米国、外国人旅行者に「ワクチン接種+出発前検査」の義務化を決定、入国制限緩和で航空運賃は高騰か

米政府は、2021年11月から空路で米国に入国する外国人に対してワクチン接種と出発3日前までの新型コロナウイルス検査を義務付ける。米国への入国には、出発前にワクチン接種証明と陰性証明を提示することが求められることになる。

これまで、英国、欧州連合、中国、インドなど33カ国に過去14日間の滞在歴のある外国人は、原則入国を禁止していたが、今回の措置でこれが緩和されることになる。一方、日本を含め渡航制限の対象となっていなかった国に関しては、入国条件が厳格化されることになる。

このほか、ワクチン接種を完了していない米国市民については、海外から帰国する前と帰国後1日以内に検査を受けることも義務化する

米政府は、入国を承認するワクチン接種の種類や米国で承認されていないワクチンを認めるかどうかについて、現時点では明らかにしていない。

また、米疾病予防管理センター(CDC)は、航空会社に対して、米国滞在中の外国人を追跡できるように、連絡先情報を集めるように求めていく方針だ。

航空・観光業界は制限緩和を歓迎

旅行調査会社ホッパーのエコノミストは、新しい入国要件が適用されることで、欧州から米国への需要拡大が見込まれることから、航空運賃が高騰すると予測。パンデミック発生以降、低運賃に苦しんでいた航空会社にとってはビジネスが好転する契機になると見ている。

国際航空運送協会(IATA)は、今回の米政府の決定に関して声明を発表。ウィリーウォルシュ事務局長は「今回の発表は大きな前進。世界中の旅行者だけでなく、米国の観光事業者にとっても素晴らしいこと。業務渡航も活性化され、景気回復の後押しになるだろう」と述べた。また、今後の課題として、ワクチン接種を受けられない人への旅行リスクの管理方法を挙げ、世界的な検査の枠組みを構築していく重要性を指摘した。

全米商工会議所は、制限緩和は欧米間の移動を活発にすることから、米国経済の永続的な回復に貢献するとの見解を示している。

米国旅行業協会によると、今年のインバウンド市場では1750億ドル(約19.3兆円)の損失を見込んでいた。また、米国の航空会社業界団体であるエアラインズ・フォー・アメリカによると、今年8月の米国人の海外旅行者は2年前との比較で54%減。米国への海外旅行者数は74%減となっていた。

航空各社も今回の決定を歓迎。デルタ航空広報のモーガン・デュラント氏は「ワクチン接種と検査の組み合わせは、旅行再開にとって最も安全な方法」とコメント。ヴァージンアトランティック航空の最高経営責任者シャイ・ワイス氏は「これは大きなマイルストーン。英国は、最も重要な経済パートナーである米国との間で、貿易と観光を促進させることになるだろう」と述べている。

※ドル円換算は1ドル110円でトラベルボイス編集部が算出

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