ハワイ州観光局、教育旅行をテーマにフォーラム開催、高校生のSDGsへの関心の高さが明らかに

ハワイ州観光局(HTJ)は、「教育旅行とハワイ州」をテーマに第3回のハワイ・ツーリズム・フォーラムをオンラインで開催し、文部科学省の官民協働海外留学創出プロジェクトに携わる西川朋子氏が、海外留学の意義などについて基調講演を行った。また、HTJ日本支局長のミツエ・ヴァーレイ氏がハワイ州の教育旅行について説明。パネルディスカッションではハワイの教育に関わりを持つ4人が教育旅行の現状やトレンドを紹介した。

海外留学の意義とは?留学とSDGsへの関心に相関関係

西川氏は、官民協働で進める留学支援制度「トビタテ!留学JAPAN」について、日本の課題である国際競争力の低下やグローバル人材の不足をオールジャパンで解決していくために、2020年度までに、民間企業、団体、個人から約120億円の寄付を集め、約8300人を「日本代表」として海外に派遣してきたと説明した。

そのうえで、留学の教育的意義について、「変動性、不確実性、複雑性、曖昧性が増す時代に、自立し自分らしく生きる力と社会課題を解決する力を育むこと」と主張。調査結果から、チャレンジ精神、コミュニケーション力、語学力、広い視野など、学生が留学で得たと感じることと、企業が求める人材が一致しているとした。

また、SDGsと留学との間には相関関係があり、高校生への調査では、「SDGsの意味を知っていて関心がある」割合は海外留学に関心のある層では30.4%となり、無関心層の9.7%を大きく上回ったことから、「海外に興味を持つことが、社会課題への関心醸成にもつながる」とした。

コロナ禍で海外留学が厳しい現状のなか、オンラインプログラムが急速に充実しているが、西川氏は「オンライン留学プログラムは、リアルの代替品ではなく、オンラインで気に入った場所がリアルの留学先の候補になるというトレンドが生まれる可能性がある」と指摘した。

このほか、西川氏はトビタテ留学生のハワイ留学の実例も紹介。ハワイならではの学習テーマが多く、ハワイアン音楽、フラ、観光学、教育、ローフード、農業、海洋水産など多岐に渡っている説明した。

西川氏は国家プロジェクト「トビタテ!留学JAPAN」を説明ハワイと関係性を持つ教育旅行を推進

HTJのヴァーレイ氏は、ハワイが教育旅行先として適している理由として、「立地環境」「安心安全」「教育素材」「インフラ」「文化歴史」「自然環境」「アロハスピリット」「個性的な6つの島」の8つを挙げた。

そのうち、教育素材では、国際交流や語学に加えて、先端技術を有する産業学習、第二次世界大戦をはじめとした平和学習、日系移民や独自の文化歴史、天文、海洋、火山などの自然学習、グループでのチームビルディングを強みとしてアピールした。

また、ヴァーレイ氏はニューノーマルでの教育旅行の傾向についても言及。25人~50人のグループ小型化が進み、体験や現地との関係性を持つようなプログラムが求められるとした。また、販売については、料金設定の透明性を高めながら、質の向上を進めることで、単価を上げていくことも必要と指摘した。

今後は、ハワイの教育機関、日系団体、県人会などと連携を進めながら、日本とハワイとのリレーションシップを強化することで、持続可能で、地元に貢献できる教育旅行を誘致していく方向性を示した。

ハワイ教育旅行のメリットを説明するヴァーレイ氏ハワイらしい体験で人間としての成長を

パネルディスカッションでは、旅行ジャーナリストの村田和子氏がコロナ禍でも「旅育」の関心は高まっているとしたうえで、新たなニーズとして、「親子による教育旅行では、子供の年齢が高校生から大学生にまで広がっている」と指摘。子供と一緒に教育的な旅行に行くことで、「親のリカレント教育にもつながっている」とした。また、旅育では、タビナカの体験だけでなく、タビマエでの教育啓蒙やタビアトでのフォローアップも重要と強調した。

HECハワイ留学支援センターマネージング・ディレクターの小室桐子氏は、コロナ禍で留学先として人気のオーストラリアとニュージーランドでの受け入れが止まっていることから、その代替地としてハワイが選ばれていると説明。そのうえで、「この振替需要をチャンスとしてハワイでの継続的な受け入れを進めていきたい」と期待を表した。

ハワイ州立大学カウアイコミュニティカレッジの池田恭子氏は、留学生向けのプログラムについて、「カウアイならではのコンテンツだけでなく、その背景、島の人たちの生活、大切にしていることなどに触れることを重視し、人間としての健やかさを体験を通じて考えるようなプログラムをつくっている」と説明。また、留学で変化していく学生を帰国後もサポートできるように、先生も学生とフラットな状況で参加することが重要と強調した。

このほか、フラ専門誌「HULA Le’a(フラレア)」編集長の平井幸二氏は、旅行の中心となるホノルルの新しい教育素材を紹介。古代ハワイの風景を彷彿とせる「ホノルル動物園」やハワイ王族ゆかりの場所がある「ロイヤルハワイアン・リゾート」などを紹介した。

ハワイ教育旅行の潜在力をディスカッション

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