぶ日々だ。意外にも、顧客各社のコールセンターが抱える課題には類似点が多く、LLMの汎用性は大きい。

Autoura

  • 本社:英国、CEO:Alex Bainbridge氏、2018年創業
  • https://www.autoura.com/
  • 事業概要:デジタル技術やAIを活用した観光体験プラットフォーム。米サンフランシスコでは自動運転車両での観光を実現。その他にはAIツアーガイド「Sahra」などが案内する観光体験を催行している。
  • 2024年の目標:パートナー企業や利用客を幅広く獲得できるように力を入れる。現地のツアー催行会社と一緒に、人間とAIのガイドによるハイブリッド対応を実現するほか、OTA向けには、観光チケット販売に役立つAIツアーガイドを提供する。
  • 創業から今までの学び:まずベースをしっかり固めること。その後、走りながらイノベーションを進めて、営業につなげる。我々は自動運転車両を使った観光体験作りに4年を費やした。また機が熟すまで、事業規模の拡大を焦らないこと。乗るべき波を見極めること。

Blockskye

  • 本社:米国ボストン、共同CEO:Brook Armstrong氏とMichael Share氏、2017年創業
  • https://www.blockskye.com/ 
  • 事業概要:法人旅行マネジメントのプラットフォーム。ブロックチェーンを使い、法人顧客と旅行サプライヤーを直接つなぎ、出張者にはオムニチャネルでサービスを提供。コスト削減や旅費管理業務を効率化する。カヤックと提携している。
  • 2024年の目標:出張者と航空・宿泊サプライヤーの距離を、世界中で近づけること。仲介事業者は必要なものだけにし、時代遅れの商習慣や不透明性をなくす。直接取引からNDC、アグリゲーター、GDS経由のコンテンツまで対応できるシングル・ポイントを目指す。
  • 創業から今までの学び:2023年の旅行需要は好調だったが、航空会社の利益マージンは平均1.2%(IATA統計)と、他の旅行業種より大幅に低いのが現状だ。カヤックや先進的なサプライヤー、法人各社と共に、新しい時代に合った出張管理の先駆けになる。

Boddy

  • 本社:スイス・チューリッヒ、CEO:Hannes Boller氏、2019年創業、出資額:250万ユーロ(約3億8800万円)
  • https://boddy.tech/ 
  • 事業概要:健康意識が高い旅行者向けのマーケットプレイス。フィットネスやウェルネス事業者、デジタル・ヘルス会社のサービスや商品とサービスを集め、ホスピタリティ各社、OTA、保険会社、そして一般消費者向けに提供している。
  • 2024年の目標:商品開発の加速と、当社ブランドの世界展開。特にローンチしたばかりの北米市場に力を入れる。ホスピタリティ事業者向けにはサブスク型商品をスタート。旅行ウェルネス分野のトップを目指す。法人旅行や保険会社との提携も進めたい。
  • 創業から今までの学び:創業初期の人材採用では、細部までよく検討すること。良い人材獲得が、成長を加速する。アドバイスは遠慮なく求めること。チャンスと選択肢について熟考すること。停滞した時は、これまでの道程と成果を振り返り、自分を鼓舞してきた。

BookingData

  • 本社:ドイツ・ミュンヘン、CEO:Julien Collet氏、2021年創業、出資額:60万ユーロ(約9300万円)
  • https://www.bookingdata.io/ 
  • 事業概要:航空会社の利用客に対し、ホテルやレンタカー、地上交通各社が各種付帯商品(アンシラリー商品)を提案・販売するためのプラットフォーム。旅客情報をもとにした精度の高いターゲティングで、成約率を大幅に高める。
  • 2024年の目標:航空会社、ロイヤルティプログラムとの連携強化。さらに第三者であるサービス提供事業者との協働を拡げて、事業規模をさらに成長させること。
  • 創業から今までの学び:当社のパートナーである航空会社および各種のアンシラリー提供事業者との間に、長期的な信頼関係を築くこと。お互いのメリットが不可欠になる。まず当社の利用価値をよく理解してもらうことに注力してきた。パートナー獲得の近道にもなる。

BTP Automation

  • 本社:米国カリフォルニア州ラ・キンタ、CEO:Bruce Yoxsimer氏、2020年創業、出資額:250万ドル(約3億6300万円)
  • https://www.btpautomation.com/ 
  • 事業概要:法人旅行のホテル調達を自動化するSaaS型ソリューション。企業各社の出張パターンやホテル市況データを毎日分析しながら、継続的にコーポレート・ホテルプログラムに修正を加え、最適化していく。
  • 2024年の目標:自動化ソリューションをさらに洗練させて、法人旅行のホテル調達業務における様々なニーズに応える。200社を超える既存クライアントに満足してもらえることが最優先。継続利用してもらえるように、卓越したサービスをサポートを提供する。
  • 創業から今までの学び:①顧客中心のアプローチ。顧客ニーズやフィードバックをもとに改良を重ねてきた。②機動力と対応力③強固なパートナーシップ(単独では難しい新市場や新顧客への足掛かりになる)④優秀な人材獲得、これに尽きる。

Deal Engine

  • 本社:米国マイアミ、CEO:Alex Jara氏、2018年創業、出資額:570万ドル(約8億2700万円)
  • https://deal-engine.com/
  • 事業概要:航空会社、OTA、旅行会社などに、チケット払い戻しや変更などのバックオフィス業務を自動化する各種ソフトウェアを提供。利用客の体験向上と同時に、業務の最適化、コスト削減、新たな収益源の確保につなげる。
  • 2024年の目標:事業を今の3倍に成長させること。現在は欧米30カ国ほどで展開しているが、他の地域にも進出する。そして新商品のローンチ。あらゆるチケット変更手続きを自動化するソリューションなど、多くの画期的な発表を予定している。
  • 創業から今までの学び:当社ソリューション導入の効果は、より規模が大きく、テクノロジー重視の企業ほど大きい。一日当たりの取扱い件数が数千に及ぶ事業者ほど、最適化できるかどうかが重要になる。当社を利用してくれる旅行大手各社にも感謝。

Dharma

  • 本社:アブダビ、CEO:Charaf El Mansouri氏、2021年創業、出資額:1000万ドル(約14億5000万円)
  • https://www.seekdharma.com/
  • 事業概要:世界各地で、各分野に詳しい人に案内してもらう旅や体験のマーケットプレイス。テーマの一例を挙げると、韓国の寺院の精進料理、英国マンチェスターのサッカー、メキシコでのヴェーダ瞑想など。それぞれの専門家がホストを務める。
  • 2024年の目標:テーマある旅・体験のマーケットプレイスでは世界最大手となり、グローバル展開すること。人々をインスパイヤする著名人やブランドをさらに揃えていく。様々なニッチ分野のクリエイターを紹介する旅行プラットフォームも準備している。
  • 創業から今までの学び:起業にレジリエンスは必要だが、わずかなことに執着しすぎるのもよくない。このバランスの見極めが、創業初期は特に難しいのだが、重要でもある。ベンチャー資本からの期待が、成長拡大から収益性へと変化していることにも留意したい。

Direx

  • CEO:Ibukunoluwa Salau氏、2022年創業、出資額:5000ドル(約72億5000万円)
  • https://getdirex.com/
  • 事業概要:アフリカ市場で観光・ホスピタリティ事業を行う経営者向けクラウド・ソリューション。日々の業務管理を自動化したり、営業、予約、決済業務を効率化するデジタルツールを提供。
  • 2024年の目標:重点方針は3つ。まず、我々にとって二大市場であるナイジェリアとケニヤでの営業拡大とプロダクト開発。次に、顧客の増加に対応できるように、当社チームを拡大すること。そして資金調達を成功させること。
  • 創業から今までの学び:当初、想定していたシナリオに固執することなく、マーケットの現状に合わせたイノベーション開発を進めること。マーケットがまだ想定していた状況にないからこそ、当社の存在意義があると考えるようになった。

Eilago

  • CEO:Aamir Saleem氏、2020年創業
  • https://www.eilago.com/
  • 事業概要:旅行フィンテックやゲーム要素を取り入れた旅行予約アプリ。予約プロセスや価格の整合性が分かりにくい現状を改め、もっと簡単で使いやすく、楽しいカスタマーエクスペリエンスを提供する。
  • 2024年の目標:中東・北アフリカ・パキスタン地域での事業展開と、経営の黒字化。顧客向けにはフィンテック商品を拡充する。常時キャンセルを可能としや価格凍結に加え、ベストプライス保証、価格追跡、体購入やリワード向けのゲーミフィケーションを予定。
  • 創業から今までの学び:コロナ禍の中での起業となり、さまざまな軌道修正を行ってきたが、価格にまつわる非合理性をなくすという目標は貫いてきた。それから、社員や顧客の声に耳を傾け、誠実に対応すること。旅行を楽しく、責任ある形で提供すること。

Grazzy

  • 本社:米国テキサス州オースティン、CEO:Russ Lemmer氏、2021年創業、出資額:680万ドル(約9億8600万円)
  • https://www.grazzy.com/
  • 事業概要:ホテルやバー、飲食店などの接客現場で、時給ベースで働く従業員向けのデジタル・チップや給与決済プラットフォーム。大手から中小事業者まで、規模に関係なく導入可能。
  • 2024年の目標:当社ユーザーは、各種サロンや洗車など、様々な業種にも広がっているので、社員数を増やすこと。現金を持っていなくても気軽にチップをやり取りできる機能が好評だ。雇用側も、従業員の離職が減り、リクルート経費などが削減できる。
  • 創業から今までの学び:現金が不要になっても、チップはなくならない。ポケットに現金の持ち合わせがなくて困ったという経験はよくある。デジタル・チップの技術開発では、安全性や法律、税金など難題が多かったが、その分、大きな価値を生み出すことができた。

Greether

  • 本社:米国サンフランシスコ、CEO:Vanessa Karel氏、2021年創業
  • https://www.greether.com/
  • 事業概要:女性旅行者向けに、現地の女性グリーター(歓迎する人)を紹介するマーケットプレイス。各地の登録グリーターの中から、自分の渡航先や興味ある体験に詳しい相手を探す。渡航前の情報交換も可能。
  • 2024年の目標:サービスをグローバル展開すること。当面は、女性旅行者に人気の上位10カ国に力を入れる。新しい機能やサービスも追加していく。また収益拡大に向けて、B2B事業のベータ・テストも開始予定で、すでに多くの問い合わせがある。
  • 創業から今までの学び:当社が目指す課題解決は、創業時から同じだが、着目点や実現手法については、見直しを重ねてきた。女性のためのサステナブルな雇用創出、安心できる旅行、人と人の絆作りなど、当初のビジョンは実現しつつある。この展開をさらに拡げていく。

Jerne

  • CEO:Tim Morgan氏、2021年創業
  • https://www.jerne.com/ 
  • 事業概要:旅行ビジネスとクリエイターエコノミーをつなぐSaaSプラットフォーム。約5000人のインフルエンサーと旅行・宿泊・体験事業者の間で、取引契約の締結や管理、コンテンツ活用、アフィリエイト事業の利益やマーケティング効果の追跡をサポートする。
  • 2024年の目標:収益を10倍に増やすこと。コンテンツ・クリエイターと事業者のパートナーシップを拡大すると同時に、作り出したコンテンツを楽しんでくれる消費者の数も増やすこと。
  • 創業から今までの学び:ユーザーが抱える問題解決にまず集中すること。あとは、これを繰り返すこと。ユーザーの声を聞き、行動する、その積み重ねだ。

Kabuk Style

  • 本社:日本・長崎、CEO:砂田憲治氏、2019年創業
  • https://kabuk.com/
  • 事業概要: “HafH”(Home away from Home=もう一つの自宅)をサブスク方式で提供する旅行フィンテック。ホテルや航空券価格の変動リスクに対応したアルゴリズムを開発し、いつでも一定料金で利用できるサービスを実現。世界30カ国で事業展開している。
  • 2024年の目標:事業の展開地域をさらに拡大すること。複雑すぎるホテル・システムを解きほぐすこと。新しく開発中のプロパティ・マネジメント・システムは、直接予約の拡大につながる設計にした。
  • 創業から今までの学び:大胆かつ迅速な決断が、スタートアップを輝かせる。限られたリソースでのソフトウェア開発、営業、顧客サポートは常に厳しい。事業の成長ペースに社員数は追いつかず、広告予算も足りない。リスクを取り、素早く決断することが唯一の道だ。

Katanox

  • 本社:オランダ・アムステルダム、CEO:Mendel Senf氏、2020年創業、出資額:600万ユーロ(約9億3000万円)
  • https://katanox.com/
  • 事業概要:宿泊施設と旅行販売事業者をつなぎ、客室や施設の在庫管理、流通、決済、フィンテックを提供するプラットフォーム。ホスピタリティ産業のB2B流通をプログラマティック時代に合わせて変革する。
  • 2024年の目標:営業拡大、商品開発、米国市場における事業の強化。当社プラットフォームでは、法人旅行マネジメント会社と宿泊施設の取引が大幅に増えることになるだろう。プロダクト開発とエンジニアのチームも拡大する。
  • 創業から今までの学び:最近、変化のスピードが急加速しており、ホスピタリティ業界でも、技術革新に追いつこうと大手チェーンが流通戦略を見直している。チャンスは増えたが、ノウハウはすぐに古くなる。変わり続ける市場に適応することで成長が続く。

Kindred

  • 本社:米国サンフランシスコ、共同創業者:Justine Palefsky 氏、Tasneem Amina氏、2022年創業
  • https://livekindred.com/
  • 事業概要:登録した会員限定で、自宅を相互利用するネットワーク。信頼できるメンバー間だけの貸し借りなので安心できること、割安な価格で、現地のライフスタイルをより深く堪能できることなどがメリット。
  • 2024年の目標:信頼関係とクオリティの高い滞在、これに尽きる。引き続き、プロダクトとオペレーション・インフラに投資し、圧倒的な質の高さと安心感、すばらしい驚きを提供する。また、この事業を世界各地へ広げていくこと。
  • 創業から今までの学び:メキシコシティのあるメンバーは、過去8カ月間に89泊をホストし、自らも80泊の滞在を満喫。自身の生活の変化に驚く。こうした自由な生き方への潜在需要を掘り起こしてきた。旅行市場には、もっと大きく拡がる余地がたくさんある。

Legends

  • 本社:米国ニューヨーク、CEO:Stephanie Daniel氏、2021年創業、出資額:37万5000ドル(約5437万5000円)
  • https://www.livemylegend.com/
  • 事業概要:旅行者のファーストパーティー・データを収集・分析し、パーソナライズした旅行コンテンツの提供や顧客対応を支援。売上やロイヤルティを向上する。AIを活用し、実行可能なインサイト提案や予測も行う。
  • 2024年の目標:現在、試験運用中のB2Bソリューションをスタートする。まずAIを取り入れたデータ・ツールのAPIを顧客企業のシステム向けに提供し、続いてデータ・インサイト・プラットフォームやホワイトレーベルも検討する。旅行以外の業種も想定している。
  • 創業から今までの学び:優先順位、実行力、スピードとアジリティの適切なバランスに、常に配慮することで、マーケットに合う商品開発が可能になる。また、顧客や取引先、投資家、アドバイザー、チームの仲間との信頼関係が大きな支えになって、ここまできた。

Point.me

  • 本社:米国ニューヨーク、CEO:Adam Morvitz氏、2020年創業、出資額:1200万ドル(約17億4000万円)
  • https://www.point.me/
  • 事業概要:航空会社やクレジットカード利用でためたポイントで購入できるフライトのメタサーチ。ネット上にある40以上のデータ源からリアルタイムで情報を収集。ユーザーは、保有ポイントで利用可能な選択肢を簡単に比較できて、ベストな条件を選択できる。
  • 2024年の目標:リワードを使って購入できる旅に特化したツールは今のところ当社のみ。ユーザーにとって簡単であること、正確であることを極めていく。ポイント利用への関心や信頼を高めることは、航空会社やロイヤルティ事業にも長期的なメリットがある。
  • 創業から今までの学び:重要なことは2つ。事業が発展すると、アドバイスや提案を多くもらうようになる。有難いことだが、同時に、自らの勘も頼りにすること。創業パートナーには、信頼できて、同じ価値観を持つが、自分にはない長所を持つ人を選ぶこと。

SquadTrip

  • 本社:米国オクラホマ州タルサ、CEO:Darrien Watson氏、2022年創業、出資額:160万ドル(約2億3200万円)
  • https://squadtrip.com/
  • 事業概要:団体旅行のマーケティング、予約、決済をワンストップで管理できる効率的なB2BソフトウェアをSaas方式で旅行代理店に提供する。
  • 2024年の目標:最重要の目標は、団体旅行予約ソリューションのホワイトレーベル展開。旅行会社、クルーズ、ホテル向けにテイラーメイドで提供する。ベンダー探しからAIによる旅程作りまで、何でも揃う団体旅行のエコシステム構築を目指していく。
  • 創業から今までの学び:団体旅行の予約をもっとシンプルかつ便利に、というニーズは、消費者だけでなく旅行会社、クルーズ、ホテルからもあり、当社の事業ミッションにつながった。旅行の未来を変える一翼になる。後払いや分割払いなど、柔軟な決済にも対応したい。

The Host Co

  • 本社:米国ロサンゼルス、CEO:Annie Sloan氏、2020年創業、出資額:210万ドル(約 3億450万円)
  • https://www.thehost.co/
  • 事業概要:短期宿泊レンタルに滞在する観光客やワーケーション利用者向けに、各種サービスやアメニティを追加販売するインスタント・コンシェルジュ。例えばスパ、シェフ、ショッピングなど。売上を約30%増やすことが可能。
  • 2024年の目標:これまでの商品カテゴリー枠を超えた、画期的なアップセル機能を訴求していく。短期宿泊レンタルや中小宿泊施設向けのスマホで利用できるソフトウェアで、プラグイン設定の所要時間は5分以下。旅行消費を地域へと誘導する効果も期待できる。
  • 創業から今までの学び:ユーザーの声に、ひたすら耳を傾けること。ホストとゲストの意見に加えて、当社プロダクトが実際にどう使われているかにも注目している。中小宿泊オーナーは皆、非常にクリエイティブな人ばかりで、面白いアイディアの宝庫でもある。

Travlr ID

  • CEO:Gee Mann氏、2023年創業
  • https://travlrid.com/
  • 事業概要:旅行者自身が、自分の個人情報を分散型ネットワーク上で管理できるようにし、一部企業が旅行者情報を囲い込むことによる不便や不効率を解消。旅行者向けパーソナライゼーションを深化し、自己主権型アイデンティティを実現する。
  • 2024年の目標:顧客ベースを拡大すること。旅行業をリードする各社とのパートナーシップを強化すること。安全で効率的、ユーザーフレンドリーな旅行者情報とID照合ソリューションを提供できるように、常に技術の改良を続けること。
  • 創業から今までの学び:テクノロジーは不可欠だが、万能ではない。現実的な使い方を考え、顧客に具体的なメリットを提供できるかが重要になる。最先端のすばらしい技術でも、顧客の悩みを解決できなければ、成功はできない。ユースケースにフォーカスすること。

Turneo

  • 本社:英国ロンドン、CEO:Matija Marijan氏、2022年創業、出資額:80万ユーロ(約 1億2400万円)
  • https://www.turneo.com/
  • 事業概要:ホテルや旅行関連施設向けのeコマース・プラットフォーム。スパや飲食店など館内の各種サービスから、周辺地域で体験できることまでを利用客向けに販売する。ホテルの売上アップや、フロント業務の軽減につながる。
  • 2024年の目標:顧客ホテル数を数千規模に増やすこと。各種体験の取扱い強化は、宿泊施設にとって、これからの最優先課題だ。既存クライアントとの間では、AIを活用したテイラーメイドな滞在プラン作り機能などをテスト中で、こちらも本格展開していく。
  • 創業から今までの学び:旅行者が体験を求めていることは分かっていたが、ホテル側がどこまで興味あるかは未知数だった。当社ソリューション導入により、アンシラリー売上が増えるだけでなく、オペレーション全体が刷新されていくところが非常に面白い。

Unravel

  • 本社:英国ロンドン、CEO:Vijay Anand氏、2021年創業、出資額:210万ドル(約3億円)
  • https://unravelapp.com/
  • 事業概要:インスタ映えする世界各地の景色や体験を動画で紹介し、旅行の手配・予約につなげるB2B2Cプラットフォーム。ティクトクの興奮とエクスペディアの便利さを融合。顧客企業が自社ブランドを冠して提供できるホワイトレーベル方式。
  • 2024年の目標:現在の利用者は2000万人だが、これを1億人に拡大すること。成約率を大幅にアップすること。動画のフィードは利用者に合わせてAIがレコメンドする。予約や購入がさらにスムーズに進むように、生成AIも活用していく。
  • 創業から今までの学び:デスティネーションやホテルの動画は、見る者を圧倒する臨場感が必要。コンテンツの質では妥協しない。価格から嗜好まで、パーソナライゼーションは必須。グローバルでの成功に欠かせないのは、各地に精通したローカル・パートナー。

Venus Aerospace

  • 本社:米国ヒューストン、CEO:Sassie Duggleby氏、2020年創業、出資額:4800万ドル(約69億6000万円)
  • https://www.venusaero.com/
  • 事業概要:ハイパーソニック(極超音速)ドローンやスペースプレーン(自力で離着陸できる宇宙船)を設計・製造し、調査研究、防衛、そして商用利用で役立てる。
  • 2024年の目標:回転デトネーション・ロケットエンジン(RDRE)の試験運転を継続する。RDREは最も効率的なエンジンで、実用化できればハイパーソニック・エコノミーの時代が幕を開ける。世界各地まで1時間で飛べる「スターゲイザー」開発に取り組む。
  • 創業から今までの学び:技術開発系スタートアップには、膨大な資金と、辛抱強い資本のサポートが欠かせない。充分な知識と起業経験がある投資家に出会えたことは幸運だった。既存ルールでは対応できないことも多く、政府や航空当局との折衝も重要な仕事になる。

Weeva

  • 本社:英国ロンドン、CEO:Julie Cheetham氏、2021年創業、出資額:1000万ドル(約 14億5000万円)
  • https://weeva.earth/
  • 事業概要:旅行・ホスピタリティ事業向けのサステナビリティ管理ツールをSaaS方式で広く提供するプラットフォーム。事業や組織が周囲におよぼす正負のインパクトを数値化し、具体的な改善策なども導き出す。
  • 2024年の目標:規模の大小に関係なく、あらゆる旅行関係者にとって使い勝手のよいプラットフォームにすること。現行のトラッキングやレポート機能の改善に加え、生成AIや機会学習を活用した新ツールも投入する。対応言語を増やし、世界展開も加速する。
  • 創業から今までの学び:旅行業界ではサステナビリティへの関心が全般的に高いが、どこから手をつけるべきか分からないとの声が多い。専門家向けのツールではなく、誰でも分かるサポート機能を提供する必要を痛感してきた。

選定作業は、年間を通じて行っている。まずは旅行業の幅広い分野と世界各地を対象に、創業初期のスタートアップについて情報を収集。今回、審査対象となった候補は150社以上あったが、様々な調査を経て、リストを絞り込んだ。事業のイノベーション力と成長性を中心にチェックすると同時に、業種、地域、創業者などが偏らないことにも留意した。

※為替レートは、1ドル=145円、1ユーロ=155円で計算

※この記事は、世界的な旅行調査フォーカスライト社が運営する「フォーカスワイヤ(PhocusWire)」から届いた英文記事を、同社との正式提携に基づいて、トラベルボイス編集部が日本語翻訳・編集したものです。

オリジナル記事:PRESENTING THE HOT 25 TRAVEL STARTUPS FOR 2024

みんなのVOICEこの記事を読んで思った意見や感想を書いてください。

観光産業ニュース「トラベルボイス」編集部から届く

一歩先の未来がみえるメルマガ「今日のヘッドライン」 、もうご登録済みですよね?

もし未だ登録していないなら…