主要旅行予約サイト(日本版)、トラフィックは激減、一部増加分はGWのキャンセルか

ウェブサイトのアクセス解析を行うシミラーウェブは、同社のトラフィックデータを基に、新型コロナウイルスが日本の旅行業界に与えている影響や現在のトレンドを分析したレポートを公表した。分析期間は、2019年12月から2020年4月11日まで。データには、デスクトップとモバイル経由のトラフィック(サイトへの合計訪問数(のべ))が含まれる。

データによると、4月に入っても旅行、航空業、ホテル業、イベント・エンターテイメントの深刻な状況は継続している一方で、ネットスーパー、フードデリバリー、オンライン会議プラットフォーム関連が急速に伸びている。

まず、日本のオンライン旅行系サイトのトラフィックは、グローバルのトレンドを追いかけるように新型コロナウイルスの感染拡大とともに一気に減少。4月4日までの1週時点で1月比で約60%減少し、4月11日までの1週では約66%にまで下落率が拡大した。特に、航空券予約を主に取り扱うサイトは、相次ぐ運休・減便によってトラフィックが減少。国内旅行を中心に取り扱うサイトでも、トラフィックへの影響が顕著になり始めている。

報道資料より航空会社サイトのトラフィックについては、3月前半まではキャンセルや払い戻しを求めるユーザーによるアクセスが増加したことから、急激な減少は見られなかったものの、4月11日までの1週では1月比で約34%減少した。

報道資料よりホテルチェーンが運営するサイトのトラフィックは、4月11日の1週では1月比で45%減。3月との比較値34%減からさらに下落率が大きくなっている。しかし、4月4日時点では1月比で47%減だったことから、下げ止まりの兆しが見えている。今後は、全国に緊急事態宣言が発出されたことから、ゴールデンウィークの予約をキャンセル・延期する動きでトラフィックが増加する可能性がある。

報道資料よりこのほか、イベント・エンターテイメント関連サイトのトラフィックは、1月比で、3月は約55%減だったのが、4月11日までの1週時点では約76%減と下降傾向が続いている。

一方、不要不急のが外出自粛が要請されていることから、ネットスーパー(食品デリバリー)のトラフィックは4月に入って上昇傾向。1月比で4月11日までの1週で約90%増となっている。同様に、フードデリバリーのトラフィックも約62%増加。特に、ubereats.comは約320%増、delima.line.meは約420%の増加となった。

さらに、テレワークや在宅勤務が増えたことで、オンライン会議プラットフォームのトラフィックが急増。1月と比較すると、3月28日のでの1週で約12倍、4月4日までの1週で約25倍、4月11日までの1週で約40倍と増加が続いている。特に、Zoomは小規模企業を対象にした無料プランを提供し、グーグルはHangout Meetのプレミアム機能を7月1日まで無料提供することから、両社のトラフィックが急増してている。

報道資料より

なお、シミラーウェブの資料上の「トラフィック」とは、分析対象となったドメインに対するすべてのセッション合計数であり、サイトへの「合計訪問数(のべ)」を示している。

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