オランダ拠点で宿泊施設向けにデジタルソリューションを提供しているIreckonu社によると、アジア太平洋地域では旅行者の86%がホテル滞在に高い満足度を示している一方で、同じホテルへの再訪率はわずか37%にとどまっている。
太平洋アジア観光協会(PATA)の予測によると、アジア太平洋地域で国境を超える旅行(国際旅行者)は、2027年までに8億1300万人に達する。こうしたなか、Ireckonuは、「満足度と再訪率のギャップは驚くべきもので、ホテルは満足度をロイヤルティにつなげるうえで大きな課題がある」と指摘。そのうえで、「ゲストと永続的な関係を持つ鍵は、データに基づいた高度なパーソナライゼーションを通じて、具体的な感情的なつながりを築くこと」と提言している。
アジア太平洋地域の旅行者は付加価値を感じた場合、より多くの消費する傾向があることから、客室だけでなく、飲食、スパ、室内温度など滞在体験全体でのパーソナライズされた配慮が、ゲストの満足度を高め、リピート率を高めるとしている。
ロイヤルティ醸成のためには、一般的なプログラムではなく、適切なタイミングで提供されるパーソナライズされた行動が必要とし、これを実現するためには、ホテルスタッフが業務の中で、正確で価値のあるゲストデータにリアルタイムでアクセスできる環境が求められるという。
そのうえで、ターゲットを絞ったタイムリーなメッセージをゲストに送信することで、リピート率を高めることができることから、AIを活用したロイヤルティ戦略が必要と提案。ホテルが単なる客室予約にとどまらず、AIを活用してニーズを予測し、体験をパーソナライズし、ゲストとの長期的な関係を強化することで、ゲスト一人ひとりのライフタイムバリューを最大化することが可能になるとしている。


