カナダ・オンタリオ州観光大臣が来日、日本市場への期待を表明、定番だけでない新たな魅力の訴求を強化へ

カナダ・オンタリオ州のスタン・チョー観光・文化・ゲーミング担当大臣が来日し、同州の観光戦略や日本市場への期待を語った。同大臣は、オンタリオ州観光局とともに、カナダ観光局が「EXPO2025大阪・関西万博」で主催した「アジア・リージョナル・セールス・ミッション」にも参加した。

チョー大臣は、日本市場について、「日本人旅行者は、文化や自然、質の高い体験への関心が非常に高く、こうした嗜好はオンタリオ州が提供する魅力と深く一致している。 今後は文化観光やエコツーリズム、あまり知られていない地域での体験型観光など、オンタリオの多様な自然や歴史を活かした分野で大きな成長の可能性がある」と話したうえで、オタワやトロントとオタワの中間に位置する歴史ある街キングストンなど、新たな地域を紹介していく考えを示した。

一方で、課題も指摘。その一つとして「認知度」を挙げ、「ナイアガラの滝やトロントは広く知られているものの、先住民観光、州立公園、食文化、アートなどの認知は十分でとは言えない」との認識を示し、今後は「継続的なマーケティング活動、戦略的なパートナーシップ、日本の旅行会社やメディアとの強力な連携が不可欠」と強調した。

また、日本人旅行者の期待に応える「旅行体験の質」の確保にも課題感を示す。そのうえで、オンタリオ州全域の観光事業者と連携しながら、サービス品質の向上、日本語対応の強化、日本人旅行者のニーズに合った文化的配慮のある体験の提供に努めていくとした。さらに、需要の回復と喚起に向けて、日本市場に特化したキャンペーンへの投資を続けていく考えも示した。

このほか、全体的な観光戦略として、「持続可能な観光を非常に重視している」と説明。地域コミュニティや先住民パートナーと緊密に連携し、自然保護に貢献しながら地域に還元される旅行体験の創出に取り組み、「責任ある旅行を通じて人々をつなげ、州の独自性を守っていく」と力を込めた。

日本市場への期待を語るチョー大臣オタワ出身アーティスト、NHK旅番組でのエピソードも

メディア向けのプレゼンテーションでは、8月に開業した新アトラクション「ナイアガラ・テイクス・フライト(Niagara Takes Flight)」、オタワの世界遺産「リドー運河」などを紹介。また、イベントには、日本在住でオタワ出身のアーティストでMONKEY MAJIKのメイナード・プラント氏も登壇し、自身が出演するNHK放送の旅番組でのエピソードを紹介した。番組では、同氏がリドー運河をボートで旅し、自身が大学時代を過ごしたキングストンの街を訪れ、さまざまな体験をする。

プラント氏は、「運河での出会いは、陸での日常的な出会いとは少し違う。運河で出会う人たちはゆったり時間を過ごしている。ランチをするためだけに、わざわざ湖畔にある隠れ家的なリゾートにボートで向かう」と話し、オンタリオの自然と暮らしの豊かさを紹介した。

プラント氏が出演する「カナダの、その奥へ メイナードが巡る、世界遺産の運河の旅」は、BSフジで9月21日20時から放送される。

番組で訪れた場所の魅力を話すプラント氏。

みんなのVOICEこの記事を読んで思った意見や感想を書いてください。

観光産業ニュース「トラベルボイス」編集部から届く

一歩先の未来がみえるメルマガ「今日のヘッドライン」 、もうご登録済みですよね?

もし未だ登録していないなら…