インバウンド旅行者の消費行動を読み解く、中国・韓国・台湾・香港の訪日リピーター傾向を観光庁が整理

観光庁はこのほど、「平成29年訪日外国人消費動向調査(トピックス分析)」として、アジア4か国・地域(韓国、台湾、香港、中国)の消費傾向をとりまとめた。特に訪日リピーターの行動にフォーカスして分析したもの。

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リピーター比率を国別にみると、韓国(30%)が最多。続いて台湾(25%)、中国(18%)、香港(13%)の順となり、これら4か国・地域でリピーターの86%を占めることが分かっている。

国・地域別の行動傾向は以下のとおり。

韓国:リピーターほど「ひとり旅」が増加、「3日以内」の短期滞在派も拡大傾向に

韓国の1人あたり消費支出は、初めての訪日旅行(平均6.5万円)に対し、10回以上のヘビーリピーターは2万円増の8.4万円に拡大している。消費目的をみると、リピーターほど「電気製品」「カメラ・ビデオカメラ・時計」「服(和服以外)、かばん、靴」の購入単価が拡大。例えば電気製品では、訪日1~9回目までの購入単価は1万2000円代だが、10回以上のヘビーリピーターでは約3倍の3万7600円に拡大している。

また、訪日回数が増えるほど「ひとり旅」が増加する。具体的には、初めての訪日旅行では友人同伴が49%、家族・親戚連れが29%と多く、ひとり旅の割合は8%に過ぎない。しかし、2~9回目では友人同伴が36%と減少する一方で、ひとり旅が12%に増加。さらに10回以上のヘビーリピーターでは、友人同伴が19%に減少、ひとり旅の割合は23%にまで拡大している。

滞在日数では、初めての訪日旅行では「3日間以内」は28%、「4~6日間」が67%を占めたが、回数が増えるほど短期滞在が増加。10回以上のヘビーリピーターでは「3日間以内」45%までに増え、「4~6日間」が46%とほぼ同率となった。

旅行手配方法では、訪日回数に関わらず、「往復航空(船舶)券や宿泊券を個別に手配した」割合が8割以上を占めた。

韓国の動向:観光庁 報道資料より

台湾:訪日回数に関わらず家族・夫婦連れが6割以上、リピーターほど滞在期間が長く

台湾も、1人あたり消費支出は訪日回数が増えるほど増加。「10回以上」では14.6万円で、初回(11.9万円)と比較して2.7万円拡大している。購入単価を見ると、「服(和服以外)・かばん・靴)」がヘビーリピーターでは初回訪問者と比較して倍増(2万9700円)。「電気製品」「化粧品・香水」も訪日回数が増えるほど単価が上昇した。また、10回以上のヘビーリピーターは「温泉入浴」(49%)、「日本酒を飲む」(40%)実施率が上昇することも明らかになった。

また、韓国同様に訪日回数が増えるほど「ひとり旅」が増加する傾向がみられ、初回は約6%だが10回以上のヘビーリピーターでは17%を占めた。そのぶん、「友人同伴」が減少している一方で、夫婦・パートナーや家族・親戚同伴の割合は回数に関わらず安定的に6割以上を占めている。

滞在日数をみると、訪日回数を重ねるほど「7~13日間」「14日間以上1年未満」の中・長期滞在派が増えているのが特徴。例えば初めての訪日旅行では「4~6日間」が84%を占めるが、10回以上では63%に縮小。一方で「7~13日間」は初回の13%から29%にまで拡大している。

旅行手配方法では、訪日回数が増えるほど「往復航空(船舶)券や宿泊券を個別に手配した」割合が増加。初回訪問時は「旅行会社等が企画した団体ツアーに参加」した旅行者が全体の44%で最多だったが、10回以上では22%にまで減少。逆に個別手配派は、初回の40%から10回以上で66%にまで大きく増加した。

台湾の動向:観光庁 報道資料より

香港:リピーターほど「夫婦・パートナー」連れが増加、ゴルフ・舞台鑑賞などの娯楽サービス単価も上昇傾向に

香港では、1人あたり消費支出は、初回の14.3万円に対し、10回以上では19.8万円と5.5万円もの開きがみられた。購入単価では、10回以上のヘビーリピーターで「和服(着物)・民芸品」が初回の2万4000から5万7900円と大きく増加。「カメラ・ビデオカメラ・時計」「服(和服以外)・かばん・靴」なども増加傾向にあるほか、「ゴルフ場・テーマパーク」「舞台鑑賞・スポーツ観戦」といった娯楽サービス費も単価が大きく上昇しているのが特徴的だ。

同伴者の面では、韓国や台湾と違って、訪日回数が増えるほど「ひとり旅」ではなく「夫婦・パートナー」同伴が増加するのが特徴的。夫婦・パートナー連れは、初回訪日時は16%だったものが、10回以上のヘビーリピーターでは32%にまで拡大した。

滞在日数については、回数に関わらずほぼ一定なのも香港の特徴だ。初回でも10回以上でも「4~6日」が50%台で半数越え、7~13日間が40%台となっている。

旅行手配方法では、1回目の訪問では旅行会社企画の団体ツアー利用が2割以上を占め、個別手配は57%だったが、2回目以降はその状況が大きく変化。旅行会社のツアー利用は1割以下に縮小し、個別手配が76%と拡大した。

香港の動向:観光庁 報道資料より

中国:リピーターは短期滞在派と長期滞在派に二分化傾向、2回目以降は旅行者企画のツアー利用が大幅減

中国では、1人あたり消費支出は、初回の22.1万円に対し、10回以上では30.2万円と8.1万円もの開きがみられた。旅行中の支出は、「買い物」のほか、「宿泊料金」「飲食費」「交通費」で10回以上のほうが高い。娯楽サービス費では、「舞台鑑賞・スポーツ観戦」「ゴルフ場・テーマパーク」など比較的単価の高い分野で回数を重ねるほど減少し、単価の低い「美術館・博物館・動物園・水族館」は上昇。例えば舞台鑑賞・スポーツ観戦費用は初回の3万1100円に対し、10回以上では2万6800円に縮小。美術館・博物館などは初回の3300円から10回以上には5200円に上昇した。そのほか、買い物では、電化製品やカメラ、化粧品、衣類など多くの品目でリピーターの単価が拡大している。

同伴者については、初回および2~9回までは家族・親戚連れが48%と最も多いが、10回以上ではその割合が32%に低下。友人連れも22%から18%に縮小した。代わって「ひとり旅」の割合は初回の6%から10回以上で26%と大きく増加している。

滞在日数については、全体構成比出は多くないものの、10回以上のヘビーリピーターは「3日間以内」の短期滞在派と「14日以上1年未満」の長期滞在派が増加するのが特徴的。それに伴い、1回目では98%を占めた4~13日間の滞在が、10回以上では90に縮小した。

手配方法では、1回目は旅行会社企画の団体ツアー利用が52%と過半数を占めるが、2~9回目には約2割、10回以上では12%に減少。代わって個別手配は、初回の37%から10回以上で77%を占めるに至った。

中国の動向:観光庁 報道資料より

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