ドイツ観光局、2024年は「持続可能な文化観光」を訴求、長期滞在の促進も、中国市場の回復に期待

ドイツ観光局は2024年、持続可能な文化観光デスティネーションをテーマとするマーケティングを展開する。 5月からは新しいインスピレーション・キャンペーン「文化の国ドイツ」をスタート。大都市圏では都市生活に不可欠な要素として、地方では地域の特色として国際的な文化とアートシーンを紹介していく。

具体的には、世界中からアーティストが集まるカルチャースポット、公共スペースでのアート、伝統的な文化的景観の中でのモダンな精神、国際的に高く評価されている音楽イベントなど現代的な側面に焦点を当てる。

また、「ドイツ52のユネスコ世界遺産」キャンペーンも展開。歴史的建造物の保護、習慣と伝統の保存、文化と自然の持続可能な体験という側面に焦点を当てる。

さらに、長期滞在の促進として、同観光局のサステイナブルキャンペーン「Simply FEEL GOOD」の一環でサステナブル認証を受けた旅先や商品などを含めた8つの旅程を提案していく。

このほか、今年6月14日からドイツ10都市で開催される「UEFA EURO2024」の機会を活用し、サッカーの試合の観戦だけでなく、開催都市やその周辺地域への訪問を促すことで、滞在時間の延長を進めていく。 

ドイツ観光局によると、2023年欧州域内の文化観光を目的とした旅行者数は1億7300万人。そのうち、ドイツへの旅行者は1870万人となり、市場シェア11%でトップとなった。

回復進む中国市場、宿泊数はコロナ前の45%に

一方、ドイツ観光局は、最大のインバウンド市場である中国からの旅行者需要について、2023年の宿泊数が130万泊となりコロナ前の45%まで回復したことを明らかにした。航空分析フォワード・キーズによると、2024年1月の中国発ドイツ行きのフライトは2万2000便で、コロナ前と比較して57%まで回復している。

コロナ前、ドイツへの中国人旅行者は右肩上がりで増加。2010年の110万泊から2019年には290万泊まで増加していた。

欧州観光委員会の調査では、中国人が次に行きたい国でドイツは3位となっていることから、ドイツ観光局では、2024年はさらに力強い回復が見られると予想している。

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