グーグルが活用する航空データ「シリウム」、世界の旅行・航空業界が実践する航空コンテンツの最新事例を聞いてきた(PR)

Cirium(以下シリウム)は、世界の航空会社のフライトを対象に、運航スケジュール、フライトステータス(リアルタイムでの運航状況)、機材やエンジンタイプ、飛行履歴などのフリートデータ(機体番号別の機材情報)を把握し、データ分析や需要予測、航空機鑑定評価、コンサルティングなどを手掛けるグローバル・ブランド。提供する各種データは実に幅広く、トラベル関連ではグーグル、エクスペディアやトリップアドバイザーといったOTAやメタサーチ、フライトの管理ができる人気アプリ「App in the Air」、日本の大手航空会社らがシリウムのデータを活用する。このほど英国ロンドン本社から来日したジェレミー・ボーウェン最高経営責任者(CEO)に、旅行・航空分野におけるデータ戦略について聞いた。

100年以上の歴史と事業拡大で航空ビジネスに関する圧倒的な情報量を確立

「シリウム」は、航空データに関する複数の事業を包括するブランドとして2019年2月に誕生。ボーウェンCEOはその1カ月後に現職に就任した。

前身は、100年以上の歴史を持つブランド、FlightGlobal(フライトグローバル)。ライト兄弟による飛行成功から間もない1909年に創刊した航空専門誌は、今年110周年を迎えた。主に機材や技術関連の情報を扱っており、そのバックグラウンドを活かして、フリートデータ事業を発展させてきた。

フリートデータとは、航空機の、エンジン、各種装備のメーカーや種類、使用年数、提供座席数、MRO(機体整備会社)との契約状況、飛行履歴、さらにはWi-Fiや座席情報といった機内アメニティまでをカバーする機体番号別の機材情報だ。

金融機関、航空会社、OEM(ボーイング、エアバス、三菱航空機などの航空機メーカー、日本航空機開発協会など)、機材サプライヤー、コンサルティングファーム、空港などがフリートデータ、航空機鑑定評価や需要予測のサービスを利用している。

航空機に装備されたWi-Fiや電源などのアメニティ情報について、ルートごとに、フライト90日前から独自に予測も行っている。これはフリートデータをもとに、ルートごとにデータを管理しているからこそ可能な技だ。出発6週間前の段階で、同予測の的中率は85%という。

2010年代には、航空会社の運航データ事業にも参入。まず航空機の鑑定評価で知られる英国のコンサルティング会社Ascend(アセンド)を買収。続いてトラベル分野に強いデータ企業の獲得に乗り出し、運行スケジュールのInnovata(イノヴェータ)、運航データのFlightStats(フライトスタッツ)、トラフィック分析ツールのDiio(ディーオ)を傘下に収めた。特に、FlightStatsは航空会社の精度の高い定時運航率ランキングで知られている。

こうして、新たに加わった航空機鑑定、運航スケジュールやフライトステータスと、もともとの強みだったフリートデータをまとめて保管できるようになり、空の旅を網羅する巨大な“データレイク”が完成。ここには1950年から集積してきた様々な形式のデータが保管され、クライアント企業は、さながらビュッフェのごとく、その都度欲しいデータを選び出し、活用することが可能になった。現在は、航空ビジネスに関することなら何でもカバーできる情報量を誇り、バラバラだった情報を紐づけし、分析するデータ・サイエンティスト集団へと変貌している。

[シリウムの事業案内動画(Cirium: A Smarter Way to Travel)]

「買収した各社は各分野のトップ企業で業績も好調だったが、ひとつにまとめることで、1+1=2ではなく、3にも5にもなった」とボーウェンCEO。シリウムでは現在、年間3500万便のフライトをトラッキングし、飛行履歴から航空機鑑定評価まで、幅広い業種向けに、データ分析を行っている。トラベル分野では、年間7000万人の旅程をモニタリングし、OTAやTMC、航空会社、保険会会社、旅行系アプリなどの顧客支援に役立てている。

年間3500万便のフライトをトラッキングし、幅広い業種向けにデータ分析ができるとボーウェンCEO

旅行ビジネスでは「情報の分断」が問題点

旅行ビジネスでは競争が激化しており、データ分析コストも気になるところ。ボーウェンCEOは「それこそ我々がトラベル分野に商機を見出した理由の一つ。空の旅の出発から到着まですべて網羅したシリウムのデータを活用することで、業務の無駄を省けるようになり、効率化やイールド向上をサポートできる」と指摘する。

トラベル分野でもデータ活用は始まっているが、同CEOは問題点として、情報の分断、「サイロ化」を挙げる。一人の旅行者に対し、複数の企業がサービスを提供することで成り立っている旅行ビジネスでは、各社はそれぞれ、旅行者に関する情報の一部を手にするが、旅行のエコシステム全体像を自社単独でつかむのは難しい。

こうした閉塞感を打破するのが、シリウムの圧倒的なデータを活用した分析とソリューションの数々だ。「自社データだけでなく、他社や異なる業種のデータまでカバーすることで、空の旅のエコシステム全体像が捉えられる。航空便のスケジュール、フリート、運航状況など、以前はバラバラに保管されていた各種データをつなぎ合わせたり、最先端の解析手法で分析したりすることで、我々はクライアント企業や旅行者にクールなソリューションを提供し、高い評価を得ている」(同CEO)。

シリウムが提供するサービス内容は、サブスクリプション課金型の定番サービスから、クライアント企業の抱える特定の問題解決を目指したカスタムメイド型のものまで様々だ。クライアントの業種は多岐にわたる。OTA、TMC、航空会社、保険会社、機材メンテナンス・サービス、銀行、航空機リース会社、商社、アセットマネジメント、生命保険会社、格付け機関、政府機関、研究機関、OEM、MRO、空港、検索エンジン、メタサーチ、旅行保険会社、デジタルサイネージ、携帯コンテンツ、危機管理情報会社などが、シリウムから受け取る情報を活用し、それぞれの顧客対応に役立てたり、業務効率化につなげたりしている。

様々なシーンで活用されるフライトステータス情報

シリウムが出しているフライトステータスの更新情報は、なんと1日当たり300万~700万件。一便平均では50件にのぼり、より正確な定時運航率の把握などにも活用されている。

検索エンジンのグーグルも、シリウムのフライトステータス情報を利用している。出発日にグーグルで利用便名を検索すると、当該便のフライトステータスが表示されるが、同データはシリウム提供のもの。同様に、アマゾンのアレクサ、マイクロソフトのコルタナなどのフライト情報提供でも、バックステージで活躍しているのはシリウムだ。

フライトの遅延やゲート変更を携帯端末などに知らせるアラート機能を活用すれば、ユーザーが自分でチェックしなくても、何かあれば通知が来るのでストレスが緩和される効果も。「出発時刻が20分遅れる? それなら免税店やラウンジで、もう少しゆっくりしよう」といった具合だ。

航空機の遅延やスケジュール変更は、給油会社や機内食ケータリング会社、清掃会社、整備会社、空港バスやタクシーなどの関係各社にも影響が及ぶため、旅行ビジネスに限らず、航空サービスを取り巻くあらゆる分野で活用され、日々の業務効率化に貢献している。

シリウムのソリューションを活用した画期的な旅行保険商品も登場している。損害保険会社のチャブが手掛けるフライト遅延保険では、万一の際、自動的に保険料が支払われる「オートペイ」を採用した。原則、ユーザー側から保険料の申請手続きをする必要はなく、保険会社がシリウムのデータで遅延発生を確認し、指定口座に振込んでくれる。

グーグル検索で表示されるフライトステータス情報。情報源として、シリウム傘下のFlightStatsが表示されている

航空会社を支援する各種ソリューション

航空会社もやはりシリウムを活用している。自社フライトのことなら誰よりも詳しいが、例えば他社と提携するコードシェア便に関する情報や、空港着陸後、搭乗客のバゲージが何番のベルトから出てくるか、といった情報をAPIサービスにより迅速に得ることができる。

「日本の主要航空会社をはじめ、世界のフルサービス・キャリアの大半が、何らかの形で、シリウムのソリューションやデータを活用している。例えばデルタ航空では、定時運航率をトップレベルにキープするために、シリウムが提供する各種データ分析内容をまとめたダッシュボードを利用している。他にも、イールドの高い新規路の開拓、座席稼働率、旅客数、ルートごとの市場シェアなど、営業戦略の策定にもシリウムのデータが役立っている」(ボーウェンCEO)。

TMCから評価が高い、悪天候時の「ウェイバー通知サービス」

運航トラブル、悪天候、自然災害などの際には、航空会社からウェイバーコード(発券済み航空券の変更手数料が無料になるコード)が発行されるが、そこで頼りになるのが、シリウムのウェイバー通知サービスだ。特にビジネス旅行者をサポートする欧米のTMCから、業務を効率化し、顧客満足度アップにもつながると支持されている。

これまでTMCでは、出張者が悪天候による空のトラブルに巻き込まれると、航空会社がウェイバーコードを出しているかどうか便名を照合し、手作業で情報を探さなければならなかった。当該便がウェイバーコード発行の対象になったことに気づかず、別のフライトを有料で手配してしまうなど、余計なコスト負担につながるケースも多く、悩ましい状況だった。

だがシリウムに利用予定便を事前登録しておけば、万一の場合、自動的にウェイバーコードの発行が通知される。TMC側は、出張者からの電話やメールが殺到する前に、代替便や、場合によっては近くのホテル手配に動ける。万一の事態では、いかに迅速に対応できるかが状況を左右するが、シリウムのウェイバー通知を活かすことで、TMCでは、フライト再予約のコストや、顧客からの電話対応に費やしていた時間と労力を大幅に軽減できるようになった。

「法人旅行マーケットは1兆3000億ドル、このうちマネジメントされているのは当社の推計で4500億ドルほど。ここがシリウムのターゲット顧客」とボーウェンCEO。法人旅行市場はこれからの重点分野の一つだ。

ウェイバー通知サービスは2017年後半からスタートしているが、その利便性を聞きつけた出張者からの要望を受けて、TMCがシリウムに問い合わせてくるケースもあるという。

日本オフィスの体制も強化、共に問題解決へ

ボーウェン氏の指揮のもと、昨年来、グローバルでの営業体制の再編も進行中だ。「過去12カ月で44人を新たに雇用、セールス部隊を強化してきた」(ボーウェンCEO)。

アジア太平洋では、シンガポールを中心に、東京、北京、香港にオフィスを構え、オーストラリアにも進出した。高坂美恵子・日本&韓国カントリーマネジャー率いる日本オフィスは開設から10年になり現在4名体制で、さらに拡大予定。ボーウェンCEOは「営業拠点のローカライズは非常に重要な一歩。日本のクライアント企業の話を聞き、一緒に問題解決を考えるためには、日本語を話すローカルスタッフのチームは不可欠」と考えている。

2019年末には、シリウムの各種ソリューションを実際に体験できるオンライン・ポータルサイト「シリウム・イノベーション・ハブ」を稼働する計画だ。クライアント企業はここにアクセスし、データを活用したレポート、分析、チャートなどが掲載されたダッシュボードなどを使えるようになる。「具体的にデータを使ってどんなことができるかを紹介する場としたい。APIをオープンにすれば、サンプルデータを使うことも可能」。日本語を含む英語以外のバージョンも段階的に整えていく計画だ。

企業によって、必要なデータやサービスは異なる。「圧倒的な航空データと分析力を活かし、シリウムだからこそ可能なソリューションを提供し、空の旅に関わるクライアント各社を支援していく」(同CEO)。

日本オフィスも人員増加で強化、東京タワーを望める東麻布に

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東京オフィス 電話:03-5561-5630 /メール: japan@cirium.com

記事:トラベルボイス企画部、REGION

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