米国のホテル業績、2024年後半以降に成長鈍る予想、生活費上昇が、低中所得層の旅行意欲に影響

データ分析のSTRとオックスフォード・エコノミクスのツーリズム・エコノミクスは、2024年~2025年の米国のホテル業績予想を下方修正した。2024年は、これまでの実績が予想を下回り、今後も成長予測が減少したことをうけて修正したもの。

2024年については、平均客室料金 (ADR) と客室当たり収益 (RevPAR) の予測増加率を、それぞれ1.0ポイント、2.1ポイント下方修正。2025年については、客室稼働率の成長予測は維持されたものの、ADR (-0.8 ポイント) と RevPAR (-0.9 ポイント) が再び下方修正された。

STRのアマンダ・ハイト社長は、「今年最初の4ヶ月には業績の二極化が見られた。これはすぐには収まらないだろう。生活費の上昇は、低中所得世帯の旅行意欲に影響を及ぼし、低価格帯のホテルの需要を減少させている。高級ホテルの需要は好調だが、旅行パターンの変化、経済状況の変化によって、価格決定力は低下している」と分析。

そのうえで「ほとんどの米国人にとって旅行は引き続き高い優先事項だが、商品やサービスの価格が引き続き上昇しているため、旅行のボリュームは減少している」とした。

また、ツーリズム・エコノミクス業界調査ディレクターのアラン・ライアン氏は、「低価格帯ホテルの短期的な需要の後退はあるが、今後は経済拡大に合わせて、団体旅行、ビジネス旅行、海外旅行の継続的な回復に支えられて、緩やかだが再び成長に転じる」と予想する。

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