
観光庁が発表した2018年3月(第2次速報)の宿泊旅行統計によると、延べ宿泊数は前年比0.1%減の4270万人泊。そのうち日本人延べ宿泊者数は2.5%減の3592万人泊、外国人は15.0%増の678万人泊。外国人宿泊者数は3月として調査開始以来の最高値となった。
客室稼働率をみると、3月は全体で60.7%。全国で最も高い値は大阪の82.8%で、リゾートホテル91.8%、シティホテル90.2%と極めて高くなったほか、ビジネスホテルも84.9%と高水準になった。
上位5市場で全体の3分の2に、伸び率最多はスペイン
3月の外国人延べ宿泊者数を国別にみると、最多は中国で、前年比16.2%増の137万2370人となり、全体の2割以上を占めた。次いで、韓国が21.3%増の91万8830人、台湾が9.7%増の90万5890人、米国が14.9%増の49万5040人、香港が6.8%増の48万5530人。これら上位5市場で全体の3分の2(66.7%)を占めた。
また、発表された上位20市場のうち、伸び率が大きかったのは、スペイン(69.0%増)、フィリピン(51.8%増)、インド(30.4%増)だった。
国籍・都道府県別の宿泊傾向は?
また、国籍別にみると、宿泊先について傾向が読み取れる。
例えば、韓国からは大阪府への宿泊者数が最多で全体の19%、次いで東京が14%、福岡県が14%。台湾は北海道が18%で最多なのも特徴的だ。そのほか、東南アジアやロシア・欧州からの旅行者は東京への宿泊が多い傾向にあり、シェアの過半数に至るケースも複数みられた。
一方、都道府県別に宿泊者数の国籍を分析したところ、青森以外の東北地方では台湾からの宿泊者数が多い傾向にあり、岩手県では全体の約7割(68%)、山形県では48%、秋田県では37%、宮城県は32%を台湾人が占めた。また、中国人宿泊者数のシェアは、静岡県で60%、愛知県では41%、奈良県では49%を占め、それぞれ県内最多に。一方、九州では韓国人宿泊者数の割合が多く、大分県で64%、佐賀県で54%、福岡県で48%を占める結果に。47都道府県のうち、広島県のみが欧州(18%)のシェアが最多となっている。
この調査は、全国のホテル、旅館、簡易宿所、会社・団体の宿泊所といった宿泊施設を対象に実施したもの。3月の調査施設数は、従業員数10名以上が1万874施設、10名未満で6910施設。全体の有効回収率は53.6%だった。
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